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  • 販売開始日: 2015/04/03
  • 出版社: 文藝春秋
  • レーベル: 文春文庫
  • ISBN:978-4-16-783811-9
一般書

岸辺の旅

著者 湯本香樹実

あまりにも美しく、哀しくつよい傑作長篇小説なにものも分かつことのできない愛がある。時も、死さえも――ミリオンセラー『夏の庭』、名作絵本『くまとやまねこ』の著者が描く珠玉の...

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岸辺の旅

税込 581 5pt

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商品説明

あまりにも美しく、哀しくつよい傑作長篇小説

なにものも分かつことのできない愛がある。時も、死さえも――ミリオンセラー『夏の庭』、名作絵本『くまとやまねこ』の著者が描く珠玉の物語

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みんなのレビュー105件

みんなの評価3.6

評価内訳

映画もいいけど、原作はもっといい

2015/10/20 07:21

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

黒沢清監督の手で映画化され、第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の「監督賞」を受賞した話題の映画の原作である。
 単行本にして200頁あまりの作品をおよそ2時間の映画にするわけであるから、原作と映画の違いはある程度やむをえない。
 原作にはないエピソードがあったり、原作にあるエピソードをカットしたり、それはそれで仕方がない。ただ原作がもっている、つまりは作者湯本香樹実(かずみ)の世界観と映画監督黒沢清の世界観がやや違うような気がする。
 湯本の方が生きる側の視点にあるような気がするのだが、どうだろう。

 夫・優介が失踪してから3年、ある日妻・瑞希のもとに優介が帰ってくる。しかし、彼はすでに死んでいるのだという。
 つまり、優介は死者なのだ。
 その彼が「でかける」という。訳のわからない瑞希は「どこへ」と訊ねる。それは優介が肉体を喪い、瑞希のもとにたどりついた道をさかのぼる旅の誘いである。
 その旅で出会った人たちと町。そして、優介のこと。
 優介がいなくなってから、瑞希はずっと優介をたずねる旅をしていたのかもしれない。
 愛する人はただそばにいるだけではだめなのかもしれない。愛の名のもとに本当のその人を知ることを拒んでいる。知ってしまえば、愛は消え失せてしまう。
 瑞希は優介がいなくなることで彼を知ることになる。

 映画には描かれなかった挿話がある。
 それは瑞希が子どもの頃に川に落されて溺れた体験をもっているという挿話だ。なんとか一命をとりとめて瑞希は若くして亡くなった父から「生き運がある」と言われたことがある。
 映画化の際にどうしてこの挿話が割愛されたのかわからないが、水につならるものとして、この挿話は欠かせないような気がする。
 特に作品名に捉われる訳ではないが、この作品には水の流れやせせらぎの音が欠かせないような気がする。
 人の一生は河の流れに例えられることがあるが、人を愛するとか人を喪うことも、どこか川の流れに似てはいないか。

 映画を観た人はぜひ原作を読んでもらいたいし、原作を読んだ人は映画を観てもらいたい。
 そんな作品だ。

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死と別れを描く

2020/07/10 23:03

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る

とても好きな作家だが、この作家は寡作だから、私は、いつも新しい物語をじっと待っている。待っているが、この一冊以降新しい本は世に出ていない?
本作は映画化されてカンヌ国際映画祭「ある視点」部門の「監督賞」を受賞し話題になったことでも有名。
作家は、ずっと老人と子供のかかわりを描いてきたものが、本作は生きている妻とすでにこの世の者ではない夫の旅と設定されていて、それだけで胸がぐっと詰まる気がした。物語は、より不安で、悲しく、切なく...そっとひっそり息をつめるように読む。そして、やるせないエンディング。
一瞬、息ができなくなるほど苦しい。苦しいけれど、やはり優しい。
実は、映画はまだ見ていないまま、この本も再再読。今年は映画も見てみようかな。

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深く心に残る一冊

2025/06/21 05:31

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:なお - この投稿者のレビュー一覧を見る

とても不思議な物語だった。
死んだ夫とともに旅をする妻。それは、確実に別れが待っている旅で、そこへ向かって水が流れるように時間も流れて行く。とても重苦しくて悲しいのに、ふたりで生きていた頃より強い何かが夫婦を繋いでいる。
最後の場面、ふたり分の荷物をかかえたひとりぼっちの瑞季の姿は確かに痛ましいが、夫をきちんと見送れたことで、そこには寂しさや未練だけではない、新たな強さのようなものが備わっている気がして、それが救いに思えた。
到底ハッピーエンドは望めないと冒頭からわかっている物語だが、湯本さんの柔らかな文章は、ひらがなの多用もあいまって何か優しいものをこの作品に与えているような気がした。
それは、死者への畏敬の念なのか、湯本さん自身の優しさなのか。
あとがきを読みたかった。
瑞季が出会う人々も印象深い。自分が死んでいることにも気づかず、責任感から必死に新聞を配り続ける老人の勤勉さ。長いこと罪悪感を背負ったまま生きる中華料理店の妻の苦しみ。誰の人生も決して軽くはない。そして命も。
深く心に残る一冊になった。

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生死を分けない

2020/06/24 12:49

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

生者と死者を対極に捉えることなく、寄り添うように見つめています。ふたりが巡る風景の数々と、人々との触れ合いも優しいです。

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2012/10/03 18:03

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2012/10/16 15:28

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2012/09/19 17:04

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2012/08/07 17:58

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2012/10/04 19:59

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2012/08/14 15:37

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2012/09/07 00:10

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2012/09/01 08:57

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2012/08/24 00:31

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2012/08/25 02:34

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