- 販売開始日: 2015/10/28
- 販売終了日:2024/01/31
- 出版社: 新書館
- レーベル: 新書館ディアプラス文庫
- ISBN:978-4-403-52385-4
ニアリーイコール
幼い頃に両親を亡くし孤独のなかで生きてきた仁居は、高校時代はじめての恋に溺れ、その一途さゆえに相手を追いつめ捨てられてしまう。以来十年、人を愛することに臆病になっていた仁...
ニアリーイコール
商品説明
幼い頃に両親を亡くし孤独のなかで生きてきた仁居は、高校時代はじめての恋に溺れ、その一途さゆえに相手を追いつめ捨てられてしまう。以来十年、人を愛することに臆病になっていた仁居は、ある日、元同僚の国立と出会う。人懐っこく優しい国立は独りきりの仁居の生活にするりと入り込み、心をひどく波立たせた。自分の重すぎる愛情で大切な人を失う恐怖に、国立から距離を置こうとする仁居だが……。
愛してほしいなら、愛しすぎないようにしなければ――。
孤独な心と心が出会う、切なく温かい恋の物語。
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素敵な一冊
2019/06/11 22:21
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うみうま - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み始めて数行で悲しさが押し寄せてくる。生きていくのはこんなにも寂しいのかとつらくなる。主人公の仁居さんは淡々としているのに、それなのに寂しさが文章から痛いほど伝わってくる。仁居さんの閉じてしまった心を、静かに読ませてもらっているようでした。そこにあたたかいものが少しずつ広がっていくような物語で、詩を読んでるみたいな感じもするのが不思議。ゆっくりゆっくりと仁居さんの心に国立くんが入っていく感じがすごく良くて涙が出ます。こんなにも深く悲しいお話なのに、読んでいるとものすごく心があたたかくなる。何度も何度も読み返したくなります。猫さんのニーニがまたとても良いです。仁居さんも国立くんもこれから先は大丈夫なんだろうなと安心して読み終えることが出来ます。とにかく好きな一冊です。
読んでて心地いい作品
2022/01/07 01:23
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アザレア - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んでいて、切なくなると同時に全体的に優しくとても心地いい作品です。読み終わった時にこの世界にもう少し浸りたかったという名残惜しさを感じました。
登場人物それぞれがそれぞれ抱えながらも生きていこうとする心の様が丁寧に書かれていて、心臓が持ってかれます。
あとシンプルにイチャイチャしてるところも心臓がもってかれます。とても可愛いです。
あと猫かわいいです。
イコールではない。でも・・・
2021/01/04 08:03
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり
凪良ゆうさんのこういう話はもう秀逸というしかないです。
切なくてゆるやかな話。
しっとりとじっくりと二人の心情が描かれている。
大きな事件は起きないし、急展開もおきない。
二人を邪魔する明らかな敵はいない。
(過去の恋人とか元カレとかはいるけどそれは明らかな敵ではない)
敵というか乗り越えられない壁は二人とも自分の中にある。
仁居の周りの人物はそれぞれ完全な悪人ではないけれどダークな部分がある。
自分の気持ちが受け入れられなかったからと言って安易な行動で仁居を孤独においやり、
数年後には「あの時はごめんね」で済ませてしまう従姉妹のみちる。
(自分のしたことが他愛のないことでそれだけで許されていると思っている。
他人を傷つけるということを端的に表現している。
傷つけた方はそんなことは気が付いてもいないのだ)
みちるの言葉だけをまに受けて家から追い出す叔父
それを(多分)知りながらも糺すことなく「ごめんね」の言葉だけでやはり追い出す叔母。
追い出した時点ではみちるよりも叔父叔母の方が大人としていかがと思う。
それらを抱えた17歳の仁居は好きな人ができたけれど
「おまえの愛情は重い」と言って別れていった恋人
ひどいとも思うけど、21歳の大学生には人ひとりの人生を背負うには若すぎたのだ。
その気持ちもわかる。
そうして逃げ出してしまった気持ちも。
言われた方は傷つきトラウマになりその後の恋愛すらうまくいかなくなる。
川の見える窓辺の椅子に座り、真っ暗な中川の気配を感じながら
しゃりしゃりのウォッカを飲む仁居の姿が痛い。
さらに風邪をひいた時の状態も「孤独」感
深い深い孤独が横たわっている。
一方相手の国立もトラウマ持ちで恋人とうまくいかない原因を抱えている。
妹の存在
妹と母の関係
これは犯罪要素も絡んで重たく重たく横たわっている。
それでも、そんな二人の心が寄り添っていく過程は
痛くもあり切なくもあり癒されもする。
時間をかけて熟成していく関係の描き方は秀逸です。
(作者さんのこういう話は本当に秀逸だと思う)
すべてが解決してすっきりとしてはいないし、
まっさらな綺麗な状態にはならないが
これから時間をかけて少しでも傷が癒されていく
あるいは上塗りされていって穏やかになれると良いなぁって思ったラストです。
(スワンボートには笑いましたけど)
「俺の一番感じるところは身体じゃないから」
その言葉に切なさとか優しさとか悲しみとか色々な感情を
呼び起こされました。
猫のニーニがこの話を泥沼に落とさなかった立役者だと思います。
それと、仁居さん国立くん呼びが、なんだかこの二人を現わしていたかなぁって
思ってしまいました。
澄んだ冷たい空気の中読むのにふさわしい本でした。
やっぱり好き
2022/11/28 17:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:インディゴさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
凪良作品が本当に好きです。丁寧に心の動きが描かれる世界観がハマります。仁居の葛藤が手に取るように分かりました。映画化して欲しい。
始まりと終わり良ければ全て良し
2022/02/13 19:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こひしゅが - この投稿者のレビュー一覧を見る
【祝】攻め視点あり!!!
恋は盲目タイプの一途受け。好きな人に会えるためならズル休みだってするし学校だって辞める。でも初恋の人はその仁居の愛情を重いと感じて、離れていった。
母親は「たくさん愛して愛されて幸せになって」といい、初恋相手は「お前の愛は重い」と言う。混乱して出た結果が「愛してほしいなら、愛しすぎないようにしなければ」だった。
けど大学時代、社会人との恋人ができても長くは続かない。愛しすぎないようにした結果相手から、俺のこと好きじゃないだろ〜やら、きみは自分以外を愛せないんだな〜やら言われて振られる。
攻めの国立遥も仁居もゲイだから、女関係の心配はなく読める。
もともと同じ高校の非常勤講師と教師だった二人。ゲイの男性が集う店でお互い恋人を連れて鉢合わせして接点を持った。
それから数年、電車で再会してからちょくちょく会うようになる二人。仁居に恋人がいない情報をゲットしたからか、距離感が縮む。
産まれたばかりの子猫を拾って二人で世話して疲労してるシーンが、新米パパママの子育て感が出てて微笑ましい。
国立が告白しても、過去の失敗が怖くて付き合えない。失敗って何? って聞かれても言えない。攻めも少し似たような性格。
凪良マジックなのか、口が堅いのも自分から進んで足を踏み出さないのも、女々しいとかウジウジしてるように見えない。全然いらつかない。
いやーでも国立の恋人たちが言う通りシスコンだ。妹も兄に甘えすぎ。溺愛とかそういう関係ではないけど、恋人よりも妹を有線とかありえない。
家族に対して同じ年代の他の人よりも美しいとか思うのがやばい。しかも身内贔屓なしってもっとやべー奴じゃんって思った。
まさかの、仁居の元カレ佐田と今カレ国立が、アーチェリー部の代理顧問と指導員として出会う。佐田の過去の恋人の話を聞いて、特徴で仁居のことだと気づく。
佐田とあったおかげで、仁居と国立の関係がひとつ進んだ。過去の恋愛に嫉妬してる国立が良い。
ダブルブッキングみたいな感じで国立妹と仁居も会う。
妹が図々しすぎ。正月と盆は兄と一緒に居させてくれ、って。恋人からしたら大事な短い休みなのに。
仁居がもちろんっていうと、本当に好きなのか? って聞いてきて。なら盆は兄と一緒にうちに来てくれないか、って。そこは違うだろ、と。徐々に慣れていくんじゃなく早く国立を自由にしてやれよ、と。
国立が今まで振られた理由は、セックスができないとかじゃなくシスコンだからだと確信。
いっそのこと仁居が、兄妹の邪魔したくないから別れるって言い出して、妹から引き離して欲しかった。
と、ここまでだと★3〜★4の評価だったけど、妹は他の男とくっついて兄離れしたし、2人は一緒に暮らしたしで、結果良ければ全て良し。2人の出会い方とかやり取りがめちゃくちゃ好きだったので★5評価。
静かで孤独で
2016/04/18 13:02
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さきん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ぽっかりとどこまでも深い孤独を抱え、でも、だからこそ光のなかにスーッと溶けて消えてしまいそうな目を離せない透明感を湛えた受け。痛々しくて切なくて、どこか暖かい、そんなお話でした。
凪良しさんらしい作品
2016/09/17 13:00
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Sota - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初、佐田は、ただのわき役の、とてもひどい奴だと思ってたのですが、彼の真意が分かってから、主役の二人よりも、気になる存在になりました。彼が主役のスピンオフも読みたいな。
いい
2019/06/18 15:04
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:KoLe - この投稿者のレビュー一覧を見る
なかなかいいお話でした。序盤薄暗く、エチもうすーいのですが、沈むことなく坦々と読み進めることができました。挿絵の美しい仁居にも助けられてると思います。ゆっくり育んでいく大人の愛がとても上手に描かれていて、噛みしめながら読み返したい作品です。凪良作品には度々泣かされますが、これは大丈夫でした。
さびしい
2018/12/30 16:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かなぶん - この投稿者のレビュー一覧を見る
どこか暗く、寂しい文体。
だからこそ猫を囲むやりとりや二人の交流がとても温かく感じます。
凪良先生のシリアス作品の らしさ がとても出ている作品でした。
人間関係に臆病な
2017/02/18 08:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ま〜る - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間関係に臆病な人同士の間に産まれるおそるおそるの交流を描いたおはなし。
それぞれに不幸な過去を持ち、周囲との関係に踏み込めないふたりのラブ。描写はさほど重くなく程よく切ない。
BLにはこういった欠けたところのある二人が補い合うようにして愛を育む系の作品がよくあります。初期のBL(june)にはそこをドラマチックに悲劇的に描くものも多く、読むにも精神的な体力が必要なこともよくありました。
本作は、そうドラマチックなわけでも激情に流されるようものでもなく淡々と進みます。読後感はふんわりしています。
休日にコーヒーでも飲みながらどうぞ。