電子書籍
偶然の積み重ねのような奇跡が、必然となり幸福の流れとなっていく。
2023/08/02 11:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
終戦時の朝鮮半島からの壮絶な引き上げの実話を物語のなかに挿入した、長編の下巻。
偶然にも高価な陶磁器を手にしたことから、主人公の志乃子は、好むと好まざるとに関わらず、大きく人生を変える選択を余儀無くされ続ける。
自分でも気付かない素晴らしい特性で、新たな人生の扉を開いていく。
その根本は善人の連帯。
そうした、偶然の積み重ねのような奇跡が、必然となり幸福の流れとなっていく。
紙の本
自分でも気付かない素晴らしい特性で、新たな人生の扉を開いていく。 その根本は善人の連帯。
2023/07/31 07:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
終戦時の朝鮮半島からの壮絶な引き上げの実話を物語のなかに挿入した、長編の下巻。
偶然にも高価な陶磁器を手にしたことから、主人公の志乃子は、好むと好まざるとに関わらず、大きく人生を変える選択を余儀無くされ続ける。
自分でも気付かない素晴らしい特性で、新たな人生の扉を開いていく。
その根本は善人の連帯。
そうした、偶然の積み重ねのような奇跡が、必然となり幸福の流れとなっていく。
紙の本
人たちとのつながりが幸福へと
2016/03/16 20:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
この小説の主人公、志乃子は様々な人間と関わりあいながら人生が大きく変動していく。たくさんの人たちがこの小説に次から次へと現れ、志乃子と関わり、人たちとのつながりが幸福へと導かれていくのである。読みやすい文章であり、次々といろいろな出来事が起こるので、小説の中に没頭してかなり速いペースで読めた。とても良い読後感でした。
紙の本
読後爽やかな気持ちに
2015/09/14 06:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あんこパン - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮本さんの著書はほとんど読んでいますが、これもお気に入りの作品です。
主人公がある骨董品と出会ったことから、いろんな人と出会い、生き方までも変えられていきます。周りのひとびとが好い人が多いのですが、これも主人公の人徳かなあと思える真っ直ぐに生きてきた人です。現実の自分には起こり得ない内容だと思いますが、読後、爽やかな気持ちになれる、宮本さんの鮮やかな作品です。
投稿元:
レビューを見る
…石に一滴一滴と喰い込む水の遅い静かな力を持たねばなりません。…
というロダンの言葉が作中に引用されているが、この物語の核心はこの一言に尽きると思う。良い流れに身を委ねて、次の一歩を踏み出す。人と人とのつながりって、おもしろいものなのよね。この人はと思ったら細くてもなが~く付き合えるようにしておくこと。それが自分の人生も豊かにしてくれるんだなぁとしみじみと思った。私もあの志乃子さんたちが住む場所の住人になって、志乃子さんたちと知り合って、いろいろおしゃべりしたいなと思った。
投稿元:
レビューを見る
久しぶりに読んだ宮本輝。なんだか傲慢さを感じるのはなんでだろう。嫌いな話では決してないのだが・・・。
投稿元:
レビューを見る
「自分を善人に仕立て上げよう気なんて、ひとかけらも持ってはれへん」「自然にすなおで、自然に謙虚で、自然に礼儀正しい」主婦が、次々と「善い人」と出会い、大金を手に入れ、そのうえ遂には喫茶店を経営することとなってしまう。何とも魅力的な物語。
この『グールド』という喫茶店、どこかにあったら、ぜひとも行ってみたくなってきた。
一方、要所に挿入される、大戦後の北朝鮮から帰還する一家を記した手記は、実話だそうで、光と影のように、主人公と「善き人たち」とのつながりを一層引き立てている。
また、宮本作品らしく、記録しておきたい箴言があちこちに。
投稿元:
レビューを見る
茶碗とカフェオープンの話は正直どうでも良い。作り話にもほどがあるし、不思議な縁で片付かない。引き揚げの話に集中すれば良かったのに。
投稿元:
レビューを見る
しばらくぶりに宮本作品を読了。そうだこの価値観。読み終えたら、自分も正しいことをして生きよう、本物じゃない人とは付き合うのをやめようと確信しました。
投稿元:
レビューを見る
一気に読んではしまったのだが、どこか都合の良すぎる展開の物語で、だから何、という感じがしてしまった。
こういう運の良いだけの人生も世の中にはあるのかもしれないけど……、この主人公の女性は自分で何ひとつ努力して得ているわけじゃないのよね。うーん。
一気に読んで面白くなかったわけじゃないのだが、好きではないってことだな。
投稿元:
レビューを見る
宮本作品を読むと希望を得られる。『水のかたち』は出会いを大切に受け止める。その連続が幸福の連鎖を生み出す事が描かれていると感じた。
作品の中にある下記の言葉が心に残っている。
『心は巧みなる画師の如し』
『他者への畏敬』
『石に一滴一滴と喰い込む水の遅い静かな力を持たねばなりません』
他の作品も読みたくなりました。
投稿元:
レビューを見る
上巻に続いて下巻を読んだが、下巻の方が話の展開があったせいか読みやすく、テンポ良く読めた。
しかしながら最後までなんとも言えない「偽善的」な「いい話」がむずがゆく心地よく読むことは出来なかった。
結局、何が言いたかった話なのかもよく分からず、敷いて言えば因果応報的な話なのだとすれば、あまりにただ長いだけの小説だったと思う。
投稿元:
レビューを見る
新たな恋でも始まるかと期待したがそれもなく、淡々とした人生が続く。
だんなさんの協力的な言動も、こんな旦那さんがいるのかと真実味がなく、盛りあがりに欠ける結末だった。
投稿元:
レビューを見る
物語以前に宮本輝の文章が好きである。
読んでいると、ほっとして気持ちが温かくなる。
この物語も主人公は恵まれた女性だが、「水のかたち」を柔らかく醸し出すために存在しているようだ。
投稿元:
レビューを見る
宮本輝は書きたいものをたくさん心に持っていると以前読んだことがあるが 彼は後半の想像を絶する過酷な引揚げの話を後世に伝えたくて この本を企画したのではないか?
だから あえていつも口元が笑っているように見える 春のような雰囲気のおばさんを主人公に持ってきて 恵まれすぎる暖かいお話で舞台の準備をしたのじゃないか
始まりはなんともおだやかな 人をなごませる主婦が主人公 家族も次々登場する人物も いい人ばかり
近所の古い喫茶店の2階に亡きマスターが集めた骨董品(がらくた?)があり 見亡人にすすめられその中から 気軽に2~3 もらうけることになるが これらが後に大変価値のあるものと分かり 骨董の世界入り込んでいく 彼女にはどうやら骨董品を見極める才能があるらしい また次々と出会う人たちも温かみにおある人ばかりで この人たちに助けられながら最後はビル群の中の 趣味の良い喫茶店に骨董品をならべる経営者になってしまう なんとも調子が良すぎてはがゆい
彼女が貰い受けた骨董品は文机や茶碗のほかに手の込んだ細工物の手文庫であったが この箱の中に手縫いの小さな汚いリュックサックがあり ビッシリと書き込まれたメモの束が入っていた
これの内容は「ほのぼの」から一転して非常に厳しいもので敗戦後北朝鮮に取り残された人たちの記録であった 軍人は先に逃げてしまい 一般人は朝鮮人や突然南下してきたロシアの兵隊にひどい目に会う 大勢が犯され衣類を剥がれ野ざらしの死体になったなかで 一人の男性の知恵と強い意志によって1年後の良い季節を選んで 150人もの日本人を海路によって38度線を突破 引揚後も才覚によって 戦後の厳しい時代を乗り越えた記録であった たくさんの偶然に助けられ奇跡的に一緒に引き上げることが出来た幼子に伝えたくて書き残したようだが 戦後の生活苦の中 途中で途切れた状態になっている 苦労の末書き残した人の家族がまだ生きておられることがわかり続きを聞く旅に出る
敗戦後大陸や南方から奇跡的に 命からがら引き上げてきたという話は聞いたことがあるが ここまで悲惨で生々しいものははじめて