紙の本
こんなに生き生きしているなんて
2017/05/25 19:09
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投稿者:ブラックティー - この投稿者のレビュー一覧を見る
わたしにとっては、伝記や評伝なるジャンルの本は、絶対に手に取らないものだった。
そんな先入観たっぷりのわたしが、この本の新聞評を読んで俄然、読みたくなり、手に取った。
CMやテレビ、雑誌でワンショルダーのエプロンがトレードマークの小林カツ代さん。
一家に1冊は、彼女の料理本があるのではないだろうか。
そんなカツ代さんの姿が、あまりにも生き生き描かれていた。
作者と小林カツ代さんの関係を知って、合点が行った。
そうか、親しい年の離れた友人だったんだ。
ふたりの出会いのピースボートでのエピソードは、導入としてはほんとに引き込まれてしまった。
公のエピソードから、裏の内緒事のエピソードまで、包み隠さず、しっかり誠実に書かれているのにも好感が持てた。
「話芸には方程式がある。はじめはしんみり、中おかしく、終わり尊く」
この本は、まさにそんな本だった。
読み終わり本を閉じたとき、一筋の涙が頬を伝った。
紙の本
人生レシピ
2017/02/24 11:15
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
平凡な主婦がいかにして稀代の料理研究家になったかが伝わってくる。本書紹介のレシピも、自宅で再現してみたい。
紙の本
おどろき
2017/06/24 05:25
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投稿者:なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
小林かつよさんのレシピは1万をこえるなんてすごすぎる。
そんなに考えるなんていつもいつも料理のこと考えてないと無理ですよね。
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【主婦から家庭料理のカリスマへ】料理本230冊以上、考案したレシピは一万超。家庭料理のカリスマと称された小林カツ代、波乱万丈の人生の光と影を描く傑作評伝。
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20171101読了
2017年出版。実は、活躍されていた頃のカツ代さんを知らない。私が料理に取り組み始めた時期にはもうすでに、親子とも闘病する不運に見舞われておられたから。当然、「料理の鉄人」での偉業もリアルタイムでは知らなかったのだけど、この本の実況中継で時を越えてわくわくさせてもらった。結婚当初は味噌汁すらろくに作れなかった人が、料理を楽しんでパワフルに活動して、そしてレシピが残っている。うちの肉じゃがは、今やカツ代レシピです。
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大変面白かった。会えるだけの人に会い、ゆかりの地にはできるだけ足を延ばし、なるべくたくさんの資料に当たっている。実に誠実な作り方をしている正統派ノンフィクション。味を文字で伝えるのは難しいことのはずなのに、しっかり伝わる。エピソードのつなぎ方というか話の展開の仕方も上手。小林カツ代という人物の位置づけもちゃんとできている。惜しむらくは文字数の少なさ。この倍ぐらいのボリュームはあってもよかった。ミスターとの関係についてもっと証言が聞けていれば、陰影の深い、よりすごい作品になったのかもしれない。最後の最後、作者がぎりぎりまであとがき作業に取りかかっていたことは知っていたが、こういうことだったのかと、納得した。この本、大手のノンフィクション賞、とるんじゃないだろうか。
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「わが道を行くワンタン」を読んだことがあります。その時は毎日の料理が女性の応援歌になることに気づかせてもらいました。「毎日おいしくつくること」と「毎日おいしくたべること」を繋げ合わせ人生の賛歌にしていった小林カツ代の一生を描いています。これから朝の連想ドラマの原作になりそうな昭和史です。女性にとっての職業が限られていた時代(それはそんな昔ではない…)に主婦の毎日の行為を圧倒的に主婦サイドに立ちながら職業にしていく行動力が眩しく、またそれが女性たちの共感を得ていった源泉だったのでしょう。まさに戦後、家族というカタチが家から核家族になっていく、そして専業主婦が家庭の外に出ていく、そのプロセスの時代のヒーロー(ヒロインって感じじゃない)だったのだと思います。そういう意味では、まだ食べさせる相手としての家族がいた人でしたが、「あとがき」の真実は家族の形態の変化も取り込んでいた人でもありました。そういう意味では個食化の進む今、家庭料理はまた新しいヒーローを求めるかも知れませんね。ケンタロウの自分ごはん、仲間ごはん的な世界、可能性大きかったと改めて感じました。
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実家の商売や子どものころの大阪の空襲の話や、短大時代・主婦でありながら専門学校生としての学び、育児と家庭料理、などなどそれぞれの時代区分にこめた本人の情熱が、私が観ていた小林カツ代のTVでの活躍に一直線につながりました。人気者であるのにTVに出てこないなあという印象を持っていましたが、病に倒れていた長い期間のうえに亡くなったと知り驚きました。
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「料理の鉄人」のところから入るのは、構成の妙。同時代で見ていたときは「売れている人」へのやっかみというか、正当に評価されないところもあったようだが、今から振り返るとたいした人だったのだなぁと、本書で腹に落ちる思いだ。
「家庭料理研究家」としての矜持を保つということが、この人の背骨だったのだろう。料理人が出す料理と家庭料理は違う、なぜなら「作る人も食べる人」だからという指摘にははっとした。たしかに小林カツ代のレシピには、この考え方がしっかりある。自分自身が子育てしながら仕事もしてという忙しい毎日を過ごす中で、どうしたら手早くおいしい料理を家族のためにつくれるか。「手間をかけることが愛情」という考え方ではなく、ただの手抜きでもなく、カツ代流の合理性が支持の理由だという点に合点がいった。
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小林カツ代が「一番年の離れた友人」と人に紹介していたという著者による評伝。生い立ちから料理研究家として名をなすまで、その後の多彩な活動と考え方など一通りの評伝スタイルをもちつつ、近しい間柄ならではの裏話(「食べ直し」へのおつき合いなど)も盛り込まれ、小林カツ代のいろいろな人となりが伝わる好著。いわゆる評伝としての客観性とはやや距離をおき、小林カツ代礼賛のような感じもしないでもないが、それはそれで近しい人ならではの味というところだろう。
本書では、小林カツ代が名を上げたのはテレビ番組「料理の鉄人」がきっかけとしているが、そうだろうか。少なくとも私はそれ以前から著書などで小林カツ代を知っていて、十分名の知れた人という認識だったのだが、それは料理の世界、いわゆる「女こどもの世界」のなかだけだったということか。
一方で、本書から再認識したのが、料理研究家にとどまらず、食の世界を超えた文化人としての小林カツ代像だ。思い起こせば、私が「料理の鉄人」以前に知っていた著書も、写真とともに料理の作り方が載っているというよりも、縦書きの文章が連なりながらワーキングマザーの両立術を指南したり、合理的な生活術を取るのに発破をかけるようなものだった。女性が社会に進出し、それでもなお家事も大部分を引き受けるのが実情のなか、そうした実情に即した生活文化の創出に一役買った人ともいえる。さらには、戦争のない世のなかを目指した発言などもあるけれど、それも家庭生活や家族の文化とひとつながりにあるものと解釈した。
経済だ、科学技術だ、はたまた芸術だ、文学だといった「文化」が表舞台でわがもの顔にしているけれど、人間の基本は衣食住というのはやはり真実で、その部分の文化を創り、語り広める人としての小林カツ代だったのだ。
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私が死んでもレシピは残る、名言だし、相当自信がないと言えない言葉だと感じる。
今まで何度かこのレシピの肉じゃが作ったけど、うまくできず、栗原はるみレシピを参考に作ってますが、また改めて作ろう!
キャベツせん切りの上に熱々ソース焼きそばを乗せ、ボウルで蓋して1〜2分蒸らす、早速やりたいと思います。
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小林カツ代は怪物だったんだなぁと思う。
もとい昭和といっていいのかわからないか
あの時代の「母親」「主婦」像を
今の時代に体現しようとするのは無理難題過ぎる。
当人は「主婦代表」とされることをことさら嫌がっていた。
「料理研究家」であり「主婦の料理研究家」ではないと
そうラベル付けすること自体どちらにも敬意を欠いている。
彼女が何でレシピをつくるかは目の前のあなたに喜んでほしいからだ。
そのための尽力が想像を絶していたが
変なテクニック、情報、評価なんて気にしないで
できることから始めるという大前提も大事であると気づかされ
毎日すこしだけ料理を自分のできる範囲で楽しもうと思えた。
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●→本文引用
●この頃すでに、カツ代の一生の行動原理は形成されていた。「興味を持つ。知識を得る。行動に移す。世界が広がる。」カツ代の人生はこの繰り返しだった。
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カツ代さんのレシピは、小さい頃から母が作ってくれた大好きな味。カツ代さんの生き方や人柄を知って、今まで以上に大好きな料理研究家になりました。効率をよく考えられていて、簡単だけど美味しさを妥協しない料理は、時代の先駆でした。同じ女性として勇気をもらいます。働き盛りの同世代におすすめしたい本です。
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大リーガーのイチローが、気持ちだけでは絶対に打てないように、「プロの仕事というものは、必ず技術が気持ち以上でないと本物にはならない。」
いわゆる・・
腕前が一級品であること、必須条件。