スーザン・フォワード著「毒になる親」、「毒親の捨て方」を読んでもスッキリしない人へ。
2024/02/26 22:47
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投稿者:あひる2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルの書籍を購入してアドバイスを実践して親との物理的距離は取れたものの、心理的な影響が強く残り続けて自分の認知や行動が制限されているような感覚がずっとあった。特に人間関係への影響力は凄まじかったので、購入してみた。
残念ながら自分の親達はこの本でいう「真正の毒親」だと判明したので関係改善や関係回復はやはり無理だが、彼らが何故毒親になったのかの複数の事情を知ることで、意外にも長年の親達に対する様々なマイナス感情が消えていくのを感じた。ようやく親からの心理的支配から少しずつ解放されていく気がした。
また、「毒親」問題が絡むと医療機関にかかっても治療が進まない理由の1つに医療従事者たちの「専門家」の考え方や理解のなさ、自分達の未消化の毒親問題を患者へ投影している等の問題もあることを知り多いに参考になった。自分が相談する場合の目安になる。
こういう医療従事者達が現在も「治療行為」を行っていることにも腹が立つが、無自覚に「善意で」毒親問題を拡散、深刻化させている日本の医療のシステム自体にも憤りを感じた。周りの「毒親」被害者女性の中にも親との関係改善を希望する人達に有効なアドバイスが全くされないだけでなく、「一緒にいて辛いなら、相手は変えられないのでスッパリ縁を切ればいいのに。」と簡単に言う心理師がいて傷つくだけのケースや、フォローが貧弱なくせに認知行動療法でトラウマに無理矢理かつ執拗に暴露させて解決しようとする「治療者」達の話を聞くこともあったので、只でさえ傷ついているのに、「専門家」に相談することで自分の心の傷をさらに悪化させることが減るだろう。
最後に、本書は毒親問題の複雑な裏事情を分かりやすく、順番に丁寧に説明してくれている。また、「毒親」側の事情も解説しているので親からのトラウマの影響を認識したり、これまでの人間関係の捉え方が変化したりと、周囲との関係再構築に踏み切れそうな希望が持てる。場合によっては親との条件付きでの関係改善の方法もあるので、他書籍を読んでもスッキリしない人にはお薦めしたい。
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
育児について、いろいろな角度から解説されていて、よかったです。毒親の問題など、深刻さがよくわかりました。
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投稿者:nikobuch - この投稿者のレビュー一覧を見る
毒親には二種類あり
真正の毒親(サディスティックなサイコパス)と
「毒親」(発達障害や病気によるもの)に分けられ、
本書では後者を扱っているものと解釈しました。
両親ともにサディスティックなサイコパスだった人には
あまり役立つ部分がない本だと思う。
そういう人向けにもっと踏み込んだ本はないものか?
治療費は罪悪感を抱かず出してもらっていいことくらいかな?
参考になったのは。
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毒親の正体のひとつに発達障害の可能性という本。
うわーそうだったのか、というびっくり感。
あるある大事典みたいだった。
読後自分がすっきりするかというとそれは別で
新しく知ることができた「あきらめ」も考えに入れつつ
やっぱりこつこつ回復の道を辿らないといけない。
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「毒親」の正体。水島広子先生の著書。精神科医である水島広子先生の分析と経験によると、毒親になりやすいのは、発達障害や精神疾患(統合失調症や鬱病)といった精神科的問題を抱えている人、それから貧困状態にあるなど経済的に余裕がない人。毒親が毒親になってしまう背景の理解なくしては毒親問題を正しく理解できないと思っていないので、とても参考になりました。自分の親が毒親であった人、自分自身が毒親かもしれないと思う人、毒親や毒親予備軍と接する機会が多い教育関係者や学校関係者にとっては読む価値がある良書です。
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ざっと読んだだけになったが、理解したことがひとつ。
意外と発達障害の人は多いんだ、ということ。
「なんであの人ああいうことするんだろう。普段はいい人なのに」と思うことがあったが、「ああ、発達障害だったのか」と腑に落ちたことがあった。
自覚は難しいだろうけれど、関わる者としては、そういう病気があることを知っていた方が楽に付き合えるだろう。
親になるって大変。
「自分はこうならない」とは言い切れないと思う。
水島さんの著書『女子の人間関係』は好きだが、似たような内容の本が多くなってきたせいか、少し合わなくなってきた気がする。
「上から」を感じるのか、宣伝が多いせいか。
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[図書館]
読了:2018/9/12
虐待親から逃げて、戸籍も抜けた。住所も辿られないように行政に訴えて住民票その他をロックした。感情の安定したパートナーを得て自分の家族も持った。あの頃をいちいち思い出しては泣かないようになった。いつもふとした時に頭に入り込んで来ていた、心臓に包丁を突き立てて赤々と血を流してこの世から消える自分の映像も見なくなった。手首の傷も言われなければ見えなくなった。身体というハリボテの中に常時抱えていた「消えたい」という思いはいつのまにか薄らいでいた。
でも。
そこから先に進まない。虚無感が心のどこかにある。
毒親に対する新たな視点を提供しているというこの本ならばここから先に進むための抜け口を教えてくれるのではないか、そう思って読み始めたのだが。
しょっぱな、
「子の成長を妨げた上に何とか大人になって自立した子に金を無心する親」
「性的虐待をした親」
は交流を絶っても仕方がない真性の毒親である、本書では対象外、と述べられてて拍子抜けした。
うちはどちらもコンプリートである。
それでも一応読んでみた内容としては、毒親はASD、ADHDを持っているために心の中の「注意の部屋」が目の前の一つのことでいっぱいになり子に注意を払わなかったり、「心の理論」がないために「これを言ったら相手(子)はどう思うか」が分からないのでひどく傷つけることを平然と言ったり、かつ衝動性があるために自分の言ったことや自分のした約束をすぐに忘れたり、「横のつながり」がないために「こういうことはやめてほしい」と頼んでも、具体的に何が「こういうこと」に該当するか分からないので、子への境界侵害行為を繰り返す、という。
あとは愛着スタイルの問題。これはよく毒親本やアダチル本に出てくる不安型と回避型の話。
さらにうつ病、DV被害、経済的困窮も要因になることがある。そりゃそうだろうねぇ、という感想。
説明が「心の理論がない」「衝動的」「『注意の部屋』に一つしか入らない」など、抽象的にしか書いていないので、具体例がほしかったなぁ。ASDやADHDが、本のカバー袖に書いてあるような「ちょっとしたことで体を引きずり回す」ほどの爆発的行為に至る過程がよく分からなかった。
後半の「親が毒親になった理由を知ったのち、ここからどう乗り越えていくか」については、参考になるようなならないような…「ゆるす(手放す)」ってこれまでにもずっと言われてることじゃないかね?
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自分の親に対して、ずっとモヤモヤしていました。
年をとるにつれて、そのモヤモヤは大きくなる一方でした。
自分の親が毒親かどうかは別にして、この本を読んで自分の父も母もASDタイプじゃないかと思い当たりました。
父も母も真面目すぎるくらい真面目な人たちで、僕は虐待は受けていませんが、一方で親から褒められたり、認められたと感じた記憶はありません。
母は言うことがその時でコロコロと変わり、いつも極端に僕から異性を遠ざけようとしていました。
父は交友関係と呼べるものはほとんどなく、「恥」となることを極端に嫌うため、人の力を借りることを自分にも子供にも認めませんでした。
まさか自分の親が発達障害だとは思いもよりませんでしたし、愕然とした気持ちになりましたが、ASDだと仮定すると今までの親に対するモヤモヤが腑に落ちます。
本を一冊読んで、即座に他人の精神性を断定するのは愚の骨頂かもしれませんし、危険なことかとは思いますが、親から精神的な支えを受けられなかったこと、親に対する憎しみの執着を手放す一助になりそうです。
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毒親→子供の不安定な愛着スタイルの基盤を作る親
・子の5ステップ
1自分は悪くなかったと認める
2怒りや混乱を受け入れる
3親にも事情があったと認める
4親にできることを整理する。
5現実的な付き合い方を考える
・自分自身をゆるす
自分の心の平和を第一に考える
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借りたもの。
毒親の原因に発達障害と愛着障害(スタイル)があることを指摘。
前者が脳機能の偏向、後者が生育環境における親とのコミュニケーションの問題とされている。
この2つはよく似た傾向を示すため、素人目には判断が難しそうだ。
(脳自体がブラックボックスのため、発達障害もよくわからないことが多そうだし…)
発達障害、愛着障害、精神障害によって何故、毒親が生まれるのか……
様々なクライアントのケースを基に、「毒親」の定義と原因を紐解いてゆく。
原因は1つだけではない。親の特質だけでなく、環境要因(貧困、カルト、嫁姑問題、DVなど)もあることを指摘。
親に原因があったことを認めた上で、“自分が”どうするのか……それが問題だ。
斎藤学『「毒親」の子どもたちへ』( https://booklog.jp/item/1/4895958744 )でも指摘があった。
子供は“親に無償に愛されたい”というのは普遍だろう。必要な時期にそれを得られなかった「事実」と「原因」を認識し、それを癒す――克服する――ことが「毒親」問題の本質だろう。
「毒親」認定をして親を断罪しても意味がない。むしろ「毒親」にその自覚は皆無であることが殆どだ。責めたところで「無かったこと(無視)」にされる。
そのことを“受け入れる”必要がある。
……この本では、毒親と認識された親にその「非」を認めることを促しているが。
この本は心に不安を抱える人に寄り添う姿勢で書かれている。だからと言って甘い言葉を論(あげつら)っているのではない。そこに好感が持てた。
段階を踏んだ克服法についても言及。
田房永子『母がしんどい』( https://booklog.jp/item/1/404602884X )にあるような、親と縁を切る以外の方法を提案。
……実際、私もカウンセラーと親子面談をして初めて親が私を育ててくれたが“見ていない”ことを認識した。
毒親問題とは、当事者が受けた、その虐待の程度や家庭環境の優劣(中産家庭か貧困家庭か)など、境遇の度合いが問題ではなく、家庭環境に起因した苦しい考え方のクセ――生きづらさ――による苦しみだった。それを他人が「被害者意識強い」というのはお門違いだろう。
【感想とはあまり関係ない備忘録】
日本において「毒親」という言葉の認知を広めた田房永子氏も、ブログで“「しんどい母は発達障害ではないか?」という意見を頂いた”と言っていた。
愛着障害は直近で読んだ『話を聞きたがらない夫 悩みを聞いてほしい妻』( https://booklog.jp/item/1/4040693841 )の著者・岡田尊司氏の専売特許ではないことが発見…
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真摯で丁寧な説明が重ねられており信頼できる一冊。
発達障害(先天的障害)と愛着障害(後天的障害)に分けて話が進んでいく。
ここにサイコパス(先天的人格障害)を加えて3点で説明していただくことは可能だろうか?
卑近な例で思うこと多々あり、読後しばらくしてダメージが広がった。
なんとかして早く大人になりたいものである。
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「毒親」関連書籍の中で一番斬新
スーザン・フォワードや安冨歩さんの本を読んできて、この本でたくさん気づきがありました!
そっか、親が発達障害だったなんて考えたこともなかった。
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読んでいた時にふと思い浮かんできたこと。
そうか、学校や会社、組織、社会で成功できない。
社会で成功すると、依存度が減り、コントロールできなくなってしまう。
だから、誰も信じられないようにしてしまえば、都合よく使える。
向こう側の裏側から考えればそういうトリックだ。
だから、徹底的に褒めない、失敗だけ指摘していれば、成功体験もさせずに、自分よりも劣った人格にすれば、操作できる。
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自分も毒親にならないためにと読んだけど もっと深刻なおうちはたくさんあるのだろう。よけいな解釈にエネルギーを使うのではなくただ知ればよい 自分が悪いわけではない そこから自分がどう生きるか考えればいいというアドバイスに納得。毒親カウンセラーによる読み物は 親への恨み感の代弁がすごくて読むのがつらいけど この本は精神医学的に心理学的に淡々と書かれていることも助かった。知ることで 自分もまた毒親にならないためにどうするかも考えられそう。
でもこの毒親って言葉は 目にも心にもなんとなく慣れない。もう普及しちゃってるから仕方ないけど…
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自分の親を毒親と認めるのがまず難しい。
だけれど、やはり読み進めると当てはまる所も多くて納得したし、勉強になった。
親が発達障害という場合も多いそう。そう思うだけで救われる方も多いと思う。
まずは自分は悪くないという事。何か親に言われても、それは親の問題であって、それと自分とは関係がないという事を理解する。その上で自分の人生を選択していく事が大事。
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カッコ付き「毒親」の解説。とくに発達障害をもつ人が子育てする時「そこで何が起こっているのか」の解説が分かりやすく、その困難を想像できる。