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増補 中世日本の内と外
著者 村井章介
「国境」という概念が定着する以前から、東アジア世界にもたしかに領土・領有意識はあった。しかしそれはあくまで権力者の都合によるもので、一般の民衆には大きな意味をなさなかった...
増補 中世日本の内と外
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中世日本の内と外 増補 (ちくま学芸文庫)
商品説明
「国境」という概念が定着する以前から、東アジア世界にもたしかに領土・領有意識はあった。しかしそれはあくまで権力者の都合によるもので、一般の民衆には大きな意味をなさなかった。日本と新羅の国交が断絶した9世紀、朝鮮半島南西部を拠点にした海上貿易のドン・張宝高は、日本に唐物の商品を運び、貴族からも大いに喜ばれた。また中国の仏教聖地を訪れるために遣唐使船に同乗した天台僧の円仁は、新羅人の船に乗って帰ってくる。日朝間の海域では「倭人」が活発な交易を行っていた。境界を軽々とまたぎ、生活していた東アジアの人びとに焦点をあて、境界観の歴史をたどる。
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紙の本
中世の我が国を含む東アジアの人々の境界観(国境観)の変遷をたどっていきます。
2020/04/20 08:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、中世の時代に存在していた境界(国境)を軽々と超え生活していた我が国はじめ東アジア人の動向を追うことで、当時の人々の境界観の歴史を辿った貴重な一冊です。同書では、我が国と新羅の国交が断絶した9世紀に朝鮮半島南西部を拠点にした海上貿易の首領、張宝高が日本に唐物の商品を運び、貴族から大いに喜ばれた事実、中国の仏教聖地を訪れるために遣唐使船に同乗した天台僧の円仁が新羅人の船に乗って帰ってきたという事実、日朝間の海域では倭人が活発な交易を行っていたという事実などが示され、そうした状況が起こった背景や当事者の境界観などを考察しています。同書の構成は、「第1章 自尊と憧憬―中世貴族の対外意識」、「第2章 陶磁器と銭貨と平氏政権―国境を往来する人ともの」、「第3章 鎌倉幕府と武人政権―日本と高麗」、「第4章 アジアの元寇―一国史的視点と世界史的視点」、「第5章 「日本国王」の成立―足利義満論」、「第6章 中世の倭人たち―国王使から海賊大将まで」となっており、とても興味深く読み進められます。
紙の本
内と外のあいまいさ
2016/03/06 21:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
倭寇や対馬、足利義満など外交史がメイン。現代の我々の認識と違い、もっと交流は頻繁で「内と外」の境界は曖昧なものだったのを教えてくれた。意外と読みやすかったので、著者自ら続編と述べる「世界史の中の戦国日本」も読んでみようかな。