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数学ガールの秘密ノート/行列が描くもの
著者 結城浩
※この電子書籍は固定レイアウト型で配信されております。固定レイアウト型は文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。「...
数学ガールの秘密ノート/行列が描くもの
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数学ガールの秘密ノート 行列が描くもの
商品説明
※この電子書籍は固定レイアウト型で配信されております。固定レイアウト型は文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
「僕」と三人の数学ガールたちとの数学トークを通して中高生レベルの数学を楽しく学ぶシリーズの第10作目です。
本書のテーマは、「行列」です。
行列の知識は、数学を活用していくために必須です。たとえば、機械学習やディープラーニングを理解するとき、コンピュータを使って数式処理や数値計算を行うとき、ゲーム開発、画像処理、コンピュータグラフィクス、アートなどの多彩な分野を学ぶときなどに、行列の知識は欠かせません。
行列はまた、高校で学ぶ多くの分野を関連づけて学べる題材でもあります。複素数、ベクトル、三角関数、図形の面積に関わる幾何学、交換法則や結合法則といった代数学の法則などに行列は関わっています。
本書では、行列に関する用語や計算方法から始まり、行列の多彩な側面に触れながら行列の基礎知識を学んでいきます。高校の新課程では行列が消えてしまったため、大学に入れば必ず学ぶ線形代数の前準備としても本書は大きく役立つでしょう。
目次
- あなたへ
- プロローグ
- 第1章「ゼロを作ろう」
- 第2章「イチを作ろう」
- 第3章「星空トランスフォーム」
- 第4章「アイを作ろう」
- 第5章「迷宮マトリックス」
- エピローグ
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紙の本
線型代数超入門
2019/01/16 10:08
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:類太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
初学者の誰が考えてもおかしくないことや陥りやすい誤りが書かれてあるのは他の「数学ガール」と同じである. 本書では, 絵や図説をふんだんに用いて時には可換図式も使いかなりていねいに行列を解説している. 特にわかりやすいと思われる感じた点と工夫されているように感じた点は以下である.
・実数0の公理的定義に基づく0と零行列の説明
・実数1の公理的定義に基づく1と単位行列の説明
・行列の数の配置において横が行であり縦が列であること
・行列の積の定義
・積は可換でないこと
・行列は線型変換を表すこと
・線型性の意味
・行列の積の意味
・行列式の意味
・(全体的に見て)行列と数の対応関係
・数学における論理の説明
行列に慣れるために必要な行列の見方や計算の仕方さらに注意しなければいけない代数的事項(積の定義可能性, 積が可換でないこと, 零因子が存在すること, など)や幾何的側面(行列と線型変換が1対1に対応すること, 行列式と線型変換の像との関係)を明確にしているのがとても良い.
分配法則と結合法則の重要性を注意深く例示しているのは数学の入門書の中では高く評価されるべきであろう.
行列は, 私は中学生時代に高校数学の学習参考書で学んだ. その時に考えていたことも書かれている. 今は高校数学に行列が無い. しかし, 幾何学・代数学・解析学のどの分野にも行列は必須なので, また数学の論理がていねいに説明されているので, 数学の初心者や行列の初学者には本書をおすすめしたい.
複素数や平面ベクトルを用いた説明もあり, 線型写像の具体例に関数の微分と積分と確率変数から期待値への対応も挙げられているが, 平面ベクトルは必要に応じて調べながら(必要なのは平面ベクトルの定義と和の定義と実数倍の定義と座標平面の点との同一視くらい), 物語の流れだけを追い軽く読み流せば予備知識は中学数学程度で足りるであろう. 本書よりも行列をていねいに解説した本は他にはない. また意外なことに厳密性がわかりやすさのために犠牲になっているのは行列の定義と逆行列の記号の定義だけである. 他も厳密に書かれている訳ではないが, 或る程度の精確性を意識しているように感じた.
ちなみに無限次元の行列は関数解析という理論で現れる. 有限次元の(つまり普通の)行列の理解は必須であるが, ぜひ関数解析にも挑んでみてほしい. 本書がそのための第一歩にもなるはずである.
なお「線型」は「せんけい」と読む. 「線形」と書かれることも多いが, 著者もこの表記を採用しており「線形」とは書いていない.「線型性」は,
関数f:R∋x→cx∈Rのグラフ
{(x, y)∈R^2|∃x∈R, y=f(x)}={(x, cx)|x∈R}
が原点(0, 0)を通る直線であり, 実定数aと変数x, yに対して
f(ax)=af(x)
f(x+y)=f(x)+f(y)
が成り立つことから来ている言葉である.
紙の本
「僕」僕と3人の数学ガールたちとのおしゃべりを通じて学ぶ数学シリーズの10巻目です!
2019/02/03 12:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、主人公の「僕」が数学ガールとよばれる3人とともに話をしたり、行動したりする中で、数学を学んでいくというシリーズの第10巻目です。同書は、行列をテーマに話が進んでいきますが、この内容が実に興味深いのです。行列というものがどんなものかということから始まり、その法則性や規則性、行列が創り出す図形など、その世界がどんどんと広がっていきます。行列はこんなにも楽しいものだったのかを改めて思い起こさせてくれる傑作です。