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紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場
著者 佐々 涼子
「この工場が死んだら、日本の出版は終わる……」絶望的状況から、奇跡の復興を果たした職人たちの知られざる闘い「8号(出版用紙を製造する巨大マシン)が止まるときは、この国の出...
紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場
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紙つなげ!彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場 (ハヤカワ文庫 NF)
商品説明
「この工場が死んだら、日本の出版は終わる……」絶望的状況から、奇跡の復興を果たした職人たちの知られざる闘い「8号(出版用紙を製造する巨大マシン)が止まるときは、この国の出版が倒れる時です」――2011年3月11日、宮城県石巻市の日本製紙石巻工場は津波に呑みこまれ、完全に機能停止した。製紙工場には「何があっても絶対に紙を供給し続ける」という出版社との約束がある。しかし状況は、従業員の誰もが「工場は死んだ」と口にするほど絶望的だった。にもかかわらず、工場長は半年での復興を宣言。その日から、従業員たちの闘いが始まった。食料を入手するのも容易ではなく、電気もガスも水道も復旧していない状態での作業は、困難を極めた。東京の本社営業部と石巻工場の間の意見の対立さえ生まれた。だが、従業員はみな、工場のため、石巻のため、そして、出版社と本を待つ読者のために力を尽くした。震災の絶望から、工場の復興までを徹底取材した傑作ノンフィクションが待望の電子書籍化! 解説/池上彰
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紙の本
災害、震災を綴った書物には、できるだけ対峙したいと改めて
2020/12/18 15:25
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
故郷を襲った、東日本大震災関連の書は、気づけば必ず読んでいる。その意味で、遅ればせながら読了。あの日々、多くの雑誌が薄くなったのを思い出し、ああ、こんな苦労もあったのかぁ...と。製紙工場の復旧は過酷を極め、長年勤めた現場の人々ですら復旧は無理と感じ、感じながらも、奇跡のように短い時間でそれを成し遂げた事実は、感動的である。
読了後、何年たとうと、あの日以降今も出版され続けている震災関連書物に対峙することは続けて行こうと思う。それは、本という落ち着いたメディアを通して、静かにヒトの話に耳を傾けることも「防災」であるな…と、ふと気が付いたから。
紙の本
紙づくりの復興
2024/01/17 16:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本大震災により宮城県石巻市にある日本製紙石巻工場が被災し、紙づくりができなくなってしまった。文庫やコミック誌などの書籍を作れるなくなる危機的な事態が出来した。発災直後から工場が復興するまでを、会社や地元の多くの人へのインタビューをつなげて作られたノンフィクションだ。紙の本のもつ食感や香りが書を読む読書家に愛されるのだが、製紙工場の存在を、この書で、初めて強く意識することになった。「立ち腐るままに終わらず震災忌」大きな災害の度に思い出さずにはいられない。
紙の本
奮闘
2023/10/13 22:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:悟空 - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本大震災から現在まで、いかにして日本製紙石巻工場は復活したが描かれた作品。被災者達の苦悩や奮闘は読んでてとても感動しました。
紙の本
手の中の文庫そのものがつながっている。是非文庫で読んでほしい。
2017/06/08 20:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
あまりにも有名なアメリカの週刊誌TIME。その用紙も、本書に出てくる石巻の工場で作っていることを初めて知った。その製紙工場は2011年の震災で津波に飲みこまれたが半年で主要機を稼働させた。本書はそお被災と復興のノンフィクションである。
主要な材料であるの紙を作っている機械が止まれば、たくさんの「紙製品」がすぐに対策を迫られる。「止めてはならない」と奮闘した人々の話である。本書のタイトル「紙つなげ!」はそういう思いを表したのだろう。
それまで日常的につながって流れていた、流れているのがあたりまえだった諸々が、災害でとまって初めて露わになった。家族、会社、地域の人間関係。さまざまな形での「人のつながり」がそこにはあることを教えてくれる。会社の野球部の話などもあるが、震災という大きな出来事の中で様々なことが絡み合って動いている。災害後も大きな工場の機械を動かすために、まずは掃除から始めさまざまなものを一つ一つ修復して行かなくてはならない。
たぶん、同じような「復興」の物語は大なり小なり数知れずあると思う。それでも、一つでも多く記憶の中につないで行かなくてはいけないと思う。震災当日、数日後、数か月後の現場の現実は読むのが辛い部分も多い。「自分だったらどうか」。しかし人間は非常時にどう行動するのかを知っておくことは大事だと思う。ここに出てくるような行動は日本人だからなのだろうか、人間なら誰でもするものなのだろうか。いろいろなことを考える。
本書は復興の物語であるが、それとともに、「紙の本」の意味を考えさせる本でもあった。
奇跡的に一本、というとあの松の木を思い出すだろうが、ここにも「奇跡の一本」があったという話。震災後の倉庫に見つかった無傷の、切断前の包装された大きなロール。それはその後出荷され、文庫になったことだろうという。それは今目の前にあるものなのかもしれない。
どんな種類の紙を作っていたか、の記述もかなり詳しい。読みながら「ひょっとして」と思っていたことは巻末の数行で「やっぱり」となった。「使用紙」のところである。この文庫の本文の紙は、復興したマシンで造られたもの。写真が印刷された紙についても本文内にでてくる。
手に持っている一冊が、物語の現場につながっている。この不思議な感覚。ぜひ本書は文庫で味わって欲しい。
紙の本
読書が好きであるというなら、
2018/06/10 19:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mino - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の筆力は今ひとつだが、そこにある物語は力強く涙をこらえられない。 読書が好きであるというのならその紙がどこからやってきたものか知るべきだ。一読を勧める。