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投稿者:チェリまほっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゾーンに入ったかのように読み耽った。がむしゃらに鍛錬して優秀になったが為にとんでもない任務を強制的に受けた男性のストーリー。冷房が要らないくらい冷や冷や半端なし。
ノワール小説の金字塔
2024/06/05 22:24
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投稿者:蒙古卵麺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
伝説的な香港映画「インファナル・アフェア」、その日本版リメイクドラマ「ダブルフェイス」と潜入捜査物を映像でこれでもかと見せつけられてきましたが、活字でもその世界観を堪能できるとは何という幸せでありましょうか。物語の中で終盤、重要な登場人物の一人である阿内将の家族や己が生命までをも犠牲にすることを厭わない凄まじい行動描写には、何か作者の魂が宿っているようにも思えて鳥肌が立ちました。ノワール小説の金字塔といえるでしょう。
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投稿者:脳天さかおとし - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画化を見てなんだか釈然としなかったので原作を読んで疑問が氷解した。
つまり、警察の潜入捜査官が潜入した組織のトップについた新しくのしてきた若いボスというのも実は潜入捜査官だった、つまり自分自身の影を追っているような人間関係が原作では全体の骨子として機能しているのだけれど、映画だと小ネタに凝ってボケたようになっていたというわけ。
そして上に利用されるだけで金にも地位にもならない警官と、好きなように振る舞えて莫大な金を稼げる非合法組織のトップのどちらが魅力的という葛藤というドラマ性というのも大きな魅力。
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投稿者:ごんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
近未来のヤクザを見るようで、警察がヤクザ組織を動かす発想が面白いと思いました。警官がヤクザ組織に潜入捜査する室岡の気持ちが良くわかり、警察組織の幹部も自分の思惑を成就させ、死で罪を償うスタイルが男のノワールを感じさせてくれました。第二段も読みたいと思います。
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
暴力団・東鞘会に所属する兼高昭吾は、弟分の室岡と沖縄で対立組織の喜納修三を殺害した。殺人計画~死体処理までやり方は極道のやり方であったが、実は兼高は警視庁組対部に所属する潜入捜査官だった。
兼高は組対部の上司・阿内から東鞘会トップの十朱を殺害するよう指示を受ける。そのために汚れ仕事も引き受け十朱に近づこうとする。阿内の策により東鞘会の内部が崩壊し始めたこともあり兼高は十朱の秘書となる。
順調に東鞘会壊滅の計画が進んでいたが・・・。
ハラハラドキドキで読んでおりました。内容に引き込まれていました。
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深町秋生『ヘルドッグス 地獄の犬たち』角川文庫。
深町秋生の最高傑作と呼ぶべき超ハードなピカレスク警察小説。解説は北上次郎で、深町秋生のデビュー前の短編小説の文体をジェイムズ・エルロイの『ホワイト・ジャズ』に似ていると論じている。
予想を覆す全く先の読めない展開に手に汗握りながら読み進む。ここまでやるのかという描写の連続に血圧が上がる。ヤクザよりも恐ろしい警察組織。手段を選ばぬ正義は悪としか言えない。
血生臭い展開から物語は始まる。東京の東鞘会に所属する兼高昭吾は組からの依頼で、弟分の室岡と沖縄に渡り、ターゲットの喜納修三を殺害する。ここまで読めば、ヤクザの抗争を描くピカレスクかと思うのだが、そうは問屋は卸さない。
なんと兼高昭吾こと出月梧郎は、警視庁組織犯罪対策部特別捜査隊の潜入捜査官であり、兼高に課せられた最終的な任務は東鞘会の会長・十朱の抹殺だった。兼高は次第に東鞘会で頭角を現し、ついには十朱のボディガードを任されるのだが……
実は十朱も是安という名の警視庁の潜入捜査官であり、悪と暴力に取り込まれたというよりも、警察組織に嫌気がさし、自らの意思でヤクザ界に骨を埋める決意をしたという驚愕の事実。しかし、驚愕はこれだけではない……
本体価格840円
★★★★★
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本の中から血の臭いがが漂ってくる様でした。それなのに読むのを止められない。誰も彼も幸福な死に方をしないにもかかわらず・・・兼高こと出月の運命や如何に・・・多分幸せな最期は望めないかなあ?
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まさにハードボイルド。かなり凄惨で過激な表現も多く、実写化してみて欲しい思いがある一方で、ここまで過激でリアルなグロさとか痛さとかを感じれるのはやっぱり本ならではなんだろうな。とても面白かった。
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警察とヤクザのコンゲーム。
組織を潰す為に潜入し、上層部に取り入る為に、罪を犯しながら成り上がり、周りの人間との絆も深めてしまい葛藤する主人公と。相変わらず暴力の描写は容赦ないので、過激な作風が苦手な人は避けた方が良い。その過激さ故に主人公の命も常に危険に晒され、ハラハラしながら読むので肩に自然と力が入り凝った(笑)
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文句なくおもしろかった。
人間は、あんなに追い詰められた状況でも正気を保てるのかと思うと脆い生き物なのか強い生き物なのか判断がつかないな、と思う。
けっこうな残酷な描写も多い作品だったけれど、それを夢中で読んでしまう自分にもちょっと驚いたんだけど、よく考えたら今さらだな。昔から好きだったもんな。
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映画ディパーデッドみたいな内容なので、ストーリーは面白い。が…、なんか文章の情報量が多すぎる気がして疲れた。
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広域暴力団に潜伏中の警視庁刑事の主人公は、殺し屋として組内で頭角をあらわしている。
狙いは総長。彼も警察からの潜伏者なのだが、警察を裏切っている。
主人公の狙いは総長の秘密のデータを取り戻して、彼を消すこと。
そんな荒唐無稽なストーリーと血腥いアクションシーンが延々と。
反吐を吐いたり、血がドバドバ出たり、後で誰が片付けるんだろうなんて考えていると読めないな。
まあ、そんな感じ。
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潜入捜査官が沖縄に行き裏切り者を始末する冒頭から引き込まれていってどうなっていくのか最後まで読む手が止まらなかった。
潜入がバレるかどうかには重きはおいてなくて、兼高が犬をやめて十朱のようになってしまうのかどうなのかが気になっていたが、最後の結論は予想してなかった。
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久しぶりに滾りました。素晴らしいストーリーです。ありがとうございます。
洋画の「新しき世界」に似ており、警官がヤクザ社会に潜入して、ヤクザの秘密をブン捕ろうとするのがメイン。標的はトップの十朱(とあけ)であり、実は十朱も元潜入捜査官であることが判明。元警官からヤクザを生み出してしまったこと、警察という組織が、潜入捜査をして殺しを認めていることなどがあり、警察として十朱に手が出せないでいたところに、主人公である兼高(本名、出月)が組織の駒として潜入を命じられる。
最初から最後までグロいシーンばかりで、警察小説と言うよりはヤクザ小説。ハードボイルド。兼高としての視点で物語が進むため、兄弟や親父がたくさん出てくるが、みんな魅力的なキャラすぎて、次々と死んでいくのが悲しかった。特に兼高の兄弟分の室岡はキラーマシンと言われるほどぶっ飛んでるけど、兼高を慕ってて、コンビ技なんて本当にカッコイイ...お互いが心の底から信頼してるってのが分かる。土岐(兼高の親父)も漢気溢れる人で、自分の親父(十朱)に拳を見舞った上でエンコ詰めしようとするなんてもう...。笑
阿内(出月の上司)の執念深さには震えた...自分の元妻、娘に危害が及ぶのを平気で許して、それでも十朱を殺したくて、その強い憎しみって尋常じゃない、異常すぎた。たかが親友のためにそこまでする?ちょっと納得はいってないかも。
最後は十朱、阿内、兼高での激しい銃撃戦。
十朱は死に、警察の秘密であるSDカードも奪い取れる。
阿内は銃弾にあい、命を落とす直前で「俺を撃て、もう警察には戻れない」と、兼高にヤクザとして生きる道を提示する...。私個人的にはそのままヤクザとして、兄弟達と生きて欲しかったが、兼高はヤクザと警察両方を裏切る道を選ぶ。(警察に残ってもいつか消される恐れがあった?)
警察の秘密をマスコミにばら撒き、警察組織すらも裏切った兼高は1人で生きる道を選ぶ。兼高の最後の決断はなぜなのか、分かるようで分からないこのモヤモヤした感じがたまらなく好きで、単純明快ではないところが「新しき世界」と違ってまた良い。笑
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2022/07/06 読了。
図書館から。
映画化すると聞いて手に取ってみましたが、
読んでても痛い…描写はかなりくるものがありますね…。
坂口さんがヤクザ役っていうのが気になった要因だったのですが、思い切った役受けたなーと。
ビジュアルで言えば室岡ぴったりだと思うけれど、
横に岡田さん並ぶとどうなるんでしょうね。
岡田さんに持ってかれそう…。
潜入捜査で且つヤクザのトップも元潜入捜査官とか、
警察組織より冷酷だけど義理人情の絆が固いヤクザの方に揺れる心情とか…兼高昭吾から始まるし、
舞台がほぼヤクザ側の中だからか、そっち方に愛着が沸くわ…。
阿内さんとかもう…ね。
最後にやってのけたのは兼高なのか出月なのかっていったら前者だよなぁ…。
後、他作品のやくざ物が盛り上がったから、これも映像化したのかなとか思っちゃう。