紙の本
読み始めは難しくて、、、
2022/09/27 11:17
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投稿者:ももじろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
1か月近くかかってやっと読み終えました。
自分には難しいと思ったりしましたが、何とか読み終えました。
難しいと思いながら読みましたが、もう一度最初から読みたい!と二回目の読破を目指しています。
なんだろう、この高揚感は。
まず驚いているのは、この本の母体は1971年に出版されていた、立花さんの処女作であるという事実です。
この作品が50年以上前の作品という事に驚きを隠せません。
地球のエコロジー。
大切な大事な営みほど、ゆっくりと一環になり続いてゆくのですね。
地球40億年の営み。
自然は尊い。
厳しくも壮大で広く、どこまでも深く、本当に尊い。
人間が進歩を手に入れた代わりに失ったもの。
数えきれない程あるのでしょう。
今一度、全ての生態系について真剣に考え、真摯に向き合っていくべきなのだな、と考えさせられました。
紙の本
「知の巨人」ともいわれる立花隆氏の思考法の根幹をなす作品です!
2020/12/10 10:30
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、評論家、ジャーナリストとして活躍され、『田中角栄研究 全記録』、『日本共産党の研究』、『宇宙からの帰還』、『脳死』、『脳を鍛える』などの著作でも有名な立花隆氏による渾身の作品です。同書は、新興感染症の流行と相次ぐ異常気象といった、生態系への介入が引き起こす「自然の逆襲」が加速化している、とまず警告されます。そこで、自然と折り合いをつけるために私たちが学ぶべきものは、生態学(エコロジー)の思考技術だ、と主張されます。組織内の食物連鎖、部下の「なわばり根性」を尊重せよ、「寄生者と宿主」という生存戦略、「清濁あわせ呑む」大人物が出世する、といったことを丁寧に解き明かしながら、自然の「知」を仕事の武器にしていこうという戦略の内容となっています。「知の巨人」とまで言われる立花隆氏の思考法の根幹をなす作品です。
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生態学の視点からの洞察が鋭く論じられている。
2021/11/16 10:38
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投稿者:いけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
中学高校時代に学んだ生物の(生態学としての)知識が人間社会にまで援用されているのが、率直に凄いと思った。
ただ、これがこうなるからこうだよという具合に具体的に正解が書いてあるわけでなく、著者はその生態学的思考の方法を述べている。
最終的には、自然を正しく怖れ、現代の世界的な意味における社会に警鐘を鳴らしている。
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知の巨人
2021/07/11 17:09
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
立花隆氏の初めての著作。初版は1971年ですが、本書は1990年に増補された改訂版です。立花氏の訃報を知り、先日読んでみました。
さすがに「知の巨人」といわれた方。知性のほとばしりを感じる「濃い」一冊です。初版の頃は地球の「寒冷化」が懸念されていた等、時代の変遷もおもしろい。
氏のご冥福をお祈りいたします。
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自然の「知」は最強の武器である。「知の巨人」立花隆の思考法の根幹をなす名著を緊急復刊!「知の怪物」佐藤優氏による解説を収録。
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最初に断わりを入れられているように、思考を良くするための技術本ではありません。人はいろんな考え方があって、それによって何が重要と考えるのかが導かれています。その人のいりんな考えというものに対する現代の問題点を突かれており、そこから何が重要と考えるのか、私たちの現代のいわゆる常識ともいえる意識に対して、ちょっと違うと言われています。本書ではエコロジーという発想の仕方について詳しく書かれています。自然の仕組みを丁寧に説明され、それに反した結果がどうだったのかを提示されています。効率化など利益を増大させる発想で、世の中をよくしようとしてきた人間。しかしそれは自然の摂理に反したものです。本来エコロジー的にするならば、いまの常識を変えなければならない必要性が書かれています。
資本主義の行き詰まりを感じ、SDGsなど環境保護が言われるようになり、またコロナ禍から何かに気付かされつつある現在で、本書は当然のように腑に落ちるものです。これが資本主義全盛時代に書かれたものだとは、それが結局今まで軽く考えられていたことが驚きと感じます。
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新興感染症の流行と相次ぐ異常気象。生態系への介入が引き起こす「自然の逆襲」が加速化している。自然と折り合いをつけるために我々が学ぶべきものは、生態学(エコロジー)の思考技術だ。組織内の食物連鎖、部下の「なわばり根性」を尊重せよ、「寄生者と宿主」という生存戦略、「清濁あわせ呑む」大人物が出世する―。自然の「知」は仕事上の武器にもなる。「知の巨人」立花隆の思考法の根幹をなすデビュー作、50年目復刊!「知の怪物」佐藤優氏による解説「エコロジー的思考で捉える人間社会の現実」を収録。
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触れたことのないジャンルでしたが、
凄くわかりやすく、脳に刻まれました。
生態学について、もっと知りたいと感じました。
私はこのあと、土をいじり出すと思います。
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1971年に立花隆氏が最初に出した本の復刊。田中角栄研究のイメージが強かったので、それより前にこういう仕事をしているのが、まず意外だった。
内容は、生態学(エコロジー)の紹介とその発想の応用であり、人類の活動の増大が地球に与える影響に警鐘を鳴らしている。世界的に有名なローマクラブ「成長の限界」が1972年であることを考えると、かなり先駆的な本なのではないだろうか。「これから文明のたどるべき方向は、より複雑で、より多様なシステムを、効率とスピードを落としても安全を重視して作っていく方向にあるのではないだろうか」という立花の提言は、残念ながら50年後の今なお古びていないと思う。
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よく耳にする言葉だが、「生態学」とは何か、「生態学的」物の見方とはどういうことか、この辺を平易な解説と豊富な実例をベースに展開した好著である。
自然や社会現象を帰納的に、細分化してみるのではなく、広角的、俯瞰的に捉える思考法の重要性をあらためて再認識した次第である。
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自然ほど複雑なシステムはない。
何かを食べる時はその10倍の下位層のものを食べている感覚で。
環世界で見る。
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知の巨人 立花氏の事実上の処女作とある
その結論は、「自然をもっと恐れよ、畏怖すべきものとして」である
気になった点は以下です。
・生態学の極意は、自然に従って、自然の組織を利用して料理すること。人類はその極意に従っていない。
・生態学的思考に反する行動は必ず失敗する
・工業社会とポスト工業社会(=生態学的社会)の間には埋められない溝がある。それを埋めるにはその溝を飛び越えるしかない。
・生態学とは、生物学の一分野であり、「生物と環境および共に生活するものとの関係を論ずる科学である」
・生物学も科学である。科学とは、①論理的である、②客観性を有する、③実証的である を満たせばよい。
・生物学の一極を分子生物学とすれば、生態学は、もう一つの極にある。
・実際の生態系はあまりにも複雑であって、人間が生存するために最低必要な環境条件が何であるのかは、いまだにわかっていない。
・現在の生態学には理論体系はない
・自然があまりにも複雑な、複合システムであるため、その解明のためには、サブシステムをとらえて論じるが、サブシステム内では有効に働く技術が、トータルシステムでは弊害をもたらしている。
・システムには、閉鎖システムと、解放システムとがある。いかなるシステムにおいても、インプットよりも大きなアウトプットを取り出すことはできない。これが自然の大原則である。
・自然界は、つねにエントロピー(複雑度)が増大ので、エントロピーを押さえるためには、エネルギーが必要である。
・人間が人工的に作り出したシステムに関する限り、人間はそれが管理されなければ円滑に働かないことを知っていた。
・エコシステムは、4つの要素からなる。①非生物的環境(物質)、②生産者(植物)、③消費者(動物)、④還元者(バクテリア)。この4つが複雑なサイクルを形成する閉鎖系である。
・人間の文明が、土中の微生物を殺して、サイクルを破壊している。プラスチックがそのいい例である。
・人間は、エコシステムを破壊しない程度に、人工的なサブシステム改良にとどめるのが、良い選択である。エコシステムの破壊は、人間にとって命取りであるから。
・生命の根源は、水である。無機物を溶かして、生物間を媒体させるのが水である。水なしには、生物は生きられない。
・蛋白質を形成する窒素についても、生物が媒体となって循環している。
・炭素も生物にはなくてはならない物質。炭酸ガスと酸素のバランスについて、光合成や、二酸化炭素の海中での融解などに密接に関係している。
・気候変動、温暖化とともに、空気中を浮遊する塵が、アルベトという太陽光の反射率を押し上げて、逆に地球を寒冷化に導いている。でも、現在は温暖化の割合が大きい。
・生態系を形作っている、食物連鎖の1つの生物がいなくなると何がおきるかわからない。
・フィードバック機構をつくれ、フィードバックとは、アウトプットの一部をインプットに戻してやって、インプットの調整をはかる仕組みである。
・生態学の重要な概念���遷移がある。植物でいえば、地衣類⇒コケー>種子植物⇒針葉樹 遷移の進行とは、優占種の交代と同意語である。
・マルクスは遷移の考えを使って 封建主義⇒絶対主義⇒市民社会⇒社会主義⇒共産主義 という遷移を考えた
・デッドセンター:大繁殖した生命について、中心部は死滅するが、周囲が生き残って生存するという考え。文明論にも当てはまる。
・エコロジーの特徴、寄生と共生
・ガウゼの仮説:似通った二種の生物は、同じ場所に住めない
・過密がいけないのは食料不足に陥るから、個体間のストレスを増加させるから、かといって、過疎もいけない、集団のみにつけるべき学習の欠如、攻撃からの防御が弱い
・動物社会の秩序の維持は、①なわばりをもつ、②順位をもつ、③あるいは両方、人間もまさになわばりにうるさい。だから味方につけるなら、ある程度のなわばりを与えておいてその中で対応してもらえればよい。
・人類の進歩についても、生態学的な考えを取り込んでもう一度考え直さなければならない。それを、「思考の技術」と呼んでいる。
目次
はしがき
プロローグ 思考法としてのエコロジー
Ⅰ 人類の危機とエコロジー
1章 エコロジーの登場
2章 閉ざされた地球
3章 生命と環境
4章 文明と自然は調和しうるか?
Ⅱ エコロジーは何を教えるか
5章 システムのエコロジー
6章 適応のエコロジー
7章 倫理のエコロジー
8章 生存のエコロジー
エピローグ 自然を恐れよ
文庫版あとがき
解説 エコロジー的思考で捉える人間社会の現実 佐藤優
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1971年に出版された本とは思えない。人類の進むであろう道を生態学の観点からものの見事に言い当てている。立花隆、恐るべし。いよいよ地球環境が異常になっている昨今において、一人ひとりが地球規模で物事を考えることができるかどうか、全員は無理だろうが、自分自身はそうありたい。
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大局観を身につける
短い本。
生物学の生態学を紹介してゐて、生物の教科書と重なる内容も多い。要するに、生態学的思考とは大局観のことである。だが、みな局所局所にしか目が行かず、全体の体系を知らうとする者はすくない。
わたしも小説の書きかたについてずっと模索してきて、どうやら闇雲や好きな小説、自己中心ばかりではなく、大局的な見方をしたほうが理解が深まると、さいきん気がついた。だから、なるべくいろんな本を読まうとしてゐる。
以前読んだ富永健一の社会学も、一種の生態学だなとおもった。
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立花隆氏の処女作らしいが、傑作だった。
科学の思考は、対象に潜む雑情報を処理して、純粋なカタチにして捉えるというものだ。
一方で本書での思考法というのは、雑なものを、一歩上位に立って見つめ、最上流から最下流までの情報や生態系をいったんすべて記述することで理解する、とても雑然とした複雑なシステムの大枠をとらえてみようとする。
これっていまでも普通に通用するし、扱っているものこそ古けれど、あまり影響ない。
尊敬する人だとおもった。