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電子書籍
額装師の祈り 奥野夏樹のデザインノート(新潮文庫nex)
著者 谷瑞恵
事故で婚約者を喪った額装師・奥野夏樹。彼女の元には風変わりな依頼ばかりやってくる。宿り木の枝、小鳥の声、毛糸玉にカレーポット、そして――。夏樹は額装の依頼品を通じて依頼人...
額装師の祈り 奥野夏樹のデザインノート(新潮文庫nex)
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額装師の祈り 奥野夏樹のデザインノート (新潮文庫nex)
商品説明
事故で婚約者を喪った額装師・奥野夏樹。彼女の元には風変わりな依頼ばかりやってくる。宿り木の枝、小鳥の声、毛糸玉にカレーポット、そして――。夏樹は額装の依頼品を通じて依頼人の心に寄り添い、時にその秘密を暴いていく。表具額縁店くおん堂の次男坊・久遠純は、そんな夏樹の作品の持つ雰囲気に惹かれ、やがて彼女自身にも興味を持つが。五編の連作集。『額を紡ぐひと』改題。
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紙の本
秀逸な題材設定!
2021/03/02 12:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sm - この投稿者のレビュー一覧を見る
「額装」という新たな素材で、ここまで話が膨らむのか、と本当に感動。谷さんの「手紙」とか「美術」とか選ぶ題材が本当に好きです。はんなり優しい雰囲気で。
紙の本
こころが再生していく
2023/04/30 07:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りら - この投稿者のレビュー一覧を見る
連作短編集。
依頼された額を創作するにあたり、依頼主や収めるもののことを知っていく。
そのことで、自分の気持ちにも変化が起こっていく。
身近な人に額装を依頼される。
というか、そのようにもっていく。
そうして、そのひとのことを知っていく。
額に収めることで、いつでも見られるようになる。
依頼主は、そうする勇気が持てたから額装を依頼するのだろうし、また見守ってもらいたい面もあるのだろう。
こころの中のいろいろな感情を含めて額装したものを見つめる。
そのことで、未来へ向かう力を得るというか見出す。
詩的な描写で、淡々と語られる。
谷さんの透明感のある文章をしっとり味わいたい。
電子書籍
作品全体に祈りが込められているよう
2022/12/01 06:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
谷瑞恵はこれまでコバルト文庫などの少女向け小説家というイメージがありましたが、この作品は新潮文庫というだけあって、文学性が高いです。
主人公は、婚約者を事故で亡くし、その婚約者の職業であった額装を自分で始めることで、亡くした人とのつながりを保とうとする奥野夏樹。
彼女の元にくる変わった額装の依頼(宿り木の枝、小鳥の声、毛糸玉にカレーポット)のために依頼主の背景や動機など依頼の裏に隠されているものを探し、その心を祭壇のような額で包み込む。そうした額装は夏樹の祈りのようなもの。
彼女の額装に興味を示し、何かと話しかけたり、手伝ったりする純。彼もまた子どもの頃に友だちと川でおぼれ、不思議な臨死体験をしたことがあり、後遺症や罪悪感にもがいています。
登場人物たちは皆、心に傷を負っており、その思いを額装してもらうことで観賞可能にし、心の折り合いをつけていきます。
身近な人を失った喪失感とそこからの立ち直りが本書の根底にあるテーマで、作品全体に祈りが込められているようです。
額装というなじみのない世界を垣間見ることもできて、その奥深さにも感動を覚えます。
紙の本
心あたたまる本
2021/10/31 22:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Pana - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場人物は暗い過去を持つ人が殆どで、辛くもなりましたが、皆それぞれに前に進んでいこうとする前向きな気持ちへと変化していく過程はとてもいいなと思いました。
額装師という知らない世界を知れた感じで、楽しんで読めました。