紙の本
幼馴染の再会と、本との出会い
2021/12/06 19:35
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
通信高校で再会した幼馴染同士。万葉くんと沙羅ちゃん。
沙羅は中学で登校拒否になり、新しい自分になる心意気で通信高校へ。
万葉は両親の離婚と母との死別を経験、叔父と古書店を営みながら通学。
通信高校という、どんなところかちょっと想像ができない空間で生まれる友情や感情、
外の世界との関わりの持ち方に迷う様子など、取り上げられてる本を絡めながらストーリーは進んでいきます。
少しだけ人生に躓いた少年少女がお互いに刺激し合って将来へと踏み出す姿が清々しい。
紙の本
「作風」が確立されていきますね
2022/06/02 14:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:higassi - この投稿者のレビュー一覧を見る
アイドルや女優さんを経て、作家としても着実に「作風」が確立されていく中江有里さん。本作も重松清さん作品よりももう少し「どこにでもいそうな不器用な」登場人物たちの「心の汲み取り方」が素晴らしいです。個人的には映画「学校」で中江さんが演じた少女に、主人公の沙羅を重ねながら読みました。
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【読書の自由さに気づかせてくれる物語】通信制高校に入学した沙羅は、幼馴染の万葉から読書の楽しさを教えてもらう。本を通じて互いに成長していく二人を瑞々しく描く。
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図書館でジャケ借り。
出てくる本を読んでいれば尚面白く感じたかと思う。
思ったより暗めの話で、若干主人公にイライラする部分あり。
万葉の名前の由来の万葉集の話は全然出てこない。沙羅の由来の平家物語は唐突に出てくる。他に出し方はあったのではと思った。
やまなしのクラムボンは懐かしかった。小学生の時授業でクラムボンとは何か皆で議論した。内容よりクラムボンしか覚えていないのでまた読んでみたい。あと廃市がとても気になったのでこちらも読みたい。
たまに文章があれ?と思うことがあった。キャラが何を思って行動しているのかいまいちよく伝わらず行動理由や心情が不明な箇所がちょいちょいある。
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通信制の高校で偶然に再会した幼馴染の万葉と沙羅。それぞれに訳ありの2人が本で繋がり、悩みながら迷いながら未来に向かって歩いていく青春小説。
はっきり言って、2人の悩みにはあまり寄り添えず、半ばしらけたり、イラッとしたり。
ただ、読書家の中江さんだけあって、紹介された本はどれも魅力的なものばかり。
これを機会に福永武彦の2作と、遠藤周作の「砂の城」は読んでみようかな。
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新聞で紹介されていて気になったので読んでみたのですが、思っていたのとちょっと違った感じでした。
勝手に万葉は明るくて沙羅をぐいぐい引っ張っていく人だと思っていたし、沙羅はもっと大人しい感じの子なのかと思っていました。
万葉が目があった本はなるべく買うようにしていると言っていたけど、私もなるべくそうしたいと思っています。
人だけではなく本との出合いも一期一会だと思います。
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面白かったです。
万葉と沙羅という共に文学とゆかりの深い名前を持つ幼なじみのふたりが、本を媒介にして、お互いに影響を与えつつ、悩みながら、もがく様を描いた、ゆったりした空気感の連作短編集。
芸能人とか有名人の書いた小説って、読んでいるときに書いた人の顔が浮かんできそうで苦手だったけど、この作品は中江さんじゃなく、万葉くんや沙羅ちゃんの(私が想像した)顔がちゃんと浮かんできて良かったです。
舞台が通信制高校や通信制大学など、イレギュラーな舞台なのも新鮮で良いな―――と思ったらどちらも中江さん自身が通ってきた進路なんですね。(Wikiで調べた)
実は最初は沙羅ちゃんのキャラクターが苦手で、こりゃ辛いかも、と思っていたのだけれど、それにも理由があって―――というところからだんだんと引き込まれていきました。
本を読まなかった沙羅ちゃんが徐々に読書に目覚めていく過程を微笑ましく読みつつ、彼女や万葉くんの悩みに寄り添って一緒に考えていると、わたしももしかしたらふたりとおんなじとこにいるのかなあなんて思いもしてきました。中年だけど。
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昔読んだ本が作中に出てきて、懐かしいかった。
本に対する思いが淡々と描かれているが、何となくジワジワくる内容でした。
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本の選択を初め、作中に作者の影がちらつくが、子どもたちの人生は本人たちのものという主張には頷ける。
中盤はむしろ「万葉と叔父」というくらいに沙羅の存在がなくなるが、最後に辻褄があった。
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正直なところ登場人物の気持ちに寄り添って読めず。私の気持ちの状態もあるので、タイミングが異なればまた感想も変わったのかなと思います。他の方々のコメントを見ると、この本を手に取る読者には優しい方が多いと思いました。
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読書=中江有里さん、と言うイメージ通りの話だった。
新刊本の匂いもいいけれど、古本屋にも独特の香りがあるよね。
深くて素敵な沼がたくさんそろっている。
そんな本の楽しみ方を知っている沙羅と万葉、どんな大人になっていくんだろう。
応援したくなる。
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文章が稚拙すぎる。
中学生が小説を書くことを思い立って書いてみたが、なかなか小説の形にならずに「小説ってどうやって書くんだろう?」と悩んでいる段階の文章だ。
「今日はこうしてああしてこうしました。楽しかったです。」というような小学生の作文ともほとんど変わらない。
出来事を羅列しているだけなので情景描写がないためリアル感がなく、心情描写がないのでどうしてその人物がその行動に至ったかの説得力がない。
書くのが難しいなら無理に三人称小説にせずに、一人称小説にしてせめて人物の内面でも描いたほうがいい。
例えば万葉と沙羅の再会のシーン。
『「その本、面白いの?」
「万葉君ってそんなに無口だったっけ」
「よかったら、ライン教えてよ」
万葉は一言も答えずパック牛乳を飲み干すと、すばやく立ち上がった。』
話しかけているのはすべて沙羅で、万葉に相手にしてもらえないもらえない状況だ。
このシーンで言いたいのはつまり「万葉が心を開いてくれなかった」ということだが、それをそのまま書くのはせいぜい子供向けの絵本くらいで、そういう状況を読み取らせるように描写をするのが小説だ。
沙羅が話しかける時も三つのセリフを立て続けに喋っているわけはないから、その間の沙羅の表情の変化とか過去の話とかいくらでも書くことはあるはずだ。
私だったら、最初に無視された後は沙羅がむっとする様子を書く。
「無口だったっけ」の後には幼いころの万葉がどれだけ快活な子供であったかという描写を入れるし、「それでもせっかく再会したのだから仲良くしたい」という今後の交流に対する希望を込めた態度を書く。
このシーンは一例に過ぎず、こういう不足した描写が終始続く。
三章の「いつか来た道」はかなり主観に近い描写になっていて他の章と比べると読める作品になってはいるが、それでもわかりづらいと感じる。
この三章は全面改稿しているそうで、そのおかげで出来が多少いいのだが、そのせいで逆にほかの章との差がすごい。
あと、ほかの小説の作品名を出すだけでビブリオものの顔をするのをやめてほしい。
その作品が小説内に深く関わってこないのなら、わざわざ名前を挙げるべきではない。
ある人物がその本を読んだとか好きだとか言う程度では、キャラ付けにもならない。
ほんのわずかの作品への触れ方も「ごんぎつねは幸せだったんじゃないか」なんていう陳腐な感想だったり、『ハーモニー』に触発されたのか同性愛に目覚めるキャラクターがいたりで、読んでいて共感性羞恥を覚えた。
著者のことは存じ上げなかったが、役者やら歌手やらいろいろされている方らしく、つまり本書は芸能人本ということだ。
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住吉美紀さんのラジオ番組に中江さんがゲスト出演していて、読んでみようと思った。装丁画がかわいい。内容については今ひとつ説得力に欠けている気がした。
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女優さんというのを忘れてしまいそうになるほどに本が好きな方なんだなぁというのが印象。
終始本に対する愛が溢れていて、登場人物がみんな本好きときている。高校から大学へと多感な時期に迷いながら遠回りすることの意義を見いだしたり大人との関係に翻弄されたり。通信での教育環境ならでは悲喜こもごもを盛り込んだところも非常に興味深かった。作中に出てきた本、読んでみたいものがたくさんあった。今回もとても好きな内容だった。
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図書館で借りたもの。
中学で登校拒否になり、通信制高校に入学した沙羅は、幼馴染の万葉に再会。本好きの彼に刺激され、新しい本に出会っていく…。実際の本をあげながら描く瑞々しい連作短編集。
初読みの作家さん。
出てきた本を読んだことがあればもっと楽しめたかな。
同じ本を読んで、気になった所が同じだと嬉しく感じる。