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沖縄からの本土爆撃
著者 林博史
太平洋戦争末期、沖縄に進攻した米軍は、各地を占領後すぐに滑走路を建設し、日本本土への大規模爆撃を開始。出撃したコルセア等の戦闘機は、鹿児島・出水(いずみ)・熊本・久留米・...
沖縄からの本土爆撃
商品説明
太平洋戦争末期、沖縄に進攻した米軍は、各地を占領後すぐに滑走路を建設し、日本本土への大規模爆撃を開始。出撃したコルセア等の戦闘機は、鹿児島・出水(いずみ)・熊本・久留米・奄美諸島で、一般民間人を標的にした無差別攻撃をおこなった。米軍史料から知られざる実態を明らかにし、戦争の加害と被害の関係を問う。沖縄基地問題を考える上でも必読の書。
目次
- 語られてこなかった本土爆撃―プロローグ/沖縄進攻作戦と戦闘機の配備(沖縄進攻(アイスバーグ)作戦と飛行場建設/沖縄に配備された戦闘機部隊の任務)/沖縄に配備された戦闘機部隊の運用(戦闘機部隊の活動―日本軍機の迎撃と地上支援/最終盤の沖縄本島南部爆撃)/本土・薩南諸島爆撃の展開(オリンピック作戦/戦闘機部隊による作戦―オリンピック作戦に向けて/爆撃機部隊による九州爆撃)/爆撃機による無差別爆撃(本格的な無差別爆撃の開始/原爆投下前後の爆撃/最終盤の無差別爆撃)/戦闘機による無差別爆撃(奄美群島/九州周辺の島々/九州/沖縄からの本土爆撃のまとめ)/本格的無差別爆撃計画―極東航空軍の再編とB29の沖縄配備(超重爆撃機B29の沖縄配備/戦争の終結)/出撃基地としての沖縄の米軍基地―エピローグ
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紙の本
全国で読まれないと意味がない
2019/07/07 10:07
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
オキナワをちがう角度から見られると思って読み始めた。
米軍文書に基づいて、沖縄に建設した基地から出撃した米軍機の行動の様子を書き起こしていく。
資料の通りに出撃機の所属や機数、目標地点、目標物などを愚直なほどに淡々と綴ってゆく。
その記述を読んでいくと、次第に腹がたってくる。
戦争だから戦闘行為に文句はいえない。
しかし、これは戦闘というより一方的な攻撃であり、無差別の破壊と殺戮である。
「臨機標的」ということばが出てくる。
作戦計画以外に、随時攻撃してよいとされていて、軍事施設以外の、一定の大きさ以上の建物、橋、鉄道、列車、車両、小舟などを攻撃している。
これは、パイロットがゲーム感覚でやっているのではないか、と思えてくる。
日本は「総力戦」でやってくるから、兵員以外の国民も全て戦闘員であるという理屈で、市民を標的にした無差別攻撃をやっている。
その様子が、米軍による空からの報告だけでなく、空襲された南九州各地の、地上からの報告、体験記によって、立体的に見えてくる。
最初は、歴史家による冷静な事実の語りを読みすすめる。
エピローグに至って、筆者の強く熱い思いが表れてくる。
「戦後の日本社会は、自らの戦争責任を棚上げし、加害者としての日米軍事同盟を許容する範囲内でしか空襲の問題を考えてこなかったのではないだろうか。」
さらに、あとがきで執筆の動機が語られる。いわく
「沖縄で人々の反対を押し切って強引に新しい航空基地が建設されようとしているとき、沖縄の航空基地がどのように使われたのか、広く人々に知ってもらうことが早急に必要と考えた」。
那覇のジュンク堂で購入した本だが、沖縄だけでなく、
全国で読まれないと意味がない。