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紙の本
全国で読まれないと意味がない
2019/07/07 10:07
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
オキナワをちがう角度から見られると思って読み始めた。
米軍文書に基づいて、沖縄に建設した基地から出撃した米軍機の行動の様子を書き起こしていく。
資料の通りに出撃機の所属や機数、目標地点、目標物などを愚直なほどに淡々と綴ってゆく。
その記述を読んでいくと、次第に腹がたってくる。
戦争だから戦闘行為に文句はいえない。
しかし、これは戦闘というより一方的な攻撃であり、無差別の破壊と殺戮である。
「臨機標的」ということばが出てくる。
作戦計画以外に、随時攻撃してよいとされていて、軍事施設以外の、一定の大きさ以上の建物、橋、鉄道、列車、車両、小舟などを攻撃している。
これは、パイロットがゲーム感覚でやっているのではないか、と思えてくる。
日本は「総力戦」でやってくるから、兵員以外の国民も全て戦闘員であるという理屈で、市民を標的にした無差別攻撃をやっている。
その様子が、米軍による空からの報告だけでなく、空襲された南九州各地の、地上からの報告、体験記によって、立体的に見えてくる。
最初は、歴史家による冷静な事実の語りを読みすすめる。
エピローグに至って、筆者の強く熱い思いが表れてくる。
「戦後の日本社会は、自らの戦争責任を棚上げし、加害者としての日米軍事同盟を許容する範囲内でしか空襲の問題を考えてこなかったのではないだろうか。」
さらに、あとがきで執筆の動機が語られる。いわく
「沖縄で人々の反対を押し切って強引に新しい航空基地が建設されようとしているとき、沖縄の航空基地がどのように使われたのか、広く人々に知ってもらうことが早急に必要と考えた」。
那覇のジュンク堂で購入した本だが、沖縄だけでなく、
全国で読まれないと意味がない。
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