肖像彫刻家(新潮文庫)
著者 篠田節子
芸術家の道を諦めた中年バツイチの正道。心機一転、八ケ岳山麓に移住するが、本場イタリア仕込みの腕を振るった女神像は、あらぬ場所に置かれてしまう。それでも注文には心を込めリア...
肖像彫刻家(新潮文庫)
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商品説明
芸術家の道を諦めた中年バツイチの正道。心機一転、八ケ岳山麓に移住するが、本場イタリア仕込みの腕を振るった女神像は、あらぬ場所に置かれてしまう。それでも注文には心を込めリアルな彫像を造った。だが耳を疑うことが起きた。喋るというのだ、肖像が……。古刹の訳あり仕事から、亡き両親の像、大胆な裸体彫刻まで、珍現象が巻きおこす人間模様をからりとしたユーモアで笑い飛ばす傑作。(解説・鵜飼哲夫)
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夢とは微妙に食い違う男の人生に怪現象とユーモアをまぶした作品。
2024/01/26 21:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
夢とは微妙に食い違う男の人生に怪現象とユーモアをまぶした作品。主人公の創る肖像には何か霊的な怪現象がつき纏うという設定は、著者の芸術観の表現なのか。ホラーを得意とする作家ということで構えたのだが、怪現象に深く拘らずにあくまでも味付け程度に済ませてるのに好感が持てる。ユーモアという点に関しては控えめなれど、抑えたユーモアが逆にしみじみとした余韻を生み出している。
いや待て。本作品の魅力はそうした表層的なものではないと感じる。夢を実現できる人間はごく一部であり、その他多数は何処かで妥協した人生を生きてると思う。それでも微調整しながら夢を追い求める限り、周囲との関係も変化し、自身もゆっくりながらも変化を遂げていく。本作の主人公も一発逆転の成功を収める訳ではないが、変化に富んだ興味深い人生を送っていると感じる。こうした等身大の世間一般の人間の生き方に通じる部分に私の感性が共鳴し、共感を生み出すと感じた次第。
貫禄作
2022/05/21 01:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
あらすじに作った銅像に魂が宿る、
とあるのだけれど、
実際にそういう話になっていくのは3章の終わりから。
50代。鳴かず飛ばず。妻に去られ。姉にどやされ。
主人公の境遇をしっかりと植え付けられてからはじまる物語。
ある意味では短編ミステリーのように、
章ごとに現れる人の人生を掘り下げるような構成。
ではあるけれど、永久を刻み込む像には、
これまでだけでなく、これからも宿る。
解説にもあったけれど、なんとも立体的な物語だった。
強打者も時には
2023/10/29 14:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ダタ - この投稿者のレビュー一覧を見る
う〜ん、微妙。
コメディと言えず、
ファンタジーとも言えず、
何とも判断しかねる作品。
傑作揃いの筆者ですが、
何故この作品を書いたのか分からない。
ちょっと魔が差したのでしょうか。
甘い球にバットを振ってしまった感じ。
謎だな〜。