電子書籍
歴史をこじらせた女たち
著者 篠綾子
持統天皇、北条政子、日野富子、淀殿……もしこの人がいなかったら歴史はどうなっていただろう?と思われる「こじらせ女子」大集合!「悪女」「猛女」と言われたスゴイ女たちの実像に...
歴史をこじらせた女たち
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歴史をこじらせた女たち
商品説明
持統天皇、北条政子、日野富子、淀殿……もしこの人がいなかったら歴史はどうなっていただろう?と思われる「こじらせ女子」大集合!
「悪女」「猛女」と言われたスゴイ女たちの実像に迫り、そのドラマティックな人生を解説。
高校の国語教師としての視点を入れ、和歌を読み解きながら、定説を覆す”ぶっちゃけ史観”もバシバシと!
嫉妬深すぎて夫婦関係をこじらせた后――磐之媛
同母兄と心中――軽大娘
バツグンの政治感覚を持った初の民間后――光明皇后
まるで孫悟空のような強い女帝――孝謙天皇
日本版「張禧嬪」(チャン・ヒビン)――藤原薬子
紀貫之も”萌え”た永遠のアイドル――小野小町
平安時代の大恋愛スキャンダル――伊勢斎宮恬子内親王
道長王国から追い出された姉妹――藤原元子・延子
若かりし頃の恋愛はこじらせOK――紫式部の娘・賢子
マイ・フェア・レディ&源氏物語を地を行く姫――待賢門院璋子
権力者の「昔の女」――丹後内侍
映画「ゴッドファーザー」のマイケルのようなゴッドマザー――北条政子
悪女説は濡れ衣なのか――日野富子
豊臣家をこじらせて――淀殿
町娘のシンデレラストーリー――桂昌院
恋がリアル「炎上」――八百屋お七
大奥でキャリこじらせ物語――絵島
許婚が次々と亡くなっていく縁起の悪い姫君――竹姫
血筋のよい武家に生まれた幕末プリンセス――茂姫・溶姫
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紙の本
お騒がせではなくこじらせ
2023/02/25 15:59
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pinpoko - この投稿者のレビュー一覧を見る
大好きだった永井路子氏が亡くなられたとのこと、いつかは来るものとわかってはいても、身の回りの慣れ親しんだもの、好きなものがひとつひとつ失われてゆくのは無性に寂しくて堪らなくなる。何かしら別のもので埋められるのなら、失うばかりではないことに気づき、喪失感もいくらか紛れるのだが・・・。
と、思っていたところへ出てきたのが、『歴史をさわがせた女たち』ならぬ『歴史をこじらせた女たち』だった。
「はじめに」で作者が述べているとおり、高校時代に出会った永井路子の歴史エッセイが、光を当てられることの少なかった歴史上の女性たちの生き生きした姿を現代に蘇らせてくれた功績は大きなものだと思う。
やがて自らも歴史・時代作家となった作者が令和の時代にクローズアップしたのが、「歴史をこじらせた女たち」だった。
歴史を大きく動かす中心にはいなくても、そこに存在することで周りの人々や時代に影響を与えたというだけでも充分な価値があるのではないか。
その視点で選ばれた女性たちの中には、今までほとんど顧みられることのなかったひとが混じっているのがうれしい限りだ。
ひとつの切り口として、自分が興味を惹かれたのが彼女たちの生没年だった。不詳となっているひとと、はっきり記録に残っているひとにはどのような違いがあるのか?
当然、后や天皇となった女性たちは史書にその証がはっきりと残されている。だが、一般庶民だったはずの「八百屋お七」の生没年が記録されているのは何故なのか?放火犯として処罰されたため、事件記録に残されたのか?
一方、時の一条天皇の妃として入内したはずの「女御元子」はなぜか生没年不詳となっている。子を産まず、長くは後宮にとどまらなかったためかとも思われるが、即位もしなかった敦明親王の妃であった妹の延子の生没年が記録に残っているところに、ある不思議さを覚えるのは自分だけだろうか?
これは、彼女ら姉妹の生き様が、当時の貴族社会にどう捉えられたかに原因があるのではないだろうか。正規の史書ではなく、おそらく当時の貴族の日記に記された彼女たちの生そのものが、社会が女性に求めるものと現実とのギャップと、そこから先の生き方を示すひとつのモデルケースとして当時の貴族たちにある衝撃と冷笑、さらには視点の転換などを与えたと思う。彼女たち姉妹の詳しい人生はぜひ本書を読んでいただきたいが、こじらせた先にある生こそが、そのひととなりを知る格好の材料なのだ。
紙の本
「さわがせた女たち」へのオマージュ
2023/07/24 20:29
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
永井路子「歴史をさわがせた女たち」シリーズの愛読者としては、この題名の本を読まないわけにはいきません。イラストが可愛らしく、若い人にも読んで欲しい、歴史を楽しんで欲しいという思いを感じます。「さわがせた」シリーズでは小気味よくぶった切られている女もいましたが、「こじらせた」はあまり好きではないと書いている女にもフォローが入っていて著者の人柄も穏やかな方なのかなと感じました。
第2弾も期待したいです。