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投稿者:なみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京オリンピックを控える、昭和の東京。
電話もテレビも車も、ある家は少数という時代に、電話を使った誘拐事件が起き、警察は右往左往する。
近代化途中で、誘拐事件の対処方法もたてられていない時代。今なら有り得ないだろうミスや捜査方法に、ドキドキした。
時代背景での物語の深さ、誘拐事件以前の話、刑事達の執念や人間くささが熱く、とにかく面白かった。大満足だった。
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投稿者:ごんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
宇野という二十歳の稚内の青年が犯した犯罪で北海道から東京で罪が大きくなり最後は誘拐殺人、恋人も殺してしまうという冷血な男の犯罪を追い詰める本格的な刑事ものでした。昭和初期のオリンピック1964年頃の雰囲気が良くわかれり懐かしい作品でした。長編でしたが面白い作品でした。
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めての東京オリンピック開催を1年後に控えた、行動成長期の日本社会に起きた誘拐事件を描いた物語。犯罪を犯す者、しらずにそれに手を貸す者、そして追う刑事たちの、それぞれの想いが、交錯する。犯罪を罪の意識無しに、犯しうるのかはわからないが、その姿は、哀しい。悪いことを行うことは、その人の生き方の中で、繋がっていくものだろうか。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
この時代だからこそ発生した事件ですね、その頃の日本には、まだ、電話は、行き渡ってはなかったし、車も少数だったし、その時代の誘拐ってさぞ警察は大変だったんだなと。ドキュメンタリーみたいでした
ちょっと意外でした
2023/06/01 13:59
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投稿者:Jung - この投稿者のレビュー一覧を見る
なにか淡々と終了してしまった感じです。どんでん返しのようなものを期待していただけに、さらっとした感じでした。
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轍って、雪の多いところの出身でないと何ぞや?って思うよね。
私はどっぷり北海道育ちだが。
この小説のタイトルは素晴らしい!
深いです!
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この本は図書館で何回も借りてきて、新刊優先で読んでいると読めなくなってしまって(文庫本で835Pあります)何度も返却してあきらめたのですが、文庫になったので買いました。
一体、どんな事件かと思って最後まで非常に面白く読まされました。
昭和の高度成長期の話です。
東京オリンピックのあった年です。
鈴木商店という豆腐屋の子どもの吉夫ちゃんが誘拐されます。
容疑者は鈴木商店への怨恨、変質者、愉快犯、宇野寛治という二十歳の男。
最も怪しいのは寛治です。
寛治は北海道の礼文島から窃盗の罪から逃れようとして出てきた窃盗犯ですが、ヤクザの子分の町井明男と知り合いつるんでいます。
寛治は5歳の頃継父に当たり屋をやらされて頭を打ち、頭に記憶障害があります。
この作品は警察小説だと思いますが、警察は吉夫ちゃんの身代金50万をまんまと犯人にとられて人質は帰ってきていません。
吉夫ちゃんは無事なのか?
本当に寛治が犯人なのか?
寛治は頭に障害があるせいか、飄々とした憎めないキャラクターで、とても子どもを殺すような残忍な人間には思えませんでした。
今となっては旧き良き時代だった昭和のヤクザと警察の裏取引や、仲間を愛称で呼び合う警視庁の刑事たちのやり取りも面白く読めました。
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ミキ子の竹を割ったような気持ちのいい性格が、何故か浦沢直樹の作品に出てくるような女性を連想させました。誰って訳では無いんですが、なんとなく…
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奥田英朗『罪の轍』新潮文庫。
以前から面白いと評判だったので文庫化を待ち望んでいた。
昭和38年に起きた『吉展ちゃん誘拐事件』をモデルにした長編犯罪小説。
しっかりした時代背景をベースに当時は変革途上であった警察組織が犯人に翻弄される姿が見事に描かれている。幾つかの事件が複雑に絡み合う800ページ超のボリュームも展開が非常に面白く、読み応えは充分だ。
冒頭に描かれる北海道の礼文島で番屋に暮らす少し頭の弱い20歳の宇野寛治の物語。昆布漁で奴隷のようにこき使われていた宇野は空き巣を繰返すうちに同僚の策略に嵌まり、雇い主の番屋に放火して、家の金庫から金品を盗み、漁船で本島に渡る。
昭和38年、1年後に東京オリンピック開催を控え、好景気に沸く日本。警視庁捜査一課の若手刑事である落合昌夫は元時計商の老人が殺害されて金品が盗まれた事件の捜査に加わる。
事件現場の周辺で目撃された北国訛りの青年が気になった落合昌夫は北海道まで渡り、青年が宇野寛治であることを突き止めるが、宇野の行方は分からなかった。
そんな中、東京の浅草で豆腐店の長男が誘拐され、身代金50万円を要求される事件が発生する。落合昌夫はこの誘拐事件の捜査にも加わり、身代金の受け渡し現場を監視するが、ふとした隙に犯人に身代金を持ち去られてしまう。
この誘拐事件の背後にも宇野寛治の影がちらつくが、どのように関与していたのか。明らかになる宇野の過酷な生い立ちと事件の詳細。本当に宇野が犯人なのか。そして、事件の行方は……
本体価格1,100円
★★★★★
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800ページを超える大作ですが、流れるように読み進んでしまうストーリー。警察小説好きにはたまりません。
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北海道礼文島から小説が始まる。随所にプラッシーだのカシオの卓上計算機だの、昭和を想起させる細部のしかけがうまく散りばめられている。追う刑事も追われる空き巣の宇野寛治も人物の造形の意図が明確で立体的に仕上がっている。前の東京オリンピックは小学校の時で、モデルとなっている誘拐事件も犯人の名前も、おそらくは日本中の当時の「(誘拐されたかもしれない)子供」の記憶にあるが、詳細は知らなかった。小説であるから事実とは異なるのであろうが、誘拐事件の裏側に納得させられ、犯罪の中に隠された「轍(わだち)」が地図となって浮かび上がってくる。最後の部分が必要かどうかわからないが、作家として書かずにいられないのだろう。
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最初は面白かったけれど最後が驚くほど面白くない。
結局今までの事はなんだったんだ。轍を辿ってだから何があるんだ。不完全燃焼。
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3.5くらいかなぁ
なかなかの長さで読むのに時間がかかった。
東京で一件の誘拐事件が発生
犯人は北海道礼文島から逃げ出してきた宇野なのか
身代金を奪われ犯人も取り逃がす、そして子供の行方もわからずじまい 警察の大失態。
状況証拠集まり宇野の嫌疑が強まるなか、なかなか宇野が見付からない。
宇野の方は逃走してるわけでもないのにそんな見つからんか?と思ってしまった。
なかなか犯行を認めない宇野に 取り調べを続ける刑事、半落ち、逃亡、刑事達の執念の逮捕劇。
最後の方にかけては勢いがありよかった。
誘拐された子供はどうなったのかがなかなか明かされないもどかしさが読んでて続いた
読後は「白い器」を読んだときのような虚無感や切なさ感が残る作品だった。
実際に起こった誘拐事件を元にされた話というのを後でしった。
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長編だけど するすると読めた。面白かった!
結末の内容には どんよりとした気持ちになったけど…
読んでいて 映像が描かれるように 寛治は濱田岳さんがいいかなと思いながら読んでました。
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さすが奥田先生
長編小説でしたが「読ませる」小説でした。
でも犯人となる人物が憎めないんだよなぁ
なんなら「逃げきってほしい」とまで思わされた
実際あった事件をモチーフにしてあるので、そちらも調べながら読みました。
やはり奥田先生はうまい!
と唸りました。