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【期間限定価格】真田太平記(三)上田攻め
著者 池波正太郎
上州・沼田城の帰属をめぐり北条家と争う真田昌幸は、ついに徳川・北条連合軍と戦端を開く。出来たばかりの上田城に拠った昌幸父子は、捨身の決戦で数倍の敵を退ける。そして、旧態依...
【期間限定価格】真田太平記(三)上田攻め
真田太平記(三)上田攻め
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真田太平記 改版 第3巻 上田攻め (新潮文庫)
商品説明
上州・沼田城の帰属をめぐり北条家と争う真田昌幸は、ついに徳川・北条連合軍と戦端を開く。出来たばかりの上田城に拠った昌幸父子は、捨身の決戦で数倍の敵を退ける。そして、旧態依然たる北条家のふるまいに嫌気がさした豊臣秀吉は、甲賀忍びの御伽衆・山中長俊の仕組んだ謀略を使って開戦にもちこみ小田原城を攻め落とす。こうして秀吉の天下統一はなったのだが……。
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紙の本
徳川を翻弄する真田の姿が痛快
2009/12/26 13:39
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
徳川と真田が激突する第一次上田合戦から、秀吉の朝鮮出兵が間近に迫っている所までを描いている。
本巻の見所は、やはり上田合戦。
『北条への沼田引き渡し』を拒んだ真田に対する徳川の示威行動だ。
二軍級とはいえ約五倍の兵力を持つ徳川軍を、決死ではあるが思惑通りに徳川軍を撹乱し、撃退する様は読んでいて痛快。
そして秀吉の密命とはいえ、『見守る』だけであった上杉の『いざとなったら上田へ押し出す』助力も、真田への好意が現れていて気持がよい。
歴史の流れも掴みやすく、細かい出来事の前後関係もハッキリと分かり、細切れだった歴史の知識がつながっていく。
例えば、家康による真田信幸と本田忠勝の娘との婚姻の提案。上田合戦後、秀吉が徳川と真田の仲介をし、真田が徳川へ出仕したときの提案だとは思わなかった。
また朝鮮出兵の小田原征伐から二年の経たず計画されだした事についても、国を安定させる間もなく戦いに出向いていくことに驚いた。
このことは史実と年号を付き合わせていけば、分かることなのだが、物語を読みながらだとその事柄が感覚としても記憶に残りやすい。
池波作品を読んできて嬉しかったのが、「獅子」「獅子の眠り(黒幕より)」「錯乱(真田騒動より)」に登場し、90歳を超えた信幸に長く仕えてきた『鈴木右近』の存在。
池波氏がくどいほど書いてきた信幸と右近の若き姿と、彼らを取り巻く物語が存分に描かれているのは非常に嬉しい。
信幸・幸村の従兄弟・樋口角兵衛も気になる存在だ。
人間離れした怪力で一度は幸村を殺そうとした少年の角兵衛は、自分を十分に褒めてくれないと不満を持つ性格で、思わせぶりな物語中の解説でもう一波乱ありそうだと期待させる。
ちなみに本巻に登場する人物を主人公として描いている作品がある。
●『命の城』(黒幕に収録)
血と汗で勝ち取った沼田城に対する真田昌幸の思いを描いている。
小田原征伐のきっかけを作るためのの原因となった北条の名胡桃城奪取だが、昌幸はそれを知っていてあえて動かなかった。
北条が滅びれば沼田も自分の手に戻ってくるだろうことを計算して、苦悩しながらも名胡桃城を見捨てた昌幸の沼田城への複雑な思いが描かれている。
●『勘兵衛奉公記』(黒幕に収録)
小田原征伐のとき、中山城攻めで一番の働きを見せたが、主・中村一氏に手柄を独り占めにされたことに激怒し、主を見限って去ってしまった渡辺勘兵衛の物語。
十六歳の頃からの勘兵衛が描かれており、『わたり奉公人』として自分の槍先一つにすべてをかけて生き抜いていく勘兵衛の生涯
●『戦国幻想曲』
上記『勘兵衛奉公記』の主人公・渡辺勘兵衛を主人公とした長編小説。
●『角兵衛狂乱図』(あばれ狼に収録)
真田昌幸の血を引きながら、幸村・信幸の従兄弟として育った恐るべき力をもつ樋口角兵衛の物語
昌幸の義妹である角兵衛の母の罪が、角兵衛の生涯を翻弄していく様子を描いている。
紙の本
信幸と信繁の成長
2016/01/23 11:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earthbound - この投稿者のレビュー一覧を見る
上田攻めの中で昌幸の息子の信幸と信繁の成長ぶりが克明に描かれています。
人間模様や人の機微を克明に描くことで、真田家の実体と戦国時代の終焉を分かりやすく描かれています。
非常に読みやすく楽しいです。
紙の本
上田攻めから小田原攻め、秀吉の天下統一へ
2017/03/09 19:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
『真田太平記』も3巻目。
副題にあるとおり、この巻のクライマックスともいえるのはやはり「上田攻め」であろう。そのクライマックスが巻頭にくるのだから、もう面白いったらない。
この物語は虚実ないまぜに書かれているのでどこまでが事実かわからないところもあるが、それでもこの「上田攻め」の部分は大筋では史実に基づいているはず。それがまた面白いのだから、よほど真田昌幸という人は知略に長けていたのだろう。
また、そこには成長した長子・信幸の姿も描かれており、一族結束して戦いに臨んだことがよくわかる。
そして、話は小田原攻めへ移り、北条氏の滅亡にいたるまでの秀吉の策略が、これまた忍びの者を使ってというような話となっており、あれよあれよと読み進めてしまう。
そこにまた、真田信幸・幸村兄弟のいとこという樋口角兵衛のエピソードや名胡桃城の鈴木右近の話、千利休の話などがちりばめられており、読み飽きることがない。
それは著者の語り口にも惹きつけられるものがあるのだろう。
この調子ならば、12巻を読み通すことも苦ないことのように思える。