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【期間限定価格】真田太平記(十)大坂入城
著者 池波正太郎
徳川家康が方広寺の鐘銘に難癖をつけるなどして強引に豊臣方を開戦に追い込むのを見てとった真田幸村は、密かに九度山をぬけ出て大坂城に入ることを決意する。大坂入城を果たした幸村...
【期間限定価格】真田太平記(十)大坂入城
真田太平記(十)大坂入城
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真田太平記 改版 第10巻 大坂入城 (新潮文庫)
商品説明
徳川家康が方広寺の鐘銘に難癖をつけるなどして強引に豊臣方を開戦に追い込むのを見てとった真田幸村は、密かに九度山をぬけ出て大坂城に入ることを決意する。大坂入城を果たした幸村は、外濠の外に真田丸と名づけた小さな砦を設け、これに拠って徳川軍を散々に打ちすえる。この一戦によって幸村の武名が初めて天下に轟くが、すでに家康の和平工作が淀君周辺に及んでいるのだった。
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紙の本
九度山を抜け出た真田幸村の活躍が東軍を翻弄し、家康の攪乱が豊臣を手玉に取る
2009/12/29 19:02
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
片桐且元が大阪を離れたのをきっかけに東西が手切れとなり、真田幸村が大阪城へ入城するところから、開戦した大阪冬の陣が休戦となるところまでを描いている。
そして休戦協定における徳川のしたたかな戦いによって、大阪方が再び振り回され始める。
本巻のサブタイトルは「大阪入城」だが、幸村の大阪入城よりも大阪冬の陣が中心に描かれている。
前半は、家康の片桐且元を利用した豊臣家撹乱が功を奏し、且元が暗殺から逃げるように大阪を去ったのをきっかけに、家康が兵を挙げる。
その東西の手切れをいち早く掴んでいた幸村が、九度山を脱出し大阪入城するあたりまでを描いている。
その間、甲賀忍びの猫田与助がしぶとく登場するのだが、お江と猫田与助の闘いは思わぬことで幕を閉じる。
個人的にはこのあたりが一番印象に残った部分だった。
お江と猫田与助の闘いの終焉は読者にとっては残念な終わり方だが、それを池波氏に告げたら、きっと「作者冥利に尽きるが、どうしてもそういうことになってしまう」と言うことだろう。
これは池波氏のエッセイ「私の仕事(下)(日曜日の万年筆に収録)」を読むと分かる。
『登場人物達が生命を得、勝手に動き出し、その人物の過去や性格によってその結末が訪れた』ということらしい。
残る半分以降は大阪冬の陣の終始を描いており、この部分については大阪内の空回り感がというか、指示する側と戦う側の志気の隔たりが描かれている。
死に場所を得た牢人達の気勢は高かったが、反面、大野治長や淀の方などは秀頼と豊臣という「宝」を守ることばかりを考え、開戦を主張したものの志気は低く『うまい具合に和睦に持ち込めれば』ということを考えてしまっている矛盾が、読んでいてイライラしてしまう。
その中で、幸村による徳川方の作戦の裏をついた作戦と真田丸での活躍、それによって天下に轟くことになった武名、そしてこれまで幸村を相手にしていなかった大野治長の一変した態度にはスッキリ爽快な気分にさせられる。
幕府を開いた徳川家が天下をほぼ掌握して天下はまとまり始めた感があり、特にこれまで物語を盛り上げてくれた猫田与助とお江の闘いが終わってしまったので、なんとなく寂しく感じてしまう。
しかし樋口角兵衛の前9巻での行動と本巻の怪しい態度や、大阪夏の陣における幸村の活躍、そして戦後の真田家がどのように「獅子」など後年の真田家の物語に繋がっていくのかという楽しみもあり、まだまだ目が離せない。
ところで、本巻の中に「冬の陣・布陣図」が掲載されており、これは特に真田の動きを想像する上で、非常に役に立った。
紙の本
淡々と描かれすぎ...
2016/02/21 23:50
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earthbound - この投稿者のレビュー一覧を見る
大阪城幸村入城がメインの10巻ですが、淡々と描かれすぎで少々さみしい気がしました。
もうすこし劇的なくだりを期待していたのは、池波文学に慣れていないからでしょうか?
それとも幸村への期待値が高すぎるからなのでしょうか?良く分かりません。
紙の本
良いですね
2024/04/30 14:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
真田幸村の名が天下に轟くことになる闘いへとなります。この小説を読む前、大河ドラマ真田丸の最終話を見ており、豊臣家がもう少しマシだったら、勝てたかもしれないのにと思ってしまいます。
紙の本
ついに出来た真田丸
2017/07/30 18:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
「大阪入城」と題されていますが、主に大阪冬の陣について書かれています。もっとも、全巻からすでに家康が大阪方を翻弄し、豊臣家を滅ぼさんとするくだりがずっと語られていたので、長い長い冬の陣の実際の戦いそのものについてはむしろあっさりと語られていた感が強いです。
それでも、ここへ来てようやく幸村が表舞台に出てきたわけで、それだけでもある種ワクワクしながら読み通してしまいました。真田丸を造るくだりや、大阪方として籠城を決めてしまっても外へ打って出ることを何とか画策していくところなど、もっといろいろとやってくれよという感じでした。
そして、ここでも草の者たちの活躍も語られているのが、この『真田太平記』の大事なエピソードだと改めて思われてなりません。
これと平行して、みなもと太郎の『風雲児たち』も読んでいるので尚更そう思うのかもしれませんが、徳川家康がとてもいやらしい人物のように思えてならない今日この頃です。それに比べて真田幸村(そして、もっと言えば父親の昌幸も)が、何にもまして戦国武将であったのだということを感じてしまいました。