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大江戸かあるて 鍼のち晴れ
著者 杉山大二郎
幼い頃に父と母を亡くし、貧しさと戦ってきた17歳の駿。誰よりも辛く苦しい経験をした彼は、弱き者を守る医者になるべく、江戸にある日本一の講習所“杉坂鍼治学問所”に入所する。...
大江戸かあるて 鍼のち晴れ
大江戸かあるて 鍼のち晴れ (集英社文庫 歴史時代)
商品説明
幼い頃に父と母を亡くし、貧しさと戦ってきた17歳の駿。誰よりも辛く苦しい経験をした彼は、弱き者を守る医者になるべく、江戸にある日本一の講習所“杉坂鍼治学問所”に入所する。腕は確かだが、偏屈で守銭奴の間市に師事するも、間市が患者の命よりもお金を優先する姿勢に疑問を抱く。そんな中、余命幾ばくもない吉原の元遊女とその息子に出会う。患者の命か、金か? 江戸一番の医者をめざす心優しい青年に現実が突きつけられたとき……。感動と学びが詰まった、青春時代長編。
目次
- 第一章 鍼の重み/第二章 最後の鍼/第三章 恋は盲目/第四章 信長の茶器/第五章 明日葉の記憶
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紙の本
駿は駿らしく
2024/02/09 08:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
アッと言う間に読んでしまった。
1巻同様に主人公の理想に燃えた姿が清々しい。涼の言う通り、駿は駿らしくある。
舞台は江戸、鍼治学院。同朋が出来、青春真っ只中。青葉繁れるという感じ。
前巻同様に悪人は出てこない。ストーリーからして嫉妬やライバル、競争、あるいは海千山千の人間等々出てきて話が入り乱れてもよいはずなのだが、出てこない。
主人公の伸びやかで大らかな性格が大切に描かれ、真っ直ぐな小説に仕上がっていると思う。
主人公の師匠になる間市は一癖ある人間だが、根っからの悪人ではないと思う。言っていることは、それなりに筋が通っている。主人公が青すぎるとも感じてしまう。間市の言う『見えるものしか見ない』という言葉は重い。
間市は酸いも甘いもかみ分けた人間、多分、人並み以上に苦労を重ねたのではないか、世渡りの大切さを知った人間だと思う。根は優しい人間ではないかな、好きだなこういう人。
主人公の頑なさが今後、間市によってほぐれてきて人間的に成長していくのだろうと思う。
続編が楽しみ。
茜との再会は出来るのか、二人の関係はどうなるのか。
その辺に、気を持たせるなぁ。