三体3 死神永生 下
2024/12/16 21:14
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投稿者:ごんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
壮大な物語で三体文明や太陽系が他の宇宙から攻撃されて2次元になったりと壮大な物語で終わり方も未来に小さな希望を残す感じがちょっと他の本と違うところだと思いました。壮大な時間の流れに人類がタイムスリップして生きていくところが面白いと思いました。
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投稿者:ブラウン - この投稿者のレビュー一覧を見る
三部作・完。
最初から最後までスケール感のインフレーションが衰えることを知らない。強烈な筆力で想像を凌駕する宇宙観を提示する腕は(他をよく知らないので過言だろうが)他の追随を許さない。とにかく圧倒的な世界観を浴びたければ、三体は絶対に外せないマスターピースだろう。私がSFに明るくないばかりに、良いところを挙げようとすればするほど否定神学めいてくるのはどうか許して欲しい。
第三部は主人公・程心の愛情と、現実のすれ違いが印象に残っている。向けられた愛情に気づかず、知らない内に裏切りに等しい仕打ちを向けてしまった程心。人類を愛するあまりに非情になれなかった程心。彼女の甘さと言うには素朴な一個の感情は、彼女個人スケール~太陽系スケールの視点では最悪の選択となって表れてくる。しかし、時の外、宇宙の果てのスケールに至っては、程心のような甘さを持っている人が必要不可欠だ。読者に解釈が委ねられているようなラストからは、そんな性善説へのエールが聞こえてくるようだ。
もっとも、物語として見れば、暗黒森林で終わらせておけば綺麗だったと思う。後半に至るにつれ、作者の舞台設計の展示会の性格が強くなっていく。言わば演劇の書割の説明に延々とのめりこんでいってしまっている。ストーリーを求めている読者としては白けることこの上ないのだが、それでも作者の宇宙愛・世界愛の強さをひしひしと感じる描写はやはり一本筋が通っている。
私はこの愛を受け入れられないが、何であれ最後は愛が大切だとする信条がこめられた文章だ。
死神永生は、程心と人類の、作者と読者の愛のすれ違いの物語だった。だが、たとえすれ違ってもそれが誓って愛であるなら曲げる必要はない。心の強さが紙面の底でグツグツと煮えたぎっている気配を感じる小説だった。
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『作者は、宇宙とSFに、想像力を振るう余地がまだあることを教えてくれた。』(本書帯より)
ものは言いようですね。要は作者の知識と空想の大風呂敷。詰め込みすぎ!何でもあり!ツッコミどころ満載!
間違った決断と逃避を繰り返す主人公にも辟易。
せっかく黒暗森林があんなに面白かったのに残念です
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最後、すごかった。
壮大とはこのこと。太陽系の終わりが目に浮かぶような畏怖を感じる描写。最後の終わり方もスケールがすごい。
長かったし理解が仕切れていないところもあったけど読んでよかった!こんなSF大作を読めた幸せ。
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最後は一気に壮大な (今までも壮大だったけど,今まで以上に壮大な) 話となり,エンディングを迎えた.相対論的なディテールは徐々に粗くなった感があるが,物語の展開のスピード感とスケール感は十分かと.
ここしばらくは「三体」を一気に読み続けてきた.シリーズにはまだ読んでない話もあるが,ここで一旦小休止として,気が向いたときにまた戻ってこようかと.
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三体。最高のエンタメだった。
壮大。壮大。壮大。
ただ唯一の不満はラスト。
ここまでの壮大なストーリーの最後をわれわれの想像に任せる(私はそう感じた。)といった展開は不完全燃焼であった事は否めない。
しかし、登場キャラクターが多いにも関わらず、掘り下げも程よいバランスを保ち、先の読めない展開から各最終節では見事な回収を行うなど、エンタメ性のみならずストーリーの構成も素晴らしかった。
2024年度最高の傑作である事は言うまでもない。
人類史の中でも恒星の如く力強い輝きを放つ作品であることもまた、言うまでもないだろう。
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葉文潔がすごく懐かしくなるくらい、物語がとんでもなく広がってSF初心者には難しいところの方が多かったけれど、下巻では雲天明のプレゼントにキュンとした。読み終えることができて良かった。
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450光年先の三体世界の存在さえとんでもないスケールと思っていたが、最終章はそれどころではなく、距離も時間さえも超越。ついていけるとかいけないとか、それどころではない。防ぎ用もない災厄を前に、人類も三体人もあまりにも無力だったが、それをもたらした存在こそが宇宙の救世主だったのか?
誰が執剣者になったとしても、遅かれ早かれ防ぎ用がない結末だったのだ。これは遠い遠い未来に実際に起こるかもしれない宇宙の洗濯なのかも…
残酷すぎる力と対比するように、程心と雲天明が再開して物語が語られるシーンに心打たれた。雲天明が熟慮を重ねて練った計画を、三体人もおそらく気が付いていたのではないかと思う。知性の拮抗に痺れた。
こんな規模の小説は今後出会えないのではないかと思う。スピンオフ版もあるとのことだが、できれば著者によって綴られたものが読みたい。
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シリーズを通して"ある未来の話"という点の未来ではなく、どんどん未来へと進んで、それに伴い科学技術もどんどんと変化し、社会や人間もどんどんと変化する様が読んでいてとても引き込まれる。わたしが未来を想像する時、ある一点をイメージするのが精一杯で、そこからさらに先をイメージすると極端に曖昧で解像度が低くなってしまう。
最後まで読み終わった時に、宇多田ヒカルのelectricityがとてもピッタリなことに気づいた。
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広大な宇宙の中で語られる3世紀近くの話を描いてきた『三体』。
前巻の暗黒森林理論に基づく相互抑制で地球と三体文明に平和が訪れたかのように思えた。こんなに綺麗に終わった物語を続けさせるのか、と思ったが、読み終わって認識を改めさせられた。かなり壮大な世界観になっていたが、それに負けないストーリーで良かった。
面壁計画やその裏で起こっていた階梯計画、執剣者計画など様々な思惑が最後にちゃんと絡んでおり面白かった。
SFならではの超技術により、キャラクターが冷凍保存によって未来に行け、再登場出来たりするのが良かった。また、SFの中にSF的なお伽話が挿話されたりとそれも読み応えがあった。
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壮大なスケールの3部作がここで終結!
最後は本当にびっくりするような終わり方で、愛は理論を超えるのか、ここまできてそれでいいんだ、と少し肩透かしをくらったような気も笑
世界観にどっぷりハマれて、本当に面白かった。
次はNetflixのアメリカ版ドラマと
U-Nextの中国版ドラマを視聴しないとです!
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遂に読み終わった三体シリーズ。
そんなに人気なら、と手を出してしまい、まんまと虜に。
しかし、最終巻もあまりにも壮大過ぎて、自分の想像力の乏しさ、知識の無さが、この世界を理解する足かせになっている、と感じながらなんとか読了した感じでした…。
難しかったけど、普段の生活では考えないような世界に浸る体験は本当に面白い。
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とんでもないスケールのラストになった。
ここまで壮大なSF長編を読むのは初めてかもしれない…
やっぱり壮大なハードSF小説を書く人は冷徹なサイエンティストではなくて宇宙規模のロマンティストなんだなあ。
この三部作を最後まで読むことが出来てとても良かった。
そして今回出てきた劇中劇的なおとぎ話だけ読んでも作者が相当な力量の作家なのがわかる。
作中で童話作家が「最後に…これはおとぎ話として大変素晴らしい作品です」と言っていたがほんそれ
何か起きるたび大量に人が死に大量の建設物が短い期間にすごい勢いで出来上がるのが凄く中国らしい世界観だと思った。
ものすごいスケール観と合わせて悠久の歴史がある中国の作家さんじゃないと書けないSFだったのかも。
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三体Ⅰの感想を書いた日からちょうど1ヶ月が経過してました、長い道のりだった...
葉文潔の出来事から地球,三体文明間の戦争、そして第三高度文明からの暗黒森林攻撃とスケールが大きくなっていきましたが、正直なところ理解が追いつかない部分も多々あります。最終巻では多元宇宙世界や高次元世界の話にまで発展していて、知らない言葉が出るたびに頭を抱えながらGoogle検索するハメになりました笑
個人的にはⅡ黒暗森林の終わりまでが最高に面白かったです。Ⅲ死神永生ももちろん楽しめましたが、若干消化不良な感じが否めないかな...
三体世界の成分が終盤の智子ちゃんくらいしか感じられず、終わり方もスッキリしなかった。
色々書きましたが、間違いなく読んで良かったと思ってます。
自分はSFに慣れ親しんでいる訳でもなく、科学に明るくもないただの一般人です。それでもこの作品には宇宙のロマンを感じる場面がたくさんあり、想像が掻き立てられる素晴らしい作品でした。
この本に描かれていような未来が訪れるのか否か、コールドスリープが一般化されない限りは僕らが知ることはできませんが、これからの化学の発展が楽しみです。
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雲天明によるおとぎばなしの回収が見事すぎました(ただし、回収した時にはもう遅すぎましたが……)。何度か声を出してしまうほどの伏線回収があり、その時にはなんて傑作なんだと思いました。ただ、ラストの急展開には、理解はできても気持ちが追いつけなかったところがありました。
おそらく納得いかなかったのは、程心と関一帆の2人のキャラクターに、あまり共感できていないからだと思います(ラストまで程心は戦犯、関一帆はモブキャラだと思っていました)。
程心があまり好きになれなかった原因のひとつが、程心がトマス・ウェイドの計画を「もう少し考えてみたらどうだ」と言われても断固として中止させる場面です。新しい時代を理解し切らないまま過去の倫理観で押し切る態度に腹が立ちました。ウェイドの死刑は本当に悲しい気持ちになりました。
確かに宇宙の表現は凄まじいし、人類や宇宙社会が迎える最期はドラマチックだったと思いますが、〈わたしたちの星〉に着いてからのストーリーは少し冷めてしまいました。
物語は、宇宙の性質をより大きなスケールで描く方向で進んでいきました。程心は雲天明と再開することはなく、三体人が雲天明以外の人類の前に現れることも遂にはありませんでした。作者の意図はそこにないとわかっていながらも、期待してしまっていました。
長々と文句を垂れましたが、それでも光速を実現するシステムや、「歌い手」の視点は非常に面白く、生物/文明を「低エントロピー体」と呼称する点はにやにやしていました。上下巻まとめると確実に⭐︎5です。
こんなに夢中になった小説のシリーズは久しぶりで、作者や訳者の方々には感謝しきれません。短編集や三体0も、少しずつ読んでいこうと思います。
シリーズ全体を通して、大史、丁儀、羅輯、トマス・ウェイド、そして雲天明が私の「推し」たちとなりました。