ブルーサウンドシリーズ みんなのレビュー
- 著者:崎谷 はるひ, イラスト:おおや 和美
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紙の本手を伸ばせばはるかな海
2006/10/15 09:34
最低な母親こそがボーイズラブの生みの母?
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hamushi - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作「目を閉じればいつかの海」で、儚さすら感じさせるほど影の薄い脇役だった宮上瀬里が、その儚さをそのままに主役を演じているお話。
社交性のない陰気な性格のためにロクな友達もできず、もうすぐ大学を卒業するという歳なのに、何をするにも自信の持てない瀬里の卑屈さは、最初のうちは読んでいてかなりイラつくのだけれど、彼にはそうならざるを得ないような。それなりに過酷な生育歴があり、物語中でそのことが丁寧に語られていくにつれて、いかにもつつましく控えめな瀬里の魅力がじわじわと伝わってくる。どんな子供だって、たかが小学校のお受験に失敗したぐらいで母親に人格を全否定され、年中無視されるか無能呼ばわりされた上、非常識なレベルで出来のいい弟と常に比較されて暮らしていたら、心が歪むか壊れるかしても無理のない話だろう。
けれども瀬里は、萎縮はしたものの、歪みも壊れもせず、誰にも顧みられなくても地道に努力を続けることのできる強い心の持ち主だった。
そんな、あたかもハリー・ポッターのような(?)瀬里が、渾身の力を振り絞って地獄のような家庭から独立し、ハリーにとってのホグワーツ校の如く(?)、自分らしく成長できる場所としてのレストラン「ブルーサウンド」に出会い、そこでかけがえのない人々や恋愛と出会うのは、すべて、彼をネグレクトし精神的虐待を加え、家庭の中でひたすら追いつめ続けた母親のおかげである、と言えるのではなかろうか。
崎谷氏の作品では、「ミルククラウン」シリーズの主人公、希の母親が、まさに瀬里の母親と瓜二つの姉妹であるかのような人物である。情緒的に未熟で、子供を自分と分離した一個の人格の持ち主と認めることができず、所有物のように扱ってボロボロにしてしまう、最低な母親である彼女たちから、命からがら逃れた子供たちは、育った家庭とは遠く離れた場所で、魂の分身ともいうべき同性の恋人に出会ってしまうのである。私も子供のいる母親なので、なんとも皮肉な気持ちになるのではあるけれど、崎谷氏の物語のなかの母親たちに限って言えば、まあ自業自得といっていいのではあるまいか。とくに瀬里の母親は、出来損ないと思いこんでいた長男だけでなく、東大に入れたことが自慢でならない次男坊まで、シリーズの別の巻で同性のパートナーを伴侶に選んでしまうことになるわけで、まあ多少気の毒ではあるものの、こんな母親のことだから、自分が手塩にかけた次男が普通に結婚などした日には、自己実現の成果を奪われた腹いせに、嫁いびりに命をかけそうな気もするから、それでいいんじゃないかという気もする。
紙の本目を閉じればいつかの海
2006/10/14 14:05
いとしのエリーの呪いでしょうか?
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hamushi - この投稿者のレビュー一覧を見る
サザンオールスターズの、会話が途切れるようでは恋も終末期…という意味の、あの有名な曲の歌詞が、メインテーマであるかのように主人公たちを切なく苦しめ、惑乱させる物語。
恋愛なんてお互いの思いこみが要素の大半を占めるとはいうけれど、思いこみだけでお互いの幸福を願うのは、危険きわまりないことだと思います。
恋愛は(通常)二人でするもの。ひとりよがりはいけません。どんなにお互いを思う気持ちが深くても、運命で深く結ばれる予定の相手であっても、話し合いや伝達事項を疎かにすると、必要もない絶望的な別れを経験したり、ありもしない不幸な境遇に苦しめられたりと、ロクなことがないようです。
嘉悦の将来を思って露悪的に身を引いた藤木と、自分の存在が重くのしかかって藤木を苦しめていると思いこんだ嘉悦は、お互いに、自分の思いさえ犠牲にすれば相手を守れると思ったのだろうけれど、結局同じだけ相手を傷つけたにすぎないというあたりに、作者さんの底意地の悪い意図を強く感じますが、後々の展開を思えば、それも愛(と、長い長いセックスの描写)を一層甘美かつ濃厚なものにするための試練と思うべきなのでしょうか。
ネタバレになりそうなので詳細は語れませんが、いつか湘南に行くことがあれば、エボシ岩が、三十男のための処刑場に見えるような気がします…。
紙の本ただ青くひかる音
2016/07/15 17:04
ブルーサウンドシリーズの短編
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆう - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブルーサウンドシリーズの短編ばかり…ラブラブシーンが詰まっているので、このシリーズが好きな人にはオススメします。
電子書籍せつなの夜に触れる花
2018/08/12 01:22
シリーズの感想
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミント - この投稿者のレビュー一覧を見る
まだ数冊しか読んでいませんが、どれもじっくりと読ませる内容で男同士の恋愛にどっぷり浸かりたい時このシリーズイイです。
スピンオフで続いていきますが、基本一冊につき1カップル(私が読んだものは)でメイン以外は脇に徹しているのでスッキリ読みやすいです。
紙の本手を伸ばせばはるかな海
2015/12/18 19:42
ネガティヴさを払拭して
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投稿者:ゆう - この投稿者のレビュー一覧を見る
瀬里のネガティヴさに光を当ててくれたブルーサウンドの面々の存在が良かった。店長の店長、まゆきち、そして大智。はじめくらい様子だったのがどんどんと明るくなり自信をつけていくのに安堵しました。
紙の本耳をすませばかすかな海
2015/12/17 19:01
年の差があるけど刺激的なカップル
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投稿者:ゆう - この投稿者のレビュー一覧を見る
年の差があるけどいい意味で落ち着きなく、おたがいに素直に好きだと言わずに関係を持ち続ける期間が多くて、やきもきさせられました。どちらもいじっぱりな様子が微笑ましく、続きの話が読みたくなります。
紙の本振り返ればかなたの海
2015/12/17 18:57
一穂の一途さが可愛い
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投稿者:ゆう - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブルーサウンドのコック山下に恋する一穂。もともとノンケの山下にのぞみはなくても好きだと言い続ける。見てるだけでいいんだというのは一途さがとても可愛かったです。
紙の本せつなの夜に触れる花
2015/12/17 18:55
年の差カップルの再会
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投稿者:ゆう - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブルーサウンドシリーズですが、主要キャラとは少しはなれたところにいるカップルでした。二号店のいかついバーテンダー。あ、この人別の話で出てきそうだなぁと思っていたら…こんな過去があったんだなぁと読みました。寡黙な様子がとてもかっこよかったです。
電子書籍しじまの夜に浮かぶ月
2015/09/08 10:53
ブルーサウンドシリーズ。
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投稿者:ケラっ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
多くの方が書いておられるレビュー同様、すべてにおいてネガティブな朝倉の言動にはイラっとしました。そしていつもながら、登場人物の心理を丁寧に描かれる崎谷さんの作品には、泣かされてしまいます。
電子書籍波光より、はるか
2020/12/31 17:43
ブルーサウンドと再会
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
本編では王子様然とした佇まいに
上手に隠していた情熱と執念を、
朝倉に伝えることになったケネス。
ますます深く気持ちが繋がって、
よかったよかった。
短編で懐かしいメンバーに
また会えたのも楽しかったです。
電子書籍しじまの夜に浮かぶ月
2020/12/26 21:16
王子様?
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
俳優みたいな現実感のない容姿で、
仕事もできて影響力もあって、
気配りできるロマンチスト。
まさに王子様!
っていう朝倉さんの思い込みとは
違う姿が複雑な魅力になってる攻めでした
電子書籍振り返ればかなたの海
2020/12/26 20:59
一葡が健気
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
その気になれば
相手が引くほど気配りできるのに、
その気がないからって、
期待持たせないためだからって、
あんな健気な一葡への塩対応が酷すぎるー。
でも、自覚してからは
強引と甘さの加減がさすがの絶妙さで、
一葡をとことん甘やかして大事にする男前でした。
電子書籍耳をすませばかすかな海
2020/12/26 20:53
男前美人
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
チャラい見かけからは
想像つかないほどの傷を抱え、
それゆえの包容力をあわせ持つ男前美人。
でもその優しさは、常に
自分が身を引く覚悟で発揮されているのが切ない……
電子書籍手を伸ばせばはるかな海
2020/12/26 20:38
素晴らしい職場環境
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
何事においても(特に恋愛関係の)
経験値の低いせりちゃんを、
みんながフォローし育ててくれる。
ブルーサウンドは素晴らしい職場環境ですね。
電子書籍目を閉じればいつかの海
2020/12/26 20:31
一言聞ければ
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
あ思い切って最初に一言聞ければ、
あんなにグルグルすることなかったのにー。
でも、それを聞けない聖司さんの
矜恃とこまやかさが
みんなを惹きつけるんですよね。