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山田風太郎ミステリー傑作選 みんなのレビュー

  • 山田風太郎, 山田風太郎 (著)
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みんなのレビュー7件

みんなの評価4.2

評価内訳

  • 星 5 (4件)
  • 星 4 (2件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
7 件中 1 件~ 7 件を表示

紙の本夜よりほかに聴くものもなし

2007/04/27 18:42

あんたら,これを読まずに死ぬつもりか,可哀想に(笑)

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

 冒頭「鬼さんこちら」から早速ぶっとぶ。ある雨の日,会社員の男が帰宅すると共働きの妻の会社の男が2人。今日の午後,社員の給料230万円(昭和30年代の小説だからね)を銀行におろしにいったまま,奥さんが戻ってこない,と告げられる。妻は持ち逃げの犯人なのか,はたまた誰かに襲われたのか? 翌朝,川原で妻の遺留品が発見されるが死体はあがらず,事件は迷宮入り。ところが夫はその後,妻かも知れぬ死体が発見されるたびにその確認に狩り出される羽目になる。しかもそれがことごとく彼のめでたい日に重なるのだ。新しい恋人とのデートの日,新婚旅行の日,自宅の新築祝いの日,そして新妻の出産の日。現実にはなかろうが確率的にあり得ないとは言えぬこの偶然。そしてついに夫の精神の均衡が崩れる……。
 ね,面白そうでしょ? こんな……解説で辻真先が言う通り,まさに「底なし井戸を覗き込むような人生の不気味さ」溢れる風太郎ワールド。なかでも出色は掉尾を飾る表題作「夜よりほかに聴くものもなし」。老境にさしかかった刑事が遭遇した「奇妙な事件簿」といった風情の連作だが,特に第9話「敵討ち」なんて「これがほんまに昭和37年の作品かいな」と思うほど,まるで2006年のニッポンの戯画である。大傑作,ミステリファンならずとも一読の価値はあります。つうか,あんたら,これ読まずに死ぬつもりか,可哀想に(笑)。

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紙の本怪談部屋

2007/07/19 11:39

筒井康隆以前にこんな小説があったのか

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

全10巻中の第8巻ながら,一番最後の刊行になったものらしく,風太郎作品としてはもっともその数が少ない(忍法帖を除けばだろ,という意見もあるが)「ホラー・SF」に類する作品を集め,それにこれまでの9冊に漏れたものを加えたた一冊。なので本一冊のトーンとしては統一感がなく,なんというかあっちゃこっちゃの印象。日下三蔵氏による解題に収録されている山田翁自身の言葉に「怪談がもっともむずかしい」とあるが,まさしくその通りで,心底ホラー好きのオレとしてはちと食い足りぬ作も。
 その代わりと言ったらなんだがSFというかはちゃめちゃというかジャンル分けのむずかしい数編がとてつもなく素晴らしい。故中島らもさんが「このミス2002年版」で読みもせずに(死ぬ前に読んだのだろうか)題名だけでナンバーワンと断じた「うんこ殺人」。1956年に書かれた抱腹ものの未来予測「1999年」。放射能による人類突然変異のありさまを描いた「二十世紀ノア」……。
 そして何と言っても素晴らしいのは筒井康隆(1960年デビュー)以前にこんなものを書いていた人がいたのかぁ,と感服してしまう1958年の「臨時ニュースを申し上げます」。……「臨時ニュースを申し上げます,本日午後8時32分,モスクワ時間で午後2時32分,国籍不明機がモスクワに水爆を投下いたしました」というニュースを最後に停電となり,おまけに嵐で橋が落ちてすっかり外界の情報が遮断されてしまった温泉町(当時まだトランジスタラジオは一般的ではない)。講演会の流れでここに逗留中の評論家2人が村人たちと,僅かな情報や噂に一喜一憂右顧左眄するドタバタの極致。いやこれは大傑作。
 上にも書いたように正直全ての作品が傑作とは言わぬ(そのせいか今まで読んだ7巻より時間もかかってしまった)。が,「臨時ニュース……」のような大傑作もあるし,前述のように山田翁自身が「怪談」について述べた一文も読める。いや実際,この文章だけでもお金払って精読する価値があります。あると思います私は。

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紙の本笑う肉仮面

2007/07/19 11:41

江戸川乱歩の少年探偵シリーズのような雰囲気が楽しい

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

山田風太郎ミステリ傑作選9〈少年篇〉。その名の通り昭和20〜30年代に少年少女向け雑誌に掲載されたジュブナイルを集めたもの。のちに……逆もあるのかな? 大人向けの小説に書き直されて発表されたものもあるが,オレが子供の頃に夢中になった江戸川乱歩の少年探偵シリーズのような雰囲気が楽しい。つか当時は既に大衆小説誌で名を成した山田風太郎クラスの書き手が「少年」とか「中学時代」とかの本にこんな小説を書いていたんだね。他の作家のこういうものも読んでみたい。
 マイ・フェバリットは「暗黒迷宮党」。警察の捜査では迷宮入りした事件の真相を闇のルートで調べ上げ,それをネタにして犯人たちを脅迫,全国規模の犯罪組織を形成するというアイディアはさすが。物語は,父がこの党の一員であることを知ってしまった少年・勇吉がその一味にかどわかされ,覆面警官「警官X」(この辺のネーミングが微妙に時代を感じさせるよね)の助けを借りて脱出,と同時に組織の壊滅を成し遂げるという,血わき肉躍る冒険譚。また,前巻「怪談部屋」所収のSF「冬眠人間」の2種類のジュブナイル(「中学時代二年生版」と「少年クラブ版」,題名は同じだがストーリーは全然別もの)の読み比べも興味深い。

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紙の本十三角関係

2007/04/18 15:29

全ての権威,全ての栄光,全ての正義を信じない,山田風太郎ニヒリズムの極致

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

この作家が産み出した唯一の名探偵,新宿のオンボロアパート・チンプン館を根城としている酔っ払いの堕胎医・荊木歓喜が活躍する長短編8本。最初の数編こそ探偵役を固定したことがある種着想の足かせになっている風を感じるものの,その探偵役・荊木歓喜自身の過去が事件に絡む中編「帰去来殺人事件」,そして横溝正史もあっと驚く血と愛憎の表題作「十三角関係」の見事さはどうよ。特に「十三角関係」は,全ての権威,全ての栄光,全ての正義を信じない,山田風太郎ニヒリズムの極致と言っていい傑作である。

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紙の本天国荘奇譚

2007/04/30 17:07

収録作品「ダニ図鑑」のリアリティに鳥肌

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

 山田風太郎ミステリ傑作選6〈ユーモア篇〉。ユーモア篇とヒトクチに言うが収録作品の毛色は二色。作者の旧制高校時代が色濃く反映していると思しきスラップスティック的な表題作「天国荘奇譚」とこれを戦後版に換骨奪胎した「青春探偵団」は栗本薫の初期の青春ミステリみたいな(あれよりはかなりグランジではあるが)陽性のテイスト。
 この2篇に挟まれて収録された5本の短編は,ユーモアと言えばユーモアだが,読み手によっては凄惨と受け取られる可能性もあろうとことんブラックな出来である。なかでもオレのフェバリットは刻苦勉励の末に成功した善人の町工場主が一族縁者有象無象に食い物にされる短編「ダニ図鑑」。子供どころか結婚もしてないオレさえ想像して鳥肌が立つようなこのリアリティ,ニートの息子とかを抱えてる人にはたまらんだろうなぁ。

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紙の本十三角関係

2021/03/30 12:08

鬼才・山田風太郎ミステリーの入門編にして最高傑作候補

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る

山田風太郎のミステリ―作品集。容貌魁偉のモグリ医師・荊木歓喜ものの短編を集成し、さらに荊木もの唯一の長編『十三角関係』を併録。
本格ミステリー好きなら絶対楽しめる傑作ぞろいですが、特に短編「落日殺人事件」は、トリック、文章、人物造詣、ストーリー、すべてが精緻を超えて凄絶とすら言いたくなる出来栄え。個人的には、全世界のミステリー短編のなかで最高傑作は? と問われたとき挙げたくなる候補の最右翼です。

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紙の本笑う肉仮面

2002/01/28 21:59

少年探偵団を読むなつかしさ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:fu  - この投稿者のレビュー一覧を見る

 山田風太郎の大ファンだったわたしですが、まさかこんな少年向けの作品をたくさん発表しているとは、知りませんでした。まるで「怪人二十面相」を読んでいるような、どこかほのぼのしたレトロな悪役と、勇気ある少年探偵が戦う、という、胸おどる短編集です。わたしがいちばん好きなのは、表題作。顔におそるべき手術をされた少年が、さまざまな困難に立ち向かい、やがておそるべき殺人事件にまきこまれつつも、知恵と勇気で悪人にいどむ、という、まさしく「怪人二十面相」の世界です。なつかしもの好きな人におすすめ。

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