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ヴァルナー&クロイトナー みんなのレビュー

  • アンドレアス・フェーア(著), 酒寄進一(訳)
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みんなのレビュー5件

みんなの評価3.6

評価内訳

  • 星 5 (1件)
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  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本咆哮

2021/06/19 21:26

地方色豊かなドイツ警察小説新シリーズ

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kapa - この投稿者のレビュー一覧を見る

数多いドイツ警察小説の翻訳をしている酒寄進一氏によるアンドレアス・フェーアのシリーズの登場。フェーアには既刊「弁護士アイゼンベルク」シリーズがあるが、本書はドイツ推理小説で権威あるフリードリヒ・グラウザー賞2010年新人賞を受賞した彼のデビュー作。出版社小学館にとって警察小説登場は初でなかろうか?ドイツ警察小説は、海外推理小説の一ジャンルとして近時日本でも定着しているので、遅ればせながら目を付けたのだろうが、今から10年以上前の作品。やや昔の作品と思えるが、バイエルン地方を舞台にするフェーアのシリーズは、現在(2021年6月)までに9冊出ており、しかも、南ドイツでフェーアはドイツミステリの女王ネレ・ノイハウスと並び称されるビッグ・ネームなので、実績ありということで選定したのだろう。したがって、今後もシリーズとして翻訳されることだろう。
ノイハウスと比較されるので、登場人物はピア/ボーデンシュタインのようなバディだと思ったのだが、そうではなかった。宣伝ではヴァルナー捜査官とクロイトナー上級巡査のコンビのシリーズとして紹介されている。しかし、ヴァルナーは刑事でクロイトナーは外勤勤務の警察官と仕事が違うので、同じ刑事のピア/ボーデンシュタインのようなバディではない。冷え症のヴァルナーは、冴えないオヤジであるボーデンシュタインに設定が似ていなくもないが、相方になりそうな刑事はでてこない。どちらかというとチーム・リーダーという役回り。
クロイトナーの登場場面は4回。冒頭最初の事件現場となるミースバッハ郡の凍りついた湖面下で謝肉祭のプリンセスのようなドレスを着た少女の死体の第一発見者。2回目は最初の容疑者の逮捕劇、3回目は警戒中職務質問で真犯人と遭遇する場面、そして4回目は地元出身の地の利を活かして秘密の通路から犯行現場に突入し、犯人を捕らえる英雄的場面。こう書くと、まるでクロイトナーが主人公のようであるが、彼は現場外勤なので、ヴァルナーの指示を受けて臨機応変に動いているだけなのだ。早い段階で犯人が示されるので、読者はヴァルナーの推理・調査がどのように真犯人にたどり着くかを追跡することとなる。クロイトナーは単にそれに乗っかって半ば即興的に動くだけ。ヴァルナーにとっては捜査上のノイズである。彼と同僚の新人で研修中のシャルタウアー巡査とのボケと突っ込み漫才風のコンビぶりがシリアスな展開の中の息抜きとして楽しめる。今後のシリーズで引き続き凸凹コンビで登場するだろうか。犯人と被害者との接点がないのに、いきなり第一発見者になってしまう不運(彼にとっては幸運?) は、この手の小説の展開では凡そ考えられない。ドイツ出版社は、「インテリジェントな事件(最後の数ページに三つの復讐殺人の背景・つながりが見事に謎解きされる)、ブラック・ユーモアと典型的なバイエルン地方色」の警察小説と紹介しているが、さしづめクロイトナーは「ブラック・ユーモア」だろう(事件大詰めでヴァルナーはSATを奴にさし向けろ、という)。年寄りながらも意気軒昂・女好きのヴァルナーの父親のブラック・ユーモアも捨て難い。
ノイハウスのフランクフルトやベルリンを舞台となるドイツ警察小説に対抗して、ミュンヘン舞台に地方色を前面に出しているから「南ドイツ」限定ながらも知名度が高いのだろう(最後のクロイトナーによる現地観光ガイド!)。
原題はDer Prinzessinnenmoerder「王女の死」。カバーもそれを意識したデザイン。それがなぜ「咆哮」なのか、訳者解説がないからわからない。「咆哮」が使われるのは2回、雪山の吹雪。犯行の背景となった景色、それとも犯人の心情か。

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