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十字軍物語 みんなのレビュー

  • 塩野七生, 塩野七生 (著), ギュスターヴ・ドレ (絵)
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みんなのレビュー40件

みんなの評価4.5

評価内訳

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40 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本絵で見る十字軍物語

2010/10/06 15:58

相変わらずの悪文ですが、今回は短いので助かりました。

11人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る




ローマ史を完成させた著者が次に取り組んだのが十字軍物語です。

その予告編とでもいうべき本書ではギュスターヴ・ドレの精巧なモノクロ版画を紹介しながら、11世紀末から13世紀後半に至るまで聖地エルサレムの回復をめざして全8回にわたって繰り広げられた十字軍の歴史をかいつまんで紹介しています。

十字軍とは西欧キリスト教世界が総力を挙げて取り組んだイスラム教との武力闘争でしたが、彼らは一時は聖地奪還に成功したものの結局は全面的な敗北を余儀なくされ、暴に報いるに暴、狂信に報いるに狂信という非寛容の一神教のおろかさ、あほらしさを天下のもとにさらけだす結末を迎えたわけです。

しかし当の当事者たちはあれから何世紀も経過したというのにちっとも懲りずに、そのおろかさ、あほらしさの遺伝子をいまなお中近東をはじめ世界各地で引き継ぎながら果てしない死闘を繰り広げているといえましょう。


全8回の十字軍の姿形はそれぞれが異なっているのですが、やはり印象に残るのは隠者ピエールの「神がそれを望んでおられる」のキャッチフレーズのもとで開始された第一回の十字軍。ピエールに従って行軍するだけで「すべてを免罪にする」と請け負ったローマ法王の悪乗りがこの暴挙を後押ししたことは間違いないでしょう。

フランス国王ルイが捕虜になったり宮廷の美女がイスラム教徒に犯されたり、何百万の戦士が虐殺したりされたり、暴挙といえばこれほどの暴挙はありませんが、獅子王リチャードやサラディンの奮戦など数多くの英雄が大活躍したことも事実です。

回数のうちには数えられていませんが、第五次の前に実行された少年少女十字軍ほど悲劇的なものはないでしょう。フランスとドイツを中心に始まった自然発生的な子どもたちの大行進は南仏の港に向かうまでに生き倒れになったり、騙されて人買いに売られたりして悲惨な末路を迎えたのでした。

この人の日本語は相変わらずの悪文ですが、今回は短いので助かりました。


台所の流しの隅の物入れに髪の毛が入った風呂水を捨てるのは止めてください 茫洋

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十字軍物語 第二巻

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:渡り鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る

成功裏に終わった第一次十字軍に対し、第二次十字軍は失敗に。 第一次十字軍には、キリスト教側に多数の英雄が輩出し、小説を読んでいて楽しかったが、第二次十字軍や役者が小粒であり、小説が盛り上がりに欠く。少し退屈。ただ、後半にいよいよイスラムの英雄,サラディンの登場。アユーブ朝の開祖。第一次十字軍のイスラム側の主たる敗因がイスラム側がスンニ派とシーア派が一枚岩にならなった事であったが、いよいよ、サラディンがエジプトとアラビアのイスラム
教徒を一つにする。危うしキリスト教と言う所で第三巻に

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紙の本絵で見る十字軍物語

2010/09/12 22:08

高校の歴史で習った十字軍は、疑問だらけでした。

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る

高校の歴史で習った十字軍は、疑問だらけでした。

そもそも、宗教をめぐって戦争になることすら理解できませんでした。しかし、現代の状況をみると、十字軍の衝突が対立の原点となっているのは間違いないようです。

本書は、でひとつの項目が19世紀活躍したドレの版画と簡潔な本文と関係地図構成されています。

美術的な興味がない人でも、インクの濃淡で表現されたこの絵の美しさは十分楽しめます。

十字軍は最初の戦争から終わりまで長い年月が費やされていること。たくさんの個性豊かな人物が登場していて、体系的に理解することが難しいのが難点です。

しかも、その戦争の目的は聖地エルサレムの奪還というものから、政治的な要素も加えられ、拡散して展開されているのです。

本書は、塩野氏の十字軍4部作の第一弾だということですが、今後の刊行が楽しみです。

なにせ彼女の戦争の描写は、理論的なのに情緒的、人物についても客観的であるような記述から主観が入ってみたりとダイナミックだからです。

とりあえず絵を見て歴史に思いをはせるにはよいのでは。

龍.


http://ameblo.jp/12484/








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紙の本絵で見る十字軍物語

2011/03/01 20:19

絵みているだけで十字軍の歴史がわかる、なんて思っていたら大間違い。聞いているだけで英語が覚えられる、っていうのと同じレベルの幻想です。この絵本を読んでもピンとこなかったことが、『十字軍物語1』を読むと、あ、あれだ、と腑に落ちる。あくまで副読本とお考えください。それにしてもドレの絵は素晴らしい・・・

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

年末といえば、塩野七生、というパターンがこの20年近く続いているわけですが、この本はその前ふりとでもいったらいい本で、このような新プロジェクトの存在を知らなかった私は、出版ニュースを知った時、正直、驚いたわけです。塩野の作品をほぼデビュー当時から読んできた私にとって、彼女の活動は『ローマ人の物語』の完結をもって終わる、というか休止期間に入るだろうと思っていたわけです。

それは塩野が1937年生まれという、年齢上のこともあります。ですから、『ローマ亡き後の地中海世界』が出た時も、嬉しいけれど? という思いがありました。ただ、ある意味、『ローマ人の物語』の落穂拾い的な意味で、徐々に減速する、その過程で生まれた作品なんだろう、と一人判断していたわけです。ですから、それが減速どころか再び速度を上げるかのような新シリーズとなり、最終巻までの日程まで明示されると、西尾維新じゃないんだから、なんて呆れたりもします。出版社はこの本の位置づけを
               *
待望の新シリーズ〈全4冊〉。西洋中世史最大の事件、十字軍。その最良にして、もっとも美しい入門書!

現代にもつながるキリスト教vs.イスラム教、その対立の原点。聖地イェルサレム奪還のための遠征はどう始まり、どう戦われ、どう破綻したのか――。複雑に絡み合う歴史背景をわかりやすく解きほぐし、美しい挿絵とともに壮大な物語へと誘い出す。「ローマ人の物語」に続く待望の新シリーズ「十字軍物語」の第一弾が登場!
               *
と書きます。ついでにデータ的なことを書いてしまえば

カバーおよび本文内挿画
     ギュスターヴ・ドレ Gusutave Dore
History of the Crusades,Vol.1&2 より
     (Joseph F. Michaud 著 Barrie,Philaderphia.1880)
143頁 バルレッタ城(イタリア)蔵
     Alinari Archaives
カバー表 大英博物館蔵 AKG-images
地図作製 綜合精図研究所
装  幀 新潮社装幀室

となります。目次がないので、構成をかくと、まず最初に、「読者へ、塩野七生から」があって、そのあと塩野の言葉を借りれば
               *
左右二ページで成る見開き頁の左側全面を使って、ドレの絵を紹介する。それで反対側になる右側のページだが、ここは上下に分け、上段には地図を載せ、左ページの絵に描かれたエピソードが展開した土地を、丸く囲むことで指し示す。そして、残った右ページの下段では、ごく簡単な解説を記すことにしたのである。歴史と地理は表裏一体であるというのが私の信念だが、今度こそそれをひと目で見られるスペース内で具体化する。裏には、この想いもあったのである。
               *
というページが「聖地巡礼途上で難事に遭遇したキリスト教徒に、助けの手を差しのべるイスラム教徒」から「レパントの海戦」まで続いて奥付となります。ともかく98葉のどれの小口木版画が素晴らしい。塩野が古本屋で手にした一冊の本、19世紀前半の歴史作家フランソワ・ミショーの文章に、その世紀の後半になってギュスターヴ・ドレが挿絵を描いたという『十字軍の歴史』がなければ、この本は生まれなかっただろうといえるほどに素晴らしい。

もう、どの絵がというのはなくて、どれも素晴らしいのですが、一つはやはりその精細なことでしょう。特に群衆シーンの見事さといったら、こういう部分では日本の浮世絵でも敵いません。それとモノトーン、線描による色調表現です。銅版画でもここまで明暗を上手く描き分けられた作品があるか、私は驚きの思い出見ました。単に明暗ではありません。その闇の持つ暗さの段階がとてもよく表現され、それが可能であるために遠近感も空気までもがきちんと表現されているのです。

実際に塩野が手にした本のサイズ、そしてそこに収められたドレの絵の大きさ、さらに言えば原画のサイズなども知りたかった。そういうことは、今後の本の中で補遺として教えてほしいものです。ただし、ドレの絵は素晴らしいものの、これで十字軍の歴史がどれほど分かるかといえば、それはそれ。今後の塩野の筆にかかっている、といっていいでしょう。とはいえ、塩野ファンであれば『ローマ亡き後の地中海世界』のなかで触れられていることもあるので、初耳というのは少ないかもしれません。

それにしても夥しい死者です。切られた首が散乱する光景がこれほど大量に描かれるのをみると、イスラム原理主義者の聖戦というのも、このキリスト教世界に対する当然の報復ではないか、などと不穏な考えをもちたくなるほどで、十字軍はまさに軍隊であり、宗教という名のもとに行われた戦争こそが本質であったことをまざまざと教えられます。

それと捕虜の扱いです。十字軍当初はキリスト教側の裏切り、というか約束無視の惨殺などがありましたが、後期になってくると『ローマ亡き後の地中海世界』で述べられていたように、捕虜になってもお金さえ支払えば解放してくれるようになります。そうして多くの命が救われた。日本政府は第二次大戦中はもちろん、つい先日まで民間人が捕虜になっても見殺しにしろ、などという自民党政治家がいたように、国際法や国民を守る、ひいてはそれが相手国の捕虜を正しく扱うことになる、ということに気付きもしませんでした。

そこらは井上ひさし最後の作品である『一週間』を読んで確認してみてください。ソビエトの非道はありますが、帝国軍人の腐りきった考えかた、行動を知れば、まず私たちがしなければならないのは、自虐史観として過去の行いをなかったことにするのではなく、謙虚に自らの襟を正すことであり、それなくして他国には何もいえない、ということに気付くはずです。

ただし、この本だけで、そういうことまで期待するのは無理かもしれません。私にとっては素晴らしい図録を見たという以上の感動はありませんでした。そう、これはあくまで補巻です。その意味が解るのは、年末に出た本編の第一巻を読んだ時です。ああ、この場面があのドレの挿絵だったんだ、おお、これが、といやでもこの本のことを思い出すはずです。そういう意味で、これを入門書と位置づけてはいけません。本編を読みながら、改めて見返す、そういうものです。本当は、サイズを変えてでも改めて本編に組み込んでもいいのではないか、私はそう思います。

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紙の本絵で見る十字軍物語

2012/08/31 02:32

序曲として選んだ理由

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

『十字軍物語』に先んじて出版された『絵で見る十字軍物語』。左ページが19世紀の画家ギュスターヴ=ドレによる版画、右ページがそれに関するエピソード、背景となった場所を示す地図という構成になっている。『十字軍物語』の序曲としての役割をもつという本書の半分は絵なので、絵本のような感覚で楽しめる。絵の背景となった事件は大体どれも本巻に描かれているので、わざわざ別巻にせず本巻の挿絵として使えばいいのにと、最初は思った...。
 もともと19世紀の歴史家ミショーの『十字軍の歴史』という本の挿絵として使われていたこれらの版画は、戦争に特有の悲惨な光景、サラディンや獅子心王リチャードなど勇壮な戦士の姿だけでなく、出征前の兵士と家族の別れなどさまざまな光景を描いている。冒頭の十字軍前の風景からして興味をかきたてられる。第1回十字軍より半世紀前に生きた中世の残虐な領主、アンジュー伯フルクの懺悔と巡礼の物語は、十字軍の原動力になった当時の人々の信仰と救いへの渇望を伝えるものである。一方、かつて聖地イェルサレムでキリスト教の巡礼者と現地のイスラム教徒とが仲よくしていた様子も描かれており、十字軍の独善性とそれの招いた不幸というものがより一層感じられる。
 塩野も書いているように、これらの絵は十字軍側を美化し、イスラム側をけなすためのものでは決してない。本書には出てこないが、ミショーの記述は、啓蒙時代を経験した近代ヨーロッパの歴史家らしいきわめて公平な視点からなされているという。ドレもまたキリスト教徒、イスラム教徒の一人一人を偏見なしにともに描いており、これらの絵を「イスラム教徒が見たとしても、その人がよほどの狂信の徒でないかぎりは、不快感をいだかないであろう」というはしがきの言葉にはうなずかれる。
 そういう意味で本書は、塩野が常々目指している、非キリスト教徒、非イスラム教徒の視点からの歴史記述を、視覚的に補助するものといえよう。だから、彼女が『十字軍物語』の序曲としてこのような絵本を選んだのも、今はよくわかる気がする。

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紙の本十字軍物語 1

2011/07/15 20:34

オペラのタンクレディって、この人のことだったんだ、って驚きながら読みました。レディ、っていうから女性だとばかり思っていたんです。歌劇を音楽としてだけ聴いていると、こんなミスもある。それはともかく、十字軍、やはり一枚岩ではなかったか・・・・

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

既に『絵で見る十字軍物語』で、おぼろげにイメージだけを掴んでいた『十字軍物語』の本編です。識字率が決して高くは無いキリスト教文化圏の産物である絵本は、やはり日本人には向かないな、って思います。ま、文化的な出版物としての価値は認めたうえで、出来れば本編のほうにもサイズを小さくしてでいいから再掲してほしかったな、そうすればどれほど理解が進んだことか、って思います。

それはともかく、この巻では十字軍の成り立ちが、ヨーロッパというかキリスト教徒側から描かれます。それを出版社は、HPで
                *
「神がそれを望んでおられる!」聖都(イェルサレム)を巡る第一次十字軍の壮絶な戦い!

十一世紀末、長くイスラム教徒の支配下にあった聖都イェルサレムを奪還すべく、カトリック教会は「十字軍」結成を呼びかけた。結集した七人のキリスト教国の領主たちは、それぞれの思惑を抱え、時に激しく対立し、時に協力しながら成長していく。異国の地を独力で切り拓いた男たちの戦いは、いかなる結末を見たのか――。
                *
と書きます。この巻で扱われる時代の出来事を、年表で簡単に書き表せば
                *
1077年 カノッサの屈辱
1085年 トレドの解放
1095年 ウルバン2世、クレルモンで公会議を召集し、キリスト教徒間の争いをやめ、十字軍を結成してイェルサレムの解放を提唱
1096年 隠者ピエール率いる民衆十字軍が東方に向けて出発。同年8月にコンスタンティノープルに到着する
1097年 第一次十字軍の主たる人物がコンスタンティノープルに結集、一堂に会する。小アジア横断に出発
1098年 半年以上もの戦闘の末、アンティオキア制圧に成功。
1099年 7月15日、イェルサレム奪還に成功。
1118年 イェルサレム王ボードワンが病没。エデッサ伯となっていた従兄弟ボードワンがボードワン2世としてイェルサレム王に即位
                *
いやはや、「カノッサの屈辱」か、なんて思います。誰がどうした、なんていうことを名前をあげて言うことは、私には到底出来ない話ですが、すくなくとも現世の権力が教会の力の前に膝を屈した、ということだけは覚えています。と同時に、気にせず教皇を力づくで倒せばいいじゃん、宗教に何が出来るっていうの! と思ったことも。もし、ここでキリスト教世界が崩壊すれば、今日にいたる様々な戦火は半減していただろうに、とも。

それはともかく、私の頭にある十字軍とは随分イメージが違っていました。これは『絵で見る十字軍物語』で既に分かっていたことですが、まずは十字軍に大きく分けて二つのものがあったということです。一つは宗教的熱情に駆られたキリスト教徒たちによる自然発生的なもの。これは、数こそそこそこですが烏合の衆に近く、かなり悲惨な様相を呈します。

もう一つが、正規軍といえるものでカトリック教会からの呼びかけに応じた領主に率いられたものです。で、この正規軍、もう一つのキリスト教主体の十字軍とは全く別の行軍をします。つまり、民衆を守るために行動する組織では全くないのです。ここらが意外というか、忘れていたというか、ともかく私には初耳でした。

それと正規軍が抱える問題があります。ともかく一枚岩ではありません。対等、といっては言い過ぎかもしれませんが、上下関係がない。領主単位で行動をします。勿論、仲がいい領主間では協力が進みますし、単独行を好む領主もいます。行軍が長引けば、キリスト教の仮面の下から本音が見えてくる。いや、当初の思いが変質したといってもいい。

で、です。やっぱり気になるのは1112年に死亡することになるタンクレディですね。語彙が少ない私は、Tancrediというイタリア語を知る由もなく、ただカタカナでタンクレディ=tanklady 読み替え、当然のことながら lady だから女性を思い、ああ、女と見間違えるようなイケメンが金色の長髪をポニーテイルにして闘うんだろうな、なんて思うんです。

もう、このイメージは最期まで変わることが無くて困るんですが、もう頭の中ではオーランド・ブルーム演じるところのレゴラスなんです。いやはやですが、ロレーヌ公ゴドフロアの弟で、1118年に死亡したボードワンに、ヴィゴさまを当てはめたりもする。なんていうか映画の指輪物語になっちゃっています。それはともかく、この36歳で亡くなったタンクレディがロッシーニの歌劇の『タンクレディ』その人なんだと知って、さらに驚いてしまうわけです。

この本で好きなのは、タンクレディのことからいっても「第六章 聖都イェルサレム」です。女性の塩野が攻城戦をきちんと描く。ここらは、防衛省の人の本音を聞いてみたいところですが、私には見事だと思います。随所に掲げられる地図もいい。これに『絵で見る』の絵がついていたら、文句なしじゃないのかなんて思ったりします。そしてますます『ロード・オブ・ザ・リング』を思うわけです。最期に目次を写しておきましょう。

第一章 「神がそれを望んでおられる」
 「カノッサの屈辱」  聖戦への呼びかけ ほか
 
第二章 まずはコンスタンティノープルへ
 「貧民十字軍」の運命  諸侯、次々と到着 ほか

第三章 アンティオキアへの長き道のり
 「フランク人」  ニケーア攻略  ドリレウムの戦闘 ほか

第四章 アンティオキアの攻防
 イスラム・シリアの領主たち  十字軍の到着と布陣  食の欠乏 ほか

第五章 イェルサレムへの道
 シリアからパレスティーナへ  「火の試練」 ほか

第六章 聖都イェルサレム
 聖都をめぐる攻防  水の欠乏  攻城用の塔 ほか

第七章 十字軍国家の成立
 ボードワン、イェルサレム王に  十字軍の若き世代 ほか

図版出典一覧

最後になりましたが、装画はベッペ・ルビーニ、装幀は新潮社装幀室。うーん、絵は全てドレの版画でもよかったのに・・・

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紙の本絵で見る十字軍物語

2024/04/01 19:59

貴重な資料と解説

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:バベル - この投稿者のレビュー一覧を見る

十字軍の遠征や戦いに関する資料は決して多くなく、この様に絵として残っていて、それぞれに解説があると、その当時のことに対して理解が深められる。

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紙の本絵で見る十字軍物語

2022/04/03 03:40

圧倒される絵の連続

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る

なにしろ、ギュスターヴ・ドレによる絵を
堪能したくて手にした本です。

文章の方にはさほど期待もせず、
挿絵ならぬ、「挿し文」として読んでいました。

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十字軍物語 第四巻

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:渡り鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る

第六次から第八次十字軍。約200年続いた十字軍運動が終息する。最後は十字軍の大敗に終わる。この200年は何だったのかとの事である。十字軍のその後も記載されており、非常に興味深い。特にテンプル騎士団。ダヴィンチ・コードでも登場したテンプル騎士団が第二巻の設立の背景の説明あり、以後のテンプル騎士団の活躍も継続的に記載されているが最後はあまりにも悲惨。当時のローマ法王やフランス王のルイのエゴには閉口。テンプル騎士団の最後を読むだけでもこの本の価値がある。
 全4巻を通じての感想は、やはり日本人には、一神教の価値観が理解出来ないと言う事。非常に感情移入しづらいが、価値観が理解できない故に新鮮。読み応えのある本である。

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十字軍物語 第一巻

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:渡り鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る

世の中にありそうでなさそうな十字軍の本だったので塩野七生著のこの本を読んだ。まずは、第一巻を読んだ感想。面白い。カノッサの屈辱の話を始め中世の歴史の名シーンが続々と。皇帝がローマ法王に破門を解くために大雪の日に土下座して許しを乞うシーンが目に焼きつていたカノッサの屈辱だが、後日談として、皇帝の大逆襲が。皇帝が法王を虐め、結局、十字軍の遠因の一つになっており興味深い。反目し合ったキリスト教社会が小異をすて、キリスト世界に浸食の激しいイスラム世界を駆逐して聖地エルサレムを奪回しようとの大きな宗教的運動。
 世界史で著名な有名人からこの物語で初めて知る人物が星の数の如くいて、結構、複雑に絡みあって、大変面白い。第一巻は、十字軍結成にいたる歴史的な背景から、十字軍の派遣、第一次十字軍の成功まで。余程の歴史好きでも恐らく8割以上は初めて聞く人物の多数が登場。名前も似たり寄ったりで、先を進むうちに『こいつは誰や』との事で数ページ前に戻る。登場人物が頭の中で整理できるまでは、読み続けるのが結構、シンドイ!
 ただ、多数いる英雄やショーモナイ輩が織りなす物語が結構、面白い。例えば、ここに出てくるビザンツ帝国のオレクシオス皇帝。オレクシオス皇帝がイスラムの脅威に耐えきれなく、キリスト勢にHelpをして十字軍が始まるが、このオレクシオス皇帝がショーモナイ!こんな奴が現代にいれば、間違いなく友達になりたくたい。凄いヤツとショーモナイ奴が入り乱れての戦乱記。

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紙の本十字軍物語 3

2012/06/14 04:31

塩野先生は中東はお嫌い?

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たぬき - この投稿者のレビュー一覧を見る

「ローマ人の物語」を初めに読んで、毎年楽しみに拝読させて戴いた以来すっかりはまり、「我が友マキアヴェッリ」「三都物語」等々、以前の著作も楽しませてもらいました。塩野先生が書かれるイタリア関連の著作には、根本には愛(執着と言った方が正しいのかも知れません)が感じられますが、この本には残念ながら、と言うことです。塩野節は相変わらずなので、そこは安心して読めます。

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紙の本十字軍物語 1

2010/10/30 15:04

ある国の現状が思い起こされる

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 塩野七生待望の最新作のテーマは十字軍。中世ヨーロッパの主人公である騎士が、聖都イェルサレムをイスラムの支配からキリスト教徒の手に取り戻すべく、結成された軍隊の物語である。
 この第1巻では、教皇ウルバヌス2世によるクレルモン宗教会議の召集から、西ヨーロッパ各地の諸侯による第1回十字軍のイェルサレム攻略までの過程が描かれる。互いの利害や野心から反目しあう諸侯たちは、最初から足並みも揃わない状態であったが、それでも共通の目的のために重要な場面では一致団結をしてイスラム教徒を次々と打ち負かし、出発から3年後の1099年、ついに聖地奪還を果たす。
 律儀で温厚な性格から、騎士たちの間で自然と総大将と目されてゆくドイツ人諸侯ゴドフロア。その弟で知略に長けたボードワン。宗教的情熱よりも領土獲得に野望を燃やすクールなイタリアの伊達男ボエモンドとその甥でやはり知略に長けた若武者タンクレディ。諸侯としての地位・資力・兵力では他の諸侯を圧倒しながらも、人望がなく、やることなすこと喜劇的な失敗に終わる南フランス出身のサン・ジル。それぞれ個性的で魅力的なキャラクターが甲冑に身を固め、あり余るパワーを傾けてイスラム教徒を次々とけちらしていくさまは、男のロマンにあふれ、さながら『三国志』でも読むようである。
 だが、『三国志』において、漢王室の再興を義とみるかぎりにおいて、劉備や孔明が正義の味方、曹操が悪役となるのと同様、十字軍の騎士たちも、中世のキリスト教の立場から見て、正義の味方となるにすぎない。十字軍の決定自体、教皇がカトリック教会の権威向上のために選んだ手段であったし、また実際にはキリスト教徒への迫害もなく、それなりに治安も守られていた小アジア、パレスティナへ十字軍を送り出すことは、現地住民にとって迷惑以外のなにものでもなかったろう。十字軍が、目的地までの途上、さまざまな略奪、破壊行為を行っただけでなく、聖都陥落の際、都市の片隅に隠れていた女子供までも皆殺しにした事実は決して無視できない歴史の真実である。塩野は皮肉まじりのコメントを加えている。
 「(殺戮の翌日は)聖墳墓教会の中で、感謝の祈りを捧げることだけで終わった。異教徒と見れば見境なく殺したと同じ人が、その日は祭壇の前に泣きながらひざまずいていた。」
 第1回十字軍成功の要因は、役者ぞろいの従軍諸侯の活躍もあったが、それ以上にイスラム側の防衛体制の脆弱さが大きかったようである。しかし、イスラム教徒もいつまでも手をこまねいて見ていたわけではない。名将サラディンもやがて大きな敵として彼らの前に立ちふさがることになる。このあと刊行予定の2、3巻ではそんな十字軍没落の道のりが描かれるだろうが、本書の終わりでも、イスラム側の逆襲の様子はうかがえる。
 自分と対立する巨大な勢力圏にいきなり飛び込んで行って、小さな一画にせよそこで強引に国を作れば、その後それを維持してゆくことがいかに困難かは容易に想像がつく。本書を読んで、十字軍と同じ場所に、ほぼ同じ理由と方法で建てられた現代のある国家のことを思わずにいられなかった。原住民や周辺の民族に顧慮することなく、自らの民族国家を強引に建設したことは、何十年にも及ぶ戦争と流血の事態を生み、現在もその国では紛争が絶えない。キリスト教、イスラム教、ユダヤ教―三つの宗教の聖地イェルサレムは、今もなお自らの神を絶対と信じる者たちが戦いをくりひろげる場所であるといえるのかもしれない。

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紙の本十字軍物語 2

2011/05/29 13:48

これぞ騎士道精神!

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 第一次十字軍により聖地に建てたイェルサレム王国は、恒常的な兵力不足のもと、周囲のイスラム勢力から、いかに王国を守るかという問題に直面する。『十字軍物語』第2巻では、守勢に入った十字軍国家が奮闘しつつも、結局はイスラム教徒に敗れ、サラディンのアイユーブ朝によりイェルサレムを奪われる1187年までの様子が描かれる。
 本書には数々の魅力的な人物が登場するが、中でも印象的なのが、イスラム側の英雄サラディン、そしてイェルサレム王国を最後まで守ったキリスト教徒の武将バリアーノ・イベリンである。敵同士の彼らが交わした一連のやりとりは、人間の偉大さ、魂の気高さというものが宗教とは関係がないこと、またそのような者同士は宗教や信条の違いを乗り越えて理解しあえるということの証しである。
 イェルサレムがサラディン軍に囲まれた時、ティロスという都市にいたイベリンは、敵将であるサラディンに手紙を書き、自分の妻と子どもを連れ出すために、イェルサレムまでの往復の通行許可を与えてほしいと頼む。驚いたことに、サラディンはこのあつかましい要求に許可をあたえる。かつて自らが敗北を喫した戦いで、勇猛果敢に戦ったこの武将に対する敬意の表れと、作者の塩野は想像するが、彼らの仰天のやりとりはその後も続く。
 イェルサレムに入り、恐怖におののいている市民を見たイベリンは、彼らを残して去ることができなくなった。しかし、妻子を連れてすぐに当地を去るというサラディンとの男の約束を破るわけにはいかない。そこで、ふたたびサラディンに手紙を書き、自分だけ残ってここで戦うことを許可してくれるよう頼む。サラディンは、それを認めただけでなく、イベリンの妻子を無事送り届けることまで実行する。
 その後、城砦でイスラム軍と戦い続けたイベリンであるが、いよいよ陥落が免れないという段階になって彼は、サラディンとの和平会談を要求し、サラディンも応じる。イベリンは、開城には応じるが、その条件として現在彼らが保有している資金のすべてと引き換えに城内のキリスト教徒をみな逃がしてほしいと懇願する。さらに、それでも足りない分については、イベリン個人の財産をすべてつぎ込んでもかまわないと言った。私財をなげうってでも同胞を助けようという魂のけだかさに打たれたサラディンは、イベリンとの和平に応じ、イェルサレムの無血開城は成立した。サラディンは、キリスト教徒には手出しをさせなかったという。
 これら一連の逸話には、宗教はちがえど同じ武人として互いに認め合い信義を守ろうとする男たちの姿がある。無用な血を流さず、平和裏にイェルサレムが開城されたのも、サラディンとイベリンのけだかい精神のおかげであった。塩野は、サラディンがイベリンのイェルサレム駐留を認めた記述の後にこう記している。
 ―サラディンは、このように紳士的に振舞ったおかげで、容易に陥ちるはずだったイェルサレムが容易には陥ちなくなってしまうのである。とはいえ、中世という時代の「文化」である騎士道精神は、宗教のちがいには関係なく発揮されることもあった、ということを示している。―
 人は中世を暗黒時代と呼ぶ。しかし、この中世という時代こそが、名誉を重んじ、恥を嫌う騎士道精神を生んだ。それは日本の武士道についても同様であるが、イスラム文化もしかり。民族、宗教、文化を超えた騎士道精神に人間の普遍的価値をかいま見てはっとさせられた、そんな一冊であった。

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紙の本十字軍物語 3

2011/12/25 14:45

クリスマスに思う、宗教的寛容について

6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 『十字軍物語』完結篇の本巻では、英国王リチャード1世に率いられた第三次十字軍による聖都奪還から描かれる。
 リチャードの果敢な戦いぶりには敵方のイスラム教徒さえも舌を巻き、彼らはこの勇猛な王を「獅子心王」と名づけた。かつてその武勇と知略とでイェルサレムを陥落させたアユーブ朝のスルタン、サラディンもほとほと手を焼き、ついにイェルサレムにおけるキリスト教巡礼者の安全を保証することで講和にもちこむ。その後、サラディンの弟アラディールによって二人の結んだ協定は更新されつづけ、四半世紀ものあいだ巡礼者の安全は守られた。
 巡礼者の安全を確保するのが目的の十字軍であるから、これは大きな前進にはちがいなかった。しかし、イスラム教徒と講和を結ぶこと自体が許せないヨーロッパのキリスト教徒、ことにローマ法王のインノケンティウス3世は、イェルサレムの奪還に固執し、第四次十字軍が送りだされる。だがこれは、法王の意図に反して、ビザンティン帝国を滅ぼし、ラテン帝国を建てただけで終わる。やはり宗教的憎悪にかたまった法王代理ペラーヨに率いられた第五次十字軍も失敗に終わる。
 そして第六次十字軍を率いたのが、ドイツ皇帝フリードリッヒであった。シチリア王でもあった彼は、イスラム教徒の行きかう環境で育ち、アラビア語も自由にあやつる、他宗教に対する理解と寛容とを兼ね備えた人物であった。同時に彼は大規模な船団と大量の武器をもって相手を威圧する術も心得ていた。対するイスラムのスルタン、アル・カミールはアラディールの息子で、少年時代リチャードとの講和に父と同席し、リチャードから騎士に叙され、剣をもらったという思い出をもっていた。そんな宗教的偏見とは無関係の二人は互いに通ずるものがあったのか、両者は一戦も交えることなく、イェルサレムをキリスト教徒側に渡すことで講和を成立させる。その後ふたたび15年の平和が訪れる。
 ところが、血を流さずに講和をしたことで、今回もローマ教会の怒りを買う。彼らは、イェルサレムがふたたびイスラム教徒に占拠されたのを機に、第七次十字軍を派遣する。率いるはフランス王ルイ9世。しかし彼は大敗北を喫し、「二万五千はいたと思われる軍勢の中で、帰国できたのは5千人から多く見ても七千。八千が改宗したりしてイスラム社会に溶解し、おそらくは1万以上が殺されたり病死した」。ローマ教会は、自身の無能により膨大な数のキリスト教徒を死に追いやったこの王を、聖人の列に加えた。
 その11年後、キリスト教徒最後の砦アッコンがマメルーク朝によって陥落する。そこから逃れフランスにわたった聖堂騎士団をまっていた運命も悲惨であった。十字軍とのかかわりを嫌う王フィリップ4世が騎士団の罪をでっち上げ、彼らを宗教裁判にかけたのだ。多くは拷問で命を落とし、団長も最後は火あぶりにあって死ぬ。
 本書においては、一方で中世キリスト教会の不寛容さが、それに対して、もう一方では現地で剣を交えるキリスト教徒とイスラム教徒のあいだに生まれた、宗教をこえた尊敬と思いやりが、あざやかな対比をもって語られている。結局、聖地に平和をもたらしたのは、戦う者同士が到達した寛容の心であり、宗教に関係なく経済的利益を求める現地人の人間としての自然な欲求であった。
 教養の意味についても考えさせられる。サラディンとその一族、あるいはリチャードやフリードリッヒは生まれが高貴なこともあり、高い教養を備えていた。塩野も述べているように、教養は彼らの宗教的寛容を育むのに寄与した。奴隷上がりのマメルーク朝の指導者は無教養ゆえの不寛容さでキリスト教徒を殺戮した。一方、ローマ法王のような知識をきわめた者でさえ不寛容となりうる。無知は確かに人を不寛容へと導くが、教養も使い方によっては同じ結果をもたらすものなのだろう。

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紙の本十字軍物語 2

2011/03/25 19:55

塩野七生はやっぱりすごい

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:グリーンドルフィン - この投稿者のレビュー一覧を見る

あの大作『ローマ人の物語』のあとどうするんだろうと思っていましたが(笑)、やっぱり塩野七生はすごいですね。キリスト教圏とイスラム教圏の今日に至る対立の根の深さがこのシリーズを読みとよくわかります。今回はイスラムの勝ち。ですが、だんだん目的を超えて、戦いのための戦いにはまっていく様子が何だかこわい。そして戦いの陰で損得勘定をする奴ら。現在の国際情勢のことを考えながら読むと面白さ倍増です。

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