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雪原の月影 みんなのレビュー

  • 月夜, 稲荷家房之介
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みんなのレビュー18件

みんなの評価4.7

評価内訳

  • 星 5 (13件)
  • 星 4 (4件)
  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
13 件中 1 件~ 13 件を表示

紙の本雪原の月影 三日月

2021/09/29 18:18

WEB発 伝説の長編の刊行 最高に面白いです

11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あまりりす - この投稿者のレビュー一覧を見る

WEBで発表されていた長編ファンタジーBLです。

次の国王となるべく皇太子として育てられていたエルンストが、老人になっても子どものままで成長を止めるという病の為にその皇太子の位を廃され、皇太子宮を去らねばならないところから始まります。
この国では厳格な規律ーすなわち皇太子は男女とはず第一子である事、生まれ落ちたその瞬間から次代の王としての教育が始まる。帝王学は幼子でなければ身につかないと考えられているため、仮に皇太子が亡くなった場合は王の中で一番年少の子が継ぐ。
この国にはクルベール病という子どもの姿のまま成長を止める病があり、命には別状ないものの王として次代を残さないエルンストはなので皇太子を廃される事になる。

王と皇太子以外は宮を出て貴族として国内のどこかの領地を治めなければならないのに、歴史上初めて皇太子の位を廃されたエルンストが与えられた領地は国内でも辺境の貧しい国でした。
そこでその領民を少しでも豊かにしようとエルンストが奮闘するお話です。
エルンストは帝王学を学んできているのでどんな時でも冷静で自分の立場を考慮して手を尽くして尽力します。

あまり感情を揺さぶられないはずのエルンストがしかし、皇太子宮の湯殿に居た下男を辺境の地で見つけた時はなぜ?と心がざわつきます。



このお話はその下男であった男を伴侶にし、貧しい領地のあらゆる困難を少しずつ解消に近づけ、少しでも自分の治める領民たちが暮らしやすいようにと尽力するエルンストのお話であるのですが、
とにかく、地の文がそのエルンストの冷静さを現すように淡々と粛々と綴られていくのです。
それが逆にこの作品に重みを与えてる気がします。エルンストの賢さ、優しさ、慈悲深さなど彼が王として国を治めたらどれほどの国民達の益になったのか、貧し過ぎる領地を少しずつなんとかしていこうとするその姿がとてもいいです。

BLですので男性と男性の絡みももちろんありますけれど、またこのような皇太子の位を廃されるという微妙な立場のお話なので、だからこそ伴侶が男性である、それもこのお話に必要であると考えさせられるそんな作品です。
自分に仕える者達のために常に冷静であろうとするエルンストがこと、この伴侶ガンチェの事になると激情が溢れ、時には我が儘に時には凛気を起こしたり、自信を無くしたりするところが可愛いです。

また、ファンタジーなのでその世界観や人種設定などがそれはそれは細かくきっちり設定されていて、その独創性もとても素晴らしいです。

後半は10月に刊行されます。ぜひ皆様に読んでいただきたい作品です。

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紙の本雪原の月影 満月

2022/01/10 05:42

号泣(切なくて愛おしい)

8人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る

ネタバレあり

雪原の月影三日月の続編なのでそちらから読んでください。

成長しない病のクルベール病にかかって皇太子を廃嫡され
僻地(最貧の地)の領主となったエルンストと
その彼を慕って追ってきて伴侶になったガンチェ
種族も寿命も違う二人の話。
でも、作品自体は色恋がメインというわけでもない

上弦の月
前巻に引き続き、エルンストと王都の関係の決着
エルンストががしがし政治的手腕を見せつけてくれます。
その部分の面白さとともに
この国の王族の有り様はすごいなぁと。
王族は二人しかいない(王様と皇太子)
それ以外は単なる貴族であると。
なので半血とはいえ兄弟なのに関係は希薄
(兄弟としての何かしらはないに等しい)
その中でトリ公爵だけは鬱屈を抱えているのがまた際立つ
(その鬱屈具合はこちらの世界では理解しやすい)
その上で、王と元皇太子の間に何もない(親子としての情とかない)のが
また際立つのだ。
エルンスト側にもそこらへんの情がないのが伝わってくる。
前巻で語った王族の閨事の作法を思うと致し方ないのかなぁと。
だからこそエルンストが皇太子を廃嫡されて
ガンチェに出会えたことを喜ばしく思える。
(国にしては優秀な王を失ったわけだけど)

下弦の月
時が過ぎ、メルセンはまだまだ途上ながらも発展しつつあり
懸念のリュスク国が攻めてくる事態に。
その間にグルート国へガンチェを送り出したり
(ここは実は最後の満月で深い意味を持ってくるのがまたすごい)
二人で旅したり。
その後の賭けのシーンとかも好き
(全体的にエルンストがずっと閨事に対する恥じらいとかがなく
周囲に包み隠さないあたりが可愛い)
物語はシリアスに進んでいくのだけれど、
周囲の者たちとの関係の描かれかたが温かくて優しい。
(加えてガンチェとの関係はずっと甘い)
リュスク国を深謀遠慮の末退けながら、
後顧の憂いに備えるための準備をする。
施政に終わりはなく、エルンストは目の前にある仕事をし続ける。
ラストのまでの数ページ涙があふれてくる。
決して覆らない種族の寿命の差
30歳も年若い伴侶を先に失うことを思うエルンストの思いが切ない。
乳液をガンチェに塗るシーンや
愛し合うときはいつもなんだか可愛らしいのもとても心に染みます。

からのガンチェの満月・エルンストの満月
この物語はここにしかたどりつかないとわかっていながら
涙が止まらない。
悲しく痛く切なくそして愛おしい。
これを読んでから、
表紙のガンチェの赤い鎧を見てその意味に号泣。
下弦の月で終わりにしても差し支えないかもしれない物語だけれど
やはりこの満月があってこその二人の物語なのだと思う。
泣こうが叫ぼうがこの終焉は見ないではいられません。
そして何度読んでも涙が出ないこともありません。

他に関係者との別れの書き方もさらりとしながらも
印象深く描かれていて秀逸だなと思う。

語っても語りきれないものがありますが
前巻の三日月とこの満月の二冊は
今後何度も読み返して泣くだろうと
それに耐えうる作品だと思っています。
とても大事な本になりました。

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電子書籍雪原の月影 満月【イラスト入り】

2022/01/04 23:05

感無量

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:なつゆき - この投稿者のレビュー一覧を見る

何度読んでも同じところで笑い同じところで泣いてしまう。そして読み終わったと同時にまた読みたくなる。
聡明なエルンストがガンチェのことになると駄々っ子のようになり、大男で武骨なガンチェを可愛いという。
今まで読んだ中で一番愛し合い幸せな二人の話だった。

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シリーズ1

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Sota - この投稿者のレビュー一覧を見る

面白い!
エルンストの、政治手腕の素晴らしさと、色恋ごとの初さの落差が、なんとも絶妙です。
色恋も面白いですが、エルンストの交渉術は、読み応えがあります。
続きが楽しみです!

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紙の本雪原の月影 三日月

2021/12/25 05:48

雪原にて

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る

ネタバレあり

旧版未読、Web版も未読です。
表紙とタイトルをみたとたん読まねばと思った本
読んだ今はその予感が正しかったと認識しております。

成長しない病のクルベール病にかかって皇太子を廃嫡され僻地の領主となったエルンストと
その彼を慕って追ってきたガンチェ
まずはこの二人が伴侶になるところ。
この二人戦闘種族の大男と病のために少年の姿のままのエルンストの体格差
だけでなく、種族も違えば身分も違う
そこを乗り越えるためのアイテムが「体液適合者」という・・・
「運命の番」と似たある意味伝家の宝刀みたいな感じではありますが
そこは色々な不具合を乗り越える(主に体格差)ためには必要かと。
しかも見た目と違い年齢差が逆転している。
まあ、この二人は早々伴侶となり、その後連れ添っていくのだが
そこが物語のすべてではないところがこの作品の魅力

最初の浴場のシーンが秀逸
皇太子を廃嫡され、周囲の人々からも今までのことをなかったように対応されても
(食事すらないこともあるという悲惨さ)
皇太子を廃嫡されメイセンまでの旅程
皇太子という殻からエルンストという人間が生まれてくるのを見るような流れです。

国内で最も貧しい領地メイセンの領主としてのエルンストのあり方が秀逸
(世界の情勢・風土の描き方も秀逸で違和感なく世界を観ることができます)
皇太子として為政者たるべき教育を受けて
さらに知識の吸収と思索の深さを身につけているエルンスト
現状と未来を俯瞰して観ることのできる目を持ち
未来を切り開こうとする力を持っている。
(エルンストは夢見ると表現しているのだが、
それを実現しようとしているのだ)
その物語がまた秀逸なのです。

皇太子の身分を剥奪された時の皇太子宮の人々の扱い
メイセンまでの道のり
メイセンの村々の人々との関係
元老院の人々の対峙
病の原因と彼を取り巻く色々
皇太子としての殻から出た彼は色々なことと出会う
エルンストが外では冷静沈着な揺るがない姿を見せながら
内面の葛藤や挫けそうな有様をガンチェを通して見せてくれる
閑の章が挟み込まれている物語構成も奥行きの深さを感じさせます。

為政者たるべきエルンストはかなり優秀なんですが
恋とか愛とか性愛とかにはかなり真っ白状態(まさに雪原!)
60年生きていて王宮での特殊な所作しか知らない
ましてや恋とかなんてまったく知らない状態なのである。
で、それらを知ろうとして図書室の怪しい本を探索したりするのがまた愛らしい。
まあ、本と最良の伴侶ガンチェとのことしか知らない上に
王宮育ちですのでそういうことに対しての羞恥はまったく持ち合わせていないのである。
なのでタージェスとの会話がまた秀逸です。
そして、大男と少年の風体ですけれど、
実はエルンストの方が年上でガンチェを甘やかしたりするシーンは萌えます。
逆転現象的な二人の関係はとても満ち足りてはいるのですが
まったくの幸せしかない状態ではないのがちょっとはらはらします。
(種族の違いは寿命が違いということも確定的にあるのだ)
国(いや領地)の行方と二人の行方は気になるところです。

タージェスがメイセンに(エルンストの下に)いる理由もまた良い。
「余は恵まれた籠の中の鳥である。」
と先代王がタージェスに語った言葉。
そして、エルンストは籠から放たれた鳥なのだ。
彼がこれから羽ばたく様子を追っかけていきたいと思います

余談ですが失敗したなぁって思ったのは
続刊の満月が届く前に読み始めてしまったことです。
手元に届いてから読むのだったーって絶叫しました。

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電子書籍雪原の月影 満月【イラスト入り】

2023/01/25 00:06

完結巻!、

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Sota - この投稿者のレビュー一覧を見る

エルンストの暗殺計画者を手玉に取る交渉術は、痛快でした。
そして、クライマックスとも言えるリュクス国との対決は読み応え充分でしたし、ラストは、涙なしでは読めませんでした。
本当に素晴らしい作品です。
著者の次作が待ちきれないです。

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電子書籍雪原の月影 満月【イラスト入り】

2023/01/05 18:22

良い本に出会えました!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:こゆき - この投稿者のレビュー一覧を見る

愛に溢れた物語、生き方のアドバイスを頂けたような…とっても感動しました!この本に出会えて良かった!
外伝ででも、またこの登場人物達に出会えたなら、さらに幸せです!
お勧めですっ!

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電子書籍雪原の月影 満月【イラスト入り】

2022/08/15 10:18

伴侶って素晴らしい

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:おはな - この投稿者のレビュー一覧を見る

1作目は閑話が続いていましたが、2作目はストーリーが繋がっていて、一気読みしました。
手に汗握る血生臭いシーンもありますが、エルンストはもちろん、仲間も優秀で生き延びます。
ガンチェとは人種の違いから寿命問題があり、都合の良いことは起きません。
自分の死後もエルンストを守り、迎えにくると約束する伴侶の存在が素晴らしかったです。
イラストも内容に合っていて最高でした。

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「月明かりのように真っ直ぐ、優しい光で行くべき道を指し示す」

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:おはな - この投稿者のレビュー一覧を見る

値段に見合った素晴らしいボリュームです。
エルンストは60歳でありながら身体は少年のまま成長が止まる病気で、王太子の位を剥奪されます。辺境の貧しい地の領主となりますが、王太子として教育を受けていたので、その才覚で領地を豊かにしようと努めます。
領地へ行くまでがハラハラドキドキだったので、こういうシーンの連続かと覚悟しましたが、領地についてからは恋の話でした。ガンチェに好きだと言われ、返報性の原理なのか結婚します。伴侶を得て心強くなり、政治的な戦いを始めます。
タージェスと前国王の話がとても素敵でした。
2冊目読むのが楽しみです。

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電子書籍雪原の月影 満月【イラスト入り】

2022/01/31 12:33

完結

3人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:にゃお - この投稿者のレビュー一覧を見る

政治のこととかもそうですが最後ガンチェが死んだ時もう涙が止まりませんでした。
にしてもタージェスとかティスが亡くなったって言うのが書かれたのが描写少なかったですが、それが違和感なく読みやすかったです。
エルンストが一人残されてどんどん周りの人がなくなっていくのは悲しかったやろうなと心痛くなりあした。

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1巻

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:にゃお - この投稿者のレビュー一覧を見る

思った以上に内容が深いです。
もちろんくっついてからはイチャイチャ激しいんですがそれ以上に領をよくしようと色々施策してるのがよくわかりますし、そう言う部分も面白いです。

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電子書籍雪原の月影 満月【イラスト入り】

2022/01/20 22:14

読み終えるのがこれほど惜しいとは!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ミント - この投稿者のレビュー一覧を見る

こんなに読んでいて楽しい小説は久しぶりでした。丁寧に大切に書かれているので、こちらも丁寧に心して読み進めました。最後の方は家で読むことに決めていました、泣いてしまうと思ったから。あー読み終わってしまった。たくさん泣きました。また、この物語に戻って来たいです。

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運命の伴侶

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:なつゆき - この投稿者のレビュー一覧を見る

webでは何度も繰り返し読んだ大好きなお話。
皇太子エルンストは少年の姿のまま変化のない奇病に侵され、皇太子を廃され貧しいへき地の領主に任じられ、体液適合者で伴侶である元下男のガンチェと共に貧しい領地の改革に立ち向かうのだ。
元傭兵で戦闘民族のガンチェは有能で、へき地においてスパダリと言えるだろう。
ふたりのS○Xシーンが何度もあるが全然いやらしく感じない。愛し合うことを恥としないエルンストの堂々とした態度は至極好感が持てて素敵だ。

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