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藤原道長 「御堂関白記」 みんなのレビュー

  • 倉本 一宏
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みんなのレビュー6件

みんなの評価4.4

評価内訳

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6 件中 1 件~ 6 件を表示

藤原道長「御堂関白記」 全現代語訳 下

2009/10/23 17:01

1000年前のブログを読むには

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:うみひこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この書評を下巻から書きおこそうと思ったのは、
この下巻の「おわりに」にまず注目してもらいたいからだ。
この日記の面白い読みどころが、
実に平明な学者臭くない文章で書いてある。
成る程、そこに注目して読めば、
この日記が、ますます面白くなるな、
と思わせるものが、いくつもある。

例えば、「文字について」
各巻の冒頭に、自筆本の写真が載っているのだが、
確かに道長の字は汚い。
おまけに黒々と墨で消してあったりする。
じゃあ、本当にこの国第一の権勢を誇った人が悪筆だったのかというと、
それは、人に見せないつもりの日記だからであって、
寺に奉納した教典の文字は達筆だったという。
そう知ると、この日記が、記録としての半ば公式な日記ではなく、
個人的な日記だったのだということが納得できて、興味が引かれる。
そして、ますます、この文字から、
道長の人柄がのぞけてきそうな気もしてくる。

そんなふうに、この日記の特徴を書いてある
この「おわりに」を読んでいくと、
道長という人への興味がどんどん湧いてくる。
例えば、「記されなかった記事について1」等を読んでいると、
記されなかった一条帝の言葉を色々推理したくて溜まらなくなる。
また、「物の怪」の記されているのは
ただ二カ所だけなのだという指摘もある。
怖いことについて、書くのを避けていたらしいという。
そんな物の怪についての記述のあり場所を探してみる。
そんなふうに、この日記から
自分なりの何かを見つけ出していくのも
面白いだろう。

 けれども、ある日、友人に、
「一巻を買ってそのままにしてある。
 この日記は小説ではないから読みにくい」
と、言われた。
確かに、貴族の日常が
毎日素っ気ない文章で書かれているだけ
と思えば、つまらないかもしれない。
でも、日本史の中ではダントツの有名人、
あの道長さんがブログを書いたと思えば、面白さは抜群だと思う。
何せ、身近にいるのも、安倍晴明やら紫式部やらの有名人だらけ。
次から次へ歴史的事件の中で、
面白い日常が発掘されるてくるからだ。

 とにかく、この本は、上中下とも、
用語解説、人物註、年表、地図、
内裏図、土御門第図などが付されていて、
手ぶらで通勤電車の中でも、読める仕組みになっている。
そして、読みながら、
現代の地図にかぶせられた京都の地図を見ていると、
現代とは違う平安京の様子が、
まざまざと目に浮かび上がってくる気がするのだ。

また、先ほども書いたように、
各巻の冒頭に掲載された自筆の文章の写真がある。
上巻の冒頭の、黒々と墨で塗り潰された跡のある
安倍晴明宛の文の写真。
下巻に掲載されている「この世をば」の和歌の写真。
これらを見ると、その時の感情まで、
墨の間から薫ってくるような気がして、惹きつけられる。

 頻繁に書き付けられる天候の様子に、
小学生の時に買ってもらった日記帳にも、
必ず天気の記載欄があったのを思い出す。
農業国日本の歴史なのだろうか。

そして、
「安倍晴明が五竜の祭を奉仕したところ、天の感応があった、
 被物をたまうこととする」
の一文に、朝廷の祭祀的役割の重要性を思わされるのだ。

かと思うと、
夢見が悪かったり、犬が死んだり、
何かというと物忌みで、
内裏に行かない奇妙な貴族の日常も、ここにある。
なんだかんだと、みんな休んで出てこないまま、
会議もできない朝廷の不思議さ。

 袴や馬が山ほど献納されてきて、
それをどこへやったとか、
誰に下賜したとかの記載の多さも気になる。

ここら辺りから、歴史的な何かを発見していくか、
陰陽師の活躍する怪しげな時代への幻想を得るかは、
読み手次第のお楽しみだろう。

ところで、私が一番気になるのは、
「羮次(あつものついで)を奉仕する」の一文だ。
野菜や魚肉を熱く煮た吸い物(鍋料理)の用語解説に、
宮廷で鍋パーティをする貴族たちの映像が、
頭の中で動いてしまって離れないのだ。
鍋奉行はいたのだろうか。
それとも、下手な料亭風に、お給仕が全て取り分けて、
貴族たちは、ただ、食べるだけだったのだろうか。
いや、それならば、
この言葉だけが時たま出てくるのは、おかしいだろう。
やはり、一種の特別な宴会だったのだろう云々と、
想像が次々に膨らんでしまうのだ。

読みどころ満載のこの日記。
とにかく、飽きてきたら、まずは下巻でヒントをもらってから、
読み直してみてはどうだろう。

そして、独自の読み方で、この一〇〇〇年前のブログを
じっくりと、楽しんでみて欲しいのだ。

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藤原道長「御堂関白記」 全現代語訳 上

2020/03/12 09:10

平安時代の中頃に摂関政治で最盛期を迎えた藤原道長による貴族の生活を詳細に描いた日記です!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、平安時代の中頃に藤原道長によって書かれた日記を現代語訳で読み易くした一冊です。藤原道長という人物は、平安時代に摂関政治で行い、その最盛期とも言われる時期を治めたことにより、彼の著した『御堂関白記』には平安の宮廷政治と日常生活の様子、また貴族が活動した世界が非常に詳細に生き生きと描かれています。同書を読まれることで、平安時代の華やかな一時期における貴族の様子がよく分かります。第一級の史料です!

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藤原道長の自筆日記

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る

上中下に分かれた御堂関白記の現代語訳の最後の巻。道長の日記の最後は念仏をいくつ唱えたかで終わっているのが感慨深かった。

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最高権力者としての道長

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る

一条天皇の崩御から三条天皇の即位など重要な場面がたくさん出てくる。三条天皇に道長娘の子に皇子ではなく皇女が生まれるなど三条天皇退位が間近に迫ってる感がある。

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出世の開始から敦成親王誕生まで

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る

藤原道長の日記の現代語訳。上巻では道長が出世街道を登りつめ敦成親王(後一条天皇)が生まれるまでが書かれている。平安貴族の仕事や人付き合いなど日記から垣間見えるのが面白い。

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藤原道長「御堂関白記」 全現代語訳 上

2009/07/03 17:38

とても一〇〇〇年前の人物とは思えません

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る



「この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば」
という歌を詠んだといわれる藤原道長の自伝の現代語訳です。

 こういう手放しの自画自賛を臆面もなくやってのける奴はいったいどういう人物なのかと思って手を出したのですが、なかなか面白い本でした。
 
まず「この世をば」と即興でなぜ詠めたのかといいますと、これは道長が朝はお天道さま、夕べはお月さまを必ず観賞する人間だったからだと断言できます。
彼の日記は必ずお天気メモから始まり、夜の名月や笠置寺参拝の折の流星の記事などまるで天体観測家を思わせるほど。功なり名を遂げ摂関政治の頂点に立った自負を月に例える必然性はその日常生活の習慣からきているといえそうです。

道長は、お天気や彼の日常や身辺で起こった怪異だけでなく、14歳違いの甥の一条天皇との政治的な協調ぶりやちょっとした反発、寺院における法華八講などの盛大な法事や除目の詳細、さまざまな儀式や賀茂祭などの祭典、頻繁に行われた作文会(漢詩を作る)のテーマなどについてもくわしく書き記していて、ちょっと永井荷風の日記に似た関心の広さを示しています。次々に病に侵されるところや、連日のように相撲取りに相撲を取らせて喜んでいるところなど、とても一〇〇〇年前の人物とは思えません。

けれども荷風と違って日記の文章にはいっさい屈折も韜晦もなく、なにをどう述べても単純明快そのものであり、彼の精神がまことに健全で、西欧のルネッサンス時代の知識人のような強靭な知性と晴朗さ持ち合わせていたことを雄弁に物語っています。

面白いのは、当時の皇族や貴族たちは「毎日が物忌デー」といえるほど数々の禁忌に取り囲まれて暮らしていたということです。
たとえば甥の一条天皇が住んでいる内裏では、しょっちゅう犬や鳥、時折は身元不明の人間の死体が発見され、その度に安倍晴明などの陰陽師が呼び出されて占い、その託宣次第でさまざまなリアクションが起こります。いまから1000年目に陰陽師たちがこれほど権力者たちに重用されていたとは驚きです。

それから忘れてはならないのが、藤原道長と紫式部、源氏物語との関係です。
寛弘2年10月1005年の浄妙寺三昧堂の供養における法王・天皇をはじめすべての皇族や貴族百官や高僧たちが居並ぶなかで粛々と繰り広げられた荘重な儀式や読経、楽器の演奏などの華麗なパフォーマンスの数々、あるいはその3年後に一条帝が左大臣道長が住む土御門邸を訪ねるシーンでは、はしなくも紫式部が源氏物語で描写した華やかな式典と権力者たちの栄枯盛衰の無常をまざまざと想起させ、光源氏のモデルに擬せられる道長の存在ともども、いずれが表でいずれが裏か、いずれが真でいずれが虚か、と日記の細部に至るまでつきせぬ興味が湧いてくるのです。


♪ほらほら千年前の巨魁が今日も土御門邸で梅の漢詩を作っているよ道長日記 茫洋

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