ツァラトゥストラは こう言った みんなのレビュー
- ニーチェ (著), 氷上英広 (訳)
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2004/04/04 17:28
叱咤激励の書
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:明けの明星 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本はとてもお勧めできます。私は高校のときにはじめて読み、また最近読みましたが、2回目は1回目とは違った感銘を受けました。より深く理解できたからだけではないと思います。おそらく様々な人に別々の感銘を与える本だと思います。
「ツァラトゥストラ」は叱咤激励の書です(と私は思います)。ニーチェは厳しいことを言いますが、これは頓挫しつつある人すべてを励ます言葉です。この本によって勇気づけられる人がひとりでも多くいてほしいと思います。
ニーチェとはあわない、と言う人もたくさんいるでしょう。確かにニーチェの思想にはいくつもの欠点があります。ただニーチェの見方は新鮮であり、学ぶべきことも多いでしょう。
この本は、良くも悪くもニーチェ哲学のそれまでの総決算であり、以降への橋渡しであると思います。難解な哲学的述語は出てこないので、哲学初心者にも理解できます。そのうえ氷上さんの翻訳はとてもわかりやすく、読みやすいものなので、ぜひとも読んでほしいです。
2020/05/01 10:23
ニーチェの思想が、ツァラトゥストラの口を借りて語られます!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ドイツの哲学者ニーチェの代表作で、岩波文庫からは上下2巻シリーズで刊行されているうちの上巻です。内容は、10年もの歳月を山の中で過ごしたツァラトゥストラが十分に知ることができたと悟り、人々に説教を行うために山を降りて、人々に様々な教えを解いていきます。ニーチェはそれを記述したという設定で論は進められます。美徳を論じる偽善者、プラトン主義や伝統的な形而上学を論じる背面世界の論者、または身体の軽蔑者をツァラトゥストラは批判していきます。そしてツァラトゥストラは、魂を重視するがあまりに肉体を軽蔑する論者に対して、肉体が内包する根本を明らかにしようとします。ツァラトゥストラにとって肉体そのものがひとつの大きな理性であり、精神とは肉体の道具に他ならないからです。さらに、自我の起源、文化、社会、国家、共同体について論じた上で、さまざまな民族がそれぞれ独自の価値観と目標を掲げ、それぞれの勝利のために争ってきたことを確認していきます。彼らは千の目標のために戦ってきたにも関わらず、人類はまだ一つの目標を持つことができていないと説いていくのです。実は、このツァラトゥストラの口から語られるのは、ニーチェの思想そのもので、同書を読まれることでニーチェがもっていた、考えていた思考が垣間見られます。
2020/05/01 10:16
ドイツの哲学者ニーチェによる代表的な作品です!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、1883年から1885年にかけて発表されたドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェの後期思想を代表する著作です。岩波文庫からは上下2巻シリーズで刊行されており、同書はその下巻です。表題となっている「ツァラトゥストラ」とは、ゾロアスター教の開祖の名前であるザラスシュトラ(ゾロアスター)をドイツ語読みしたものです。ただ、同書はゾロアスター教とは全く関係がありません。同書の内容は、山中で10年もの歳月を過ごしたツァラトゥストラが十分に知ることができたと悟り、人々に説教を行うために山を降りようとします。彼は道中で出会った隠遁者との対話で神の死を再認識し、街中で綱渡りを見るために集まった民衆に語りかけ、超人の思想を教えようとしますが失敗に終わります。一方、綱渡りの大道芸は失敗して転落事故が起きます。ツァラトゥストラはその遺体を背負って埋葬しようとし、また弟子を求めるために説教を継続することを決意します。この後、ツァラトゥストラの物語が延々と描かれていきます。同書を読まれることで、ニーチェの思想を垣間見ることができます!
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