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科学技術の軍事利用 みんなのレビュー

  • ヌデ島次郎
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みんなのレビュー2件

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紙の本

歴史を踏まえつつ、民生利用と軍事利用の線引きを紹介

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:巴里倫敦塔 - この投稿者のレビュー一覧を見る

コンピュータやGPSなどはもともと軍用に開発された技術が民生で活用され、ドローンや半導体などは民生での進歩した技術が軍用に転用された。両者の境界はどんどん曖昧になり、デュアルユースが叫ばれる。さらに、ここに来てAIの急進展である。筆者は、科学技術の軍事利用を倫理的にどのように判断すべきか、どのように折り合いをつけるべきかを論じる。歴史的経緯を踏まえつつ、民生利用と軍事利用の線引きの現状を紹介する。
 本書は大きく2つのセクションに分かれる。前半では戦争と科学技術の関係について論じる。古代ギリシアに始まり第1次・第2次世界大戦、米ソ冷戦、湾岸戦争、日本では731部隊などに言及する。後半では科学技術の進展に各国はどのように対処しているかについて具体的事例を紹介する。AI兵器はどこまで許されるか、兵士の心身の強化改造の是非、軍による人体実験の現在と課題を論じる。
 有用なのはフランスと米国の事例。特にフランスの事例は「人権の国」の面目躍如だ。フランスの軍事省防衛倫理委員会が出した「AI兵器の開発」と「兵士の心身強化改造技術の開発」に関する意見書は示唆に富む。例えばAI兵器では、人間の指令や関与なしに敵を識別し、殺傷を伴う攻撃を行う能力を備える「致死性自律兵器システム(LAWS:Lethal Autonomous Weapon System)」を議論の中心とする。致死性自律兵器システムについては、人間の責任という大原則のもと、5つの判定基準を設ける。
 米Googleや米Amazonの従業員がAIの軍事利用に反対しデモを行ったのは記憶に新しい。日本学術会議も、大学が軍事研究に関わることに反対声明を出した。本書が取り上げるポイントは、平時にこそ、時間をかけてきっちり議論すべきだろう。今の時代にお薦めの1冊である。

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紙の本

軍事で解決できる考えで、科学技術が彩られるのか

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投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、生命倫理を研究されてきた方が執筆されたもので、軍事研究をされてきたわけでない。そもそも、科学技術は軍事利用と結びついてきた側面を取り上げる。古代ギリシャの自然哲学から、科学的知識が軍事に反映されたことから、アレクサンドリアの図書館が中世のイスラム科学の発展を支えたのも、軍事目的が含まれていたこと等から始められる。第一次世界大戦から、近代国家の総力戦の中で、科学技術の組織的動員で多くの兵器が誕生し、化学兵器が製造される。目次を見ると、
 第1部 戦争と科学・技術の関わり
 第1章 科学・技術と戦争の結びつきの歴史
 第2章 軍民両用 -科学・技術の戦争と平和
 第2部 軍事科学研究の進展にどう向き合うか -最先端の事例から考える
 第3章 人工知能兵器はどこまで許されるのか
 第4章 兵士の心身の強化改造の是非
 第5章 軍による人体実験の現在と課題
 あとがき -私が軍事の問題を取り上げたわけ
 参照した文献・ウェブサイト      となっている。
 以上のように展開される。本来の学問・研究は基礎研究を始めとする直ぐに結果が出てこないものであり、研究過程や成果は公開されるべきもので、これで世界が発展していくものであろう。ところが、軍事利用に踏み込むと機密保護対象となり、公開されないケースが出てくる。日本の場合、公開していいものすら、秘密にしたがる。中身がない、成果が出ていないからだろうか。本書では、戦後の反省に立ち、学校教育法で大学は、国家のためでなく、社会の発展に寄与すると定め、日本学術会議は戦争を目的とする科学研究は行わないと声明を出したことに触れている。軍民両用という点になると、完全に否定することが出来ないところがある。人を幸福にする研究が、人を殺傷することに使われる矛盾が出てくることがある。今、日本では防衛大綱に基づき、安全保障技術研究推進制度で防衛省が助成する制度があり、2022年に経済安全保障推進法が制定され、国が先端的な重要技術の開発支援制度を創設している。防衛省から全省庁に広げられている。時代的に見て、具体的に考えるべきテーマとなってきた。
 本書では、アメリカやフランスといった国の方針や考え方、内外の批判等が取り上げられているが、日本は制度的に未整備という実情を明らかにしている。なかなか読み込むのは難しいが、そもそも社会的に定見がないことが大きく影響しているだろう。ロシア、中国の動向がないのは、そもそも情報公開されていないことだろうか。また、兵士の改造問題を取り上げているが、自衛官採用の年齢制限が27歳から32歳となり、少子高齢社会を反映している中で、高齢者の改造はテーマになっているのだろうか。国防は若い人に頑張ってもらわないという言説が一気に変化するかもしれない。この分野を取り上げている書籍は少ない。一読してほしい本である。

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