赤狩り THE RED RAT IN HOLLYWOOD みんなのレビュー
- 山本おさむ(著)
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赤狩り 1 THE RED RAT IN HOLLYWOOD (ビッグコミックス)
2018/01/24 03:56
ハリウッドの赤狩り、その人間模様や映画作品も解説する意欲作
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
第二次世界大戦後のハリウッドの赤狩りを描く。
赤狩りは冷戦下アメリカで始まった。第二次大戦では、ナチスドイツに対抗してアメリカとソ連は手を組んだはずだった。しかし、戦争終結後この2大超大国が覇権を争う冷戦期になると2つの大国では思想統制が強まった。アメリカではこうした中、共産主義の排除を目的に赤狩りが始まる。ハリウッドは大衆の耳目を集めるためスケープゴート的に標的にされた。
第1巻目は、その始まりの背景、「アカ」と呼ばれたハリウッドテンの法廷闘争の始まりを主軸に、盗聴など卑劣な方法で情報を収集するFBIなどの動き、ハリウッドテンを代表する脚本家ドルトン・トランボが書いた映画「ローマの休日」などに焦点が当たる。トランボは、赤狩りで映画界から排除され、『ローマの休日』を友人の名前で書く。ローマの休日がトランボ脚本であったことは、トランボの死後に発覚する。これらの経緯は「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」と題して2015年映画化されている。本書では主演の」オードリー・ヘップバーン、ワイラー監督にもスポットライトをあて、「ローマの休日」を重層的に描いているところも読みどころだ。縦軸は赤狩り、横軸は「ローマの休日」「エデンの東」「猿の惑星」の映画作品という構成で話が進んでいくことがイントロからわかる。
「赤狩り」時代に迫るとともに、その人間模様や映画作品も解説する意欲作。
今なぜ、ハリウッドの赤狩りをテーマにしたのか?
私は、やはり作者の問題意識は、赤狩りと同じ状況がアメリカや今の日本に忍び寄っているという認識があったからではないかと推測する。アメリカ国家による盗聴システムがスノーデンによって暴かれた。日本では共謀罪が成立した。北朝鮮の脅威をあおる権力者におもねるマスメディアなどなど。「市民の自由、表現の自由が奪われてはならない」そんなメッセージが聞こえてくる。
赤狩り 1 THE RED RAT IN HOLLYWOOD (ビッグコミックス)
2018/03/13 08:11
リアルで内容が充実している。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:3dayuh - この投稿者のレビュー一覧を見る
非米活動委員会の目的は、国益を守ることであった筈であるが、当時のソ連に対抗しようとして、思想・表現の自由を弾圧したので、国益がそのまま国民の利益であるとはいえないことが分かる。
FBIも、スパイ活動、盗聴器設置、脅し等によって、ハリウッドを画一化された映画作りに追い込んでいくので、結局、アメリカをソ連等と同様の国家に堕落せしめてしまった。
オードリー・ヘップバーンが、後年、ユニセフ親善大使になったのは、ナチスによる虐殺を目の当たりにしたり、栄養失調を経験したことから想像できる。
戦時中の日本もそうだったが、資本主義、社会主義、あるいは封建主義等を問わず、一部の人たちの利益を追求しようとすると、全体主義に陥る危険があるが、教条主義では創造力を発揮できない。
本作品は、一部、目が小さすぎたりして顔が少し怖い(劇画にも限界を感じる)が、リアルで内容が充実している。
赤狩り 7 THE RED RAT IN HOLLYWOOD (ビッグコミックス)
2023/05/25 16:49
毎号毎号
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投稿者:玉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
毎号毎号、スリリングな展開ばかりで、
良い映画を見ている気分になれます。
今号でも、スパルタクスという有名な映画がつくられていく過程にひきこまれました。
お子さんの、おとうさんを信じての成長にも拍手をおくりたいです。
赤狩り 6 THE RED RAT IN HOLLYWOOD (ビッグコミックス)
2023/04/26 22:07
今号もたくさん考えさせられました。
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:玉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
商品解説は以下の通り
ドルトン・トランボのように自身を貫く人間だけでなく、
エリア・カザンのように仲間を裏切らざるをえなかった人間も
きっちり描写するのが本作の凄味です。
山本氏の著者註におけるエリア・カザンの心理分析も
実証主義的で大変面白いので、ぜひご一読ください。
言い尽くされています。
日本人の同調圧力も大変なものですが、
赤狩り当時の、アメリカの気風は、ひどい。
人間てこわいですね。
赤狩り 5 THE RED RAT IN HOLLYWOOD (ビッグコミックス)
2022/05/24 21:48
ますます
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投稿者:玉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第1巻から緊張しながら読み進めてきましたが、
この第5巻もすごかった。
世界史の教科書で、赤狩りを大きく取り上げてくれていたこともあって、
知っているつもりだったが、・・・・・・。
著者の説明だと、この第5巻のあたりは、かなりフィクションの要素を強くしているようだが、
それにしても・・・・・・。
気は重くなるが、次巻が楽しみだ。
赤狩り 4 THE RED RAT IN HOLLYWOOD (ビッグコミックス)
2022/01/24 20:01
かなりすごい
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:玉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
かなりすごい。ようやく4巻までたどりつけた。
3巻までもしびれたけれど、
4巻も、あらたなしびれをたくさん感じさせられた。
もし、自分がこの立場だったら、そう考えると苦しくなる。
良心でいきていける自信はない。
これらのかなりが事実。重い。
赤狩り THE RED RAT IN HOLLYWOOD 1
2020/02/21 12:35
とてもいい作品
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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハリウッドにおける赤狩りを描いている作品。共産主義に対する脅威があったのはわかるが、それを制するためにハリウッドの表現者たちを議会の公開裁判にかける。赤狩りはマッカーシーかと思っていたら、この作品はフーバーによるとされる。きっとどっちもやってたんだろう。
当初は国民も強圧的な赤狩りに反発するが、熱狂が終わると手のひらを返すというのも今日の世界に通じる。とてもいい作品。
赤狩り 4 THE RED RAT IN HOLLYWOOD (ビッグコミックス)
2019/03/02 09:03
山本おさむの見事な脚本
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投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
朝鮮半島で、アメリカとソ連・中国が代理戦争を始め、アメリカ国内では、ハリウッドの赤狩りは国内すべてを覆うマッカーシズムとして猛威を振るっていくことになる。本書では科学者ローゼンバーグ夫妻の死刑判決も紹介される。
今回の物語は、収監されたハリウッドテンの一人エドワード・ドミトリクの転向と、それと対比するように、仲間を売ることを拒んで、没落していく老優ジョン・エバンスの物語がメインで進んでいく。
この老優の妻であるニーナは、往年の舞台大女優だが認知症を患っている。妻のニーナが非米活動委員会に召喚され、出頭し声明文を読み上げる件がこの巻のクライマックスだ。
認知症だが「生涯を通じて、私の夫は社会の不条理・不平等・差別・あからさまな搾取・貧困それらを軽減することに力を捧げてきた。彼は共産党員だったが、スパイ活動や破壊活動には一切手を染めたことはない。それが犯罪というのか、皆さんのやっていることの方がよこしまなこと」と演説をぶつ。
この巻の、半ばでは、ハリウッドテンのひとりであるドナルド・トランボが収監された刑務所で出会う黒人の家族の物語が差し挟まれるとともに、ジョンのアメリカでの最後の舞台を見に来たイギリス人に「罪亡き人を陥れ、特定の言論を封殺し、つるし上げ、それが自由の国アメリカのすることか」と演劇を妨害しに来た群衆に語らせる場面を差し挟み、ニーナの演説に説得力を持たせている。
あっぱれな脚本だ。
赤狩り 3 THE RED RAT IN HOLLYWOOD (ビッグコミックス)
2018/12/19 17:44
読み直したい
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投稿者:とも - この投稿者のレビュー一覧を見る
私の頭には複雑だったのか、もう一度最初の巻から読み直したいと思った。
こういう時代がまた来ないように闘うべきところは闘わないといけないと思う。
赤狩り 3 THE RED RAT IN HOLLYWOOD (ビッグコミックス)
2018/10/05 22:14
さらに深まる
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投稿者:玉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1と2を読んで、3が待たれていました。すぐに、一気に読みました。ローマの休日、チャップリン、古い映画なのに、今も世界中で愛されている映画たち。なにかをあげろと言われたら、やっぱりローマの休日かチャップリンでしょう。その時代背景がくっきりと描かれています。そして、2巻にもあったように、事実と創作をきちんと説明してくれています。4が楽しみです。
赤狩り 2 THE RED RAT IN HOLLYWOOD (ビッグコミックス)
2018/09/30 22:52
ローマの休日
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投稿者:玉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ローマの休日ほど、世界中の方から愛されている映画はないでしょうね。何回見ても、すてきです。で、今回、本書を読んで、赤狩りとローマの休日とのかかわりをかなり理解することができましたよ。筆者も、最後に、事実と創作との関係をきちんとまとめてくれています。そのうえで、もう一度、ローマの休日を見ますね。
赤狩り 1 THE RED RAT IN HOLLYWOOD (ビッグコミックス)
2018/09/30 22:49
ぜひ一読を
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投稿者:玉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
赤狩りと言われても若いみなさんはピンとこないでしょうね。でも、おととし、世界史の授業で、高校1年生とともに、チャップリンを中心に赤狩りの時代を学びました。核兵器の開発競争との両輪で、ビキニ事件などとともに、高い関心を持ってくれました。そして、かっこうの本が誕生しました。まずは、読んでください。盗聴合戦みたいなことも、冷戦の汚さも、学ぶことができるでしょう。
赤狩り 3 THE RED RAT IN HOLLYWOOD (ビッグコミックス)
2018/09/30 11:55
映画ローマの休日のクライマックスに秘められたメッセージ「人と人との信頼」は今も普遍だが、この当時の状況を知り、観ると、いっそう感慨深いものがある。
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投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
ローマの休日撮影時のハリウッドレッドパージのクライマックスである。
映画の最後に秘められたメッセージ「人と人との信頼」は今も普遍だが、この当時の状況を知りローマの休日を観ると、いっそう感慨深いものがある。
フィクションを織り交ぜての演出は、毎回のように巻末に解説があり、勉強になる。
本編では、「なぜヒステリックな共産党アレルギーが有ったのか」その一因として、ソ連の原爆開発におけるスパイ事件が明かされる。
トランボが収監される直前に、家族の生活費のために薬漬けになって、B級作品の脚本を徹夜で何本もかいたという記述がある。その作品も観てみたいと思った。
赤狩り 2 THE RED RAT IN HOLLYWOOD (ビッグコミックス)
2018/05/01 18:25
ローマの休日に込められた思いが明らかに
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投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画史上に残る傑作「ローマの休日」。この傑作の制作過程が描かれる二巻。
ハリウッドの赤狩りで、10人が映画界から追放される。その一人、脚本家ドルトン・トランボが、友人イアン・マクレラン・ハンターの名前を使って書いたのが「ローマの休日」だ。1953年のアカデミー賞で脚本のイアン・マクレラン・ハンターが「最優秀原案賞」を受賞。トランボは1976年になくなるが、1993年、「ローマの休日」でハンターが受賞していたアカデミー原案賞が、改めてトランボに贈られることになった。2011年12月19日、米脚本家組合が「ローマの休日」の原案者クレジットをハンターからトランボに変更している。
当時の赤狩りの執拗さを描きながら、「ローマの休日」のメイキングとしても、読ませる。
「ローマの休日」は「或る夜の出来事」を下敷きにしている。アン王女とジョーの別れのシーンのワイラー監督の演出とオードリーのぶつかり合いなど、映画ファンを納得させるものだ。
ただの、ラブコメではないローマの休日。物語に秘められた脚本家の意図が、明らかにされたときに、映画史上の名作の所以が明らかになる。
巻末に「事実」と「フィクション」に関する作者註では、一章ごとにどこが事実で、どこがフィクションかも掲載されていて親切。
山本おさむ氏の演出も開陳されていると言うことだ。
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