天井のない監獄 ガザの声を聴け!
著者 清田明宏
約550万人のパレスチナ難民を支援するUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)。医療・教育・社会福祉をおこない、活動範囲はヨルダン・レバノン・シリア、さらに東エルサレ...
天井のない監獄 ガザの声を聴け!
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商品説明
約550万人のパレスチナ難民を支援するUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)。医療・教育・社会福祉をおこない、活動範囲はヨルダン・レバノン・シリア、さらに東エルサレムを含むヨルダン川西岸とガザのパレスチナ暫定自治区に及ぶ。2018年、米国が在イスラエル大使館をエルサレムに移転、その後のUNRWAへの拠出金を打ち切ったというニュースは記憶に新しいが、ガザはこの10年で三度の戦争を経験しており、現在も「天井のない監獄」と世界で評される。UNRWA保健局長としての日々の活動から、そこに生きる市井の人々の声を届ける。
目次
- はじめに/第一章 絶望の大地で輝く、希望の星/第二章 使われないままの家の鍵/第三章 パレスチナ難民の健康状態/第四章 米国の大使館移転から「帰還の大行進」へ/第五章 冬の時代に日本ができること/おわりに
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パレスチナ問題と平和の大切さを再考できる1冊
2019/09/04 20:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は、パレスチナ問題に取り組む国連施設に属する医者です。
改めて、パレスチナ問題は何なのかを最初から懇切丁寧に記述しており、
知識を整えられます。
そして、「平和はいかに大切か」、という大事なことを現場で医療行為をした著者の体験から説いており、実にすばらしい本と正直に感じられました。
新書ですが、文章は短いので、中学生などの若者にも読むのをチャレンジしてほしい1冊です。
ガザの状況をまず知ってもらいたい
2019/08/27 06:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は、パレスチナ難民に対して、医療・教育・社会福祉の支援を行う、国連パレスチナ難民救済事業機関・通称ウンラワで、保健局長という立場で働いている。ウンラワは、今年70周年を迎える。設立時に設定された活動期間は3年だった。国際社会はパレスチナ問題は、3年で解決できると思っていたのだ。しかし今も紛争は続き、ガザは今イスラエルの厳しい経済封鎖下におかれ、「天井のない監獄」と呼ばれている。ドナルドトランプ大統領が就任するとウンラワへの拠出金が凍結された、支援も全面打ち切りとなり、いまウンラワは苦境にたたかれている。医薬品が買えなくなってしまう。
シリアの難民問題がクローズアップされているものの、パレスチナ難民の存在、ガザの状況を国際社会は忘れかけているように見える。
失業率は60%、ガザでは毎週金曜日に国境フェンスに沿って帰還の大行進が行われるようになった。イスラエルはこの大行進を脅威に感じて武力弾圧している。死者は120人負傷者は1万3千人となっている。この負傷者数をガザでは対応できない。医療体制は完全崩壊している。なぜ打たれるとわかっていても、パレスチナの人は行進を続けるのか、そのことをわかろうとしない国際社会に向けてのデモンストレーションではないだろうか。
著者は誰でもできる国際協力として3つのステップがあるという。
最初のステップは、感じること。第2は考えること。第3はその道を広げること。
いま、ガザへ日本人が行くことは大変困難だ。多くの人が本書を読んで、まず第1のステップを踏んでもらいたい。
『ガザの声を聴け! 天上のない監獄』
2019/08/08 21:31
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関(通称ウンルワ)
医師でありUNRWA保健局長である著者が、支援にたずさわっているパレスチナ難民550万人の人々の“生の声”を日本の読者に訴える
《ガザの若い人と話をすると、必ず「尊厳(dignity)」という単語が出てくる。たとえば「いま、いちばんほしいものは?」と聞くと、男女を問わず、仕事があっても失業中でも、ガザの若者たちはいつも「尊厳がほしい」と訴え続けている。[中略]「人間としての尊厳がほしい」という心の叫びのような訴えを聞くたびに、それを言わせる状況に心が痛み、胸が張り裂けそうになる。》
イスラエルによる経済的軍事的封鎖とアメリカによるUNRWA支援の打ち切り──「天井のない監獄」と形容されるガザの現状に、「本書でも、政治的な意見を述べるつもりはない」と言わざるを得ない政治への悲痛とも言える思いがにじみ出ている
ウェブサイト「集英社新書プラス」に2017年7年から2018年9月まで連載された「ガザの声を聴け!」から生まれた魂の一書、2019年5月刊
本書の印税はUNRWAに寄付されガザの支援に使われるという