教養としての芥川賞
1935年に創設されて以来、数々の文学シーンを演出してきた文学賞である芥川賞。あまたある受賞作のなかで、いまあらためて読まれるべき作品、小説の魅力や可能性を教えてくれる作...
教養としての芥川賞
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商品説明
1935年に創設されて以来、数々の文学シーンを演出してきた文学賞である芥川賞。あまたある受賞作のなかで、いまあらためて読まれるべき作品、小説の魅力や可能性を教えてくれる作品とは何か。
第1回受賞作の石川達三『蒼氓』から大江健三郎『飼育』、宮本輝『螢川』、多和田葉子『犬婿入り』、綿矢りさ『蹴りたい背中』、宇佐見りん『推し、燃ゆ』まで、23作品を厳選。あらすじと作品の背景を概説したうえで、社会状況も踏まえながら、作品や作家の内面・奥行きを文芸評論家と文学研究者が縦横に語り合う。
「芥川賞と三島賞、野間文芸新人賞」「卓抜な新人認知システム」などのコラムで芥川賞の意義も解説。芥川賞受賞作をめぐる対話を通して教養を深めるためのブックガイド。最良の「文学の航海図」を手にすることで、小説の多面的な読み方も身につく一冊。
目次
- はじめに 重里徹也
- 1 石川達三『蒼氓』第一回、一九三五年・上半期
- 移民する農民たちを描く/倫理も思想も問わない社会派/群像を見る視点はどこにあるか/太宰治と芥川賞/『道化の華』なら受賞したか
- 2 石原慎太郎『太陽の季節』第三十四回、一九五五年・下半期
- 動物の生態を描いた小説/求めるのは「許容する母性」/もってまわった疑問文/排除される崇高なもの/司馬?太郎という対極
- 3 遠藤周作『白い人』第三十三回、一九五五年・上半期
- 評論家の類型的な物語/遠藤周作と小川国夫/高度経済成長期の日本人/遠藤周作と「柄谷行人的なもの」
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本好きは読むべき
2022/01/29 04:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
芥川賞のシステム、誕生からの変遷、良いところ、悪いところなどがよく分かる。
そして一番は、今までの受賞作を丸裸にする様な、重里聖徳大学教授と助川岐阜女子大学教授の二人の激しい討論が読めるのが良い。
文学を研究している人たちは、小説をこんな風に読んで、調べて、考察している事に、ただただ感服する。
これからの自分の読書の視野が少しでも開かれ、新しい喜びに溢れる時間になってくれたら嬉しい。
村上春樹の1973年のピンボールをもう一度読みたくなった。
宮本輝の作品を片っ端から読みたくなった。
なんとも読んだ人に火をつけるような一冊。
詮衡委員が豪華すぎ
2024/10/03 15:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
第1回芥川賞は石川達三と太宰治のあらそいになった、私はその事実よりもその時の詮衡委員の豪華さに驚嘆、佐藤春夫、川端康成、山本有三、瀧井孝作、室生犀星、菊池寛、横光利一
石川達三と太宰治
2022/03/01 09:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本で面白かったところ、
石川達三「蒼茫」・・・太宰治との比較、将来的に安定して活躍してくれそうな書き手(石川)を選ぶか、現段階での実力ナンバー1(太宰)を選ぶか。
太宰は「逆光」ではなく、「道化の華」なら獲れたかも
石原慎太郎「太陽の季節」・・・選考委員の井上靖がほめたのは、この作品にニヒリズムがあると勘違いしていたから
なるほど