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紙の本
時間 (講談社文芸文庫)
著者 吉田 健一 (著)
人生の中で時間が流れていく、ということの意味を考え現代文明の偏見を脱して捉われの無い自由な自分となる。文化の真の円熟や優雅さは18世紀西欧にあるとの『ヨオロツパの世紀末』...
時間 (講談社文芸文庫)
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商品説明
人生の中で時間が流れていく、ということの意味を考え現代文明の偏見を脱して捉われの無い自由な自分となる。文化の真の円熟や優雅さは18世紀西欧にあるとの『ヨオロツパの世紀末』を著した著者が、その最晩年に到達した人間的考察の頂点にして、心和む哲学的な時間論。『時間』を書き上げると残っているものを全部出したと感じる、と述懐した批評家吉田健一の代表作。【商品解説】
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紙の本
『時間』論、こういう一書を探していました!
2019/04/10 22:33
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
時間って本当の意味では一体何だろう、どういう概念なんだろう、という事は中学生から高校・大学頃にかけて興味がありました。時間…時の間って書くけど、じゃあ時間と時の違いって何? こんな疑問をずっと持ち続けていました。でも周りに聞いても今一つピンとこず、食傷気味なままでした。しかし、本書で悲願達成!やっと出逢えました。九鬼周造の時間論を以前読了しましたが、哲学的色合いが強く、これはこれでそれなりに良かったのですが、私が求めていたベクトルではありませんでした。
本との出逢いの喜びの一つに、こういった感動を得られるのが醍醐味なんだなぁとつくづく思います。
ちょっと読点が少ないという文体の特徴はありますが、慣れれば大丈夫です。じっくり噛みしめる様に読む事が出来て大変良かったです。あとは人間についてなんです。人間…人の間って書くけど、人と人間の違いって何? 確か、『人間について』と『人間その価値と存在』というタイトルのような本があるのですが、絶版のようで…何とか入手したい所です。
紙の本
たゆたう文章の心地よさ
2001/09/04 07:33
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:呑如来 - この投稿者のレビュー一覧を見る
だらだら文体の将軍が蓮實重彦だとすれば吉田健一は天皇である。しかもこの本はエッセイではなく「時間論」なのであるから時間が流れるがごとく彼の弁舌が延々と続いてゆくのももっともなことと言える。そして思想は大体において闘争を孕み頭に熱を帯びさせるものであるというのに、いったん吉田健一の文体になじんでしまうと37℃に保たれた波のうねりのような快い感覚にいつまでも溺れていたいとさえ感じさせられてしまうから要注意だ。
紙の本
時間の豊かさ
2017/06/08 14:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:une femme - この投稿者のレビュー一覧を見る
区点が少なく、とりとめのない語りではあるが、なんとなく、その語りそのものが、筆者の述べる「時間」そのもののように思えなくはない。
プルーストなどを参照しながら、小説や詩を、時間の観点から、考察している箇所が、私は、面白かった。過去を語ること(回想を形として記すこと)について、その時間は、どんな意義があるのか、なんとなく理解でき、腑に落ちた。そして、また、物語の時間というのは、現実の時間の流れにある個人が、別の時間を体験するという、不思議で、豊かなことなのだと、改めて思った。