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紙の本
妖怪はニュータウンのような「境界」に出没する
2008/08/31 15:39
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナンダ - この投稿者のレビュー一覧を見る
妖怪の話って、どんな背景から生まれてきて、現代の妖怪はどんなところから生まれるくるんだろう。
著者は、妖怪の発生を「場所」との関連で説く。あの世とこの世の境界、内と外の境界、都市と田舎の境界……。そういった「境界」に妖怪が出るという。具体的には、辻であり、井戸であり、橋であり、都市と田園の境界にある新興住宅地であり、T字路である。
江戸時代の妖怪は江戸の周縁部に多く、現代の妖怪は、町田のニュータウンなどの新興住宅地に多いという。神々の領域であった自然をつぶすときに、それとの摩擦のなかで妖怪が出る。人間の不安感が妖怪を生み出すというのだ。
また、怪談奇談には「下女」がかんでおり、現代も、占いやカルトは若い女性がはまりこむなど、妖怪と若い女性とのかかわりも深いと指摘する。……
農村部よりも、開発と旧来からの自然とがせめぎあうところが妖怪スポットであるという指摘や、「現代の妖怪」についての論考は興味深いものがあったが、なにもかもを「境界」こじつけたような印象もないではない。口裂け女の話などは、そのルーツを探ってくれたらおもしろいのだけど、抽象的な推論しかなくて少々物足りなかった。