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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
本で、内田百けん先生の著書に出会うとは嬉しい!元々、黒澤明監督の「まあだだよ」という映画などで百けん先生を知ったが、著書は幽霊の物語が多く、ゾッとしたり難しかったり…でも人柄はおもしろそうな人だなと思っていたし、食べる事が大好きという事が尚更親しみがわいた!
大正から昭和にかけての作家、内田百けん氏の「食」に関するエッセイ集です!
2020/08/06 09:17
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、大正から昭和期にかけて活躍された夏目漱石門下の小説家であり、随筆家でもあり、『船の夢』、『沖の稲妻』、『百鬼園俳句』、『戻り道』、『新方丈記』などの数々の名作をこの世に残された内田百けん氏のエッセイ集です。同書は、朝はミルクにビスケット、昼はもり蕎麦、夜は山海の珍味に舌鼓をうつ、自称「食いしん坊」の著者が、幼年時代の思い出から戦中の窮乏生活、また知友と共にした食膳の楽しみに至るまで、食味の数々を愉快に綴った一冊です。同書の内容構成は、「薬喰」、「食而」、「菊世界」、「解夏宵行」、「饗応」、「林檎」、「沢庵」、「雷魚」、「百鬼園」、「日暦」、「謝肉祭」、「酒光漫筆」、「三鞭酒」、「芥子飯」、「河豚」、「養生訓」、「白魚漫記」となっており、非常に楽しめる内容です!
百間らしさ全開でした。
2021/05/28 15:05
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルに「ご馳走」なんて言葉を持ってきて、食のエッセイ集なんだろが。実は食べものの話はそんなにたくさん出てこない。時々、食べ物の話を語っていても、「うまいから、うまいのではなく、うまい、まづいは別としてうまいのである。」とか言っちゃってるし...。
しかし、そこが、私の好きな百間らしさ。時々、ぶぶっと噴き出すシーンもあって、抱腹絶倒ぶりは、個人的に百間といえば一押しの「阿房シリーズ」と同じです。
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投稿者:ミオメロディ - この投稿者のレビュー一覧を見る
偏屈の真打ち、登場、と言いたいような感じだが、なぜか愛嬌を感じるのは私だけではあるまい。検校と交わす「さうさう、いつぞやのげろ以来でしたね。あの節はげろう失礼いたしました」私も慌てて挨拶した。「げろげろ御馳走様でした」などは何とも言えない味わい(?)がある。
すでに有名なこの本だが、戦後すぐに出版されたというのは驚きだった。
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投稿者:ミオメロディ - この投稿者のレビュー一覧を見る
偏屈の真打ち、登場、と言いたいような感じだが、なぜか愛嬌を感じるのは私だけではあるまい。検校と交わす「さうさう、いつぞやのげろ以来でしたね。あの節はげろう失礼いたしました」私も慌てて挨拶した。「げろげろ御馳走様でした」などは何とも言えない味わい(?)がある。
すでに有名なこの本だが、戦後すぐに出版されたというのは驚きだった。
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百鬼園せんせいの随筆はなにかと食べ物にまつわるものが多くて、編集によってはともするといろんな意味でそのテンションに食傷気味になってしまったりするわけですが、これはヒジョーに良くできてます。というか開き直ってる(まあ御馳走帖なわけですからね)
とにかく洒脱な文体と百鬼園先生の食へのこだわりっぷりには脱帽です。同じネタだろうが一度読んだことのある話だろうが、何度読んでも面白い。そして間違いなくお腹が空いてしまうのです。ページを捲るたびにカツレツが食べたくなり、シャンパンが飲みたくなり、そして精養軒に行きたくなる・・・。
余談ですがワタクシ、学生時代は丸ビルでアルバイトをしておりました。百鬼園先生は郵船で嘱託をされてましたから、文中に何度も“丸ビル”の表記が出てくるんですね。なんだか嬉しくなります。まぁ百鬼園好きだから丸ビルでアルバイトをしていたわけではないのですが。東京駅の丸の内口を通るたび、いつかステーションホテルに泊まって精養軒で麦酒をたらふく呑みたいなぁと思います。百鬼園ファンの宿命ですね。
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美味しそうなんですよ、これも。ひたすらに食べたいものを書いている百けん先生の姿を想像すると、ときめきます。
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食べることが好きな人には無条件でオススメの一冊だが、食べ物以外にも抱腹絶倒のエピソードが盛りだくさんで楽しく読める随筆である。
気に入った箇所を一部引用することで紹介に代えたい。
「婆さんが川で洗濯をしてゐると大きな桃が流れて来ると云ふその桃はどの位大きいかと云ふ事を子供の時に色色想像する…桃は形のある物だから、想像の上にも何となく制限があるが、蒲鉾や半ぺんならば一畳敷あつてももつと大きくても可笑しくはないであらう。尤もさう云ふ空想を締め括りなしに逞しくするのはいけない様であつて、私は若い頃色色取り止めもない憂悶になやんでゐた当時、倉庫ぐらゐある大きな消し護謨(ゴム)に噛みついて、一生懸命に歯を立てる事を考へて気分が悪くなつた事がある」(p185カステラ)
「酔ふのはいい心持だが、酔つてしまつた後はつまらない。飲んでゐて次第に酔つて来るその移り変はりが一番大切な味はひである」(p334我が酒歴)
「凩(こがらし)の吹く晩の冷たい麦酒が咽喉を通つて、おなかの中でほのかに、梅が一輪一輪と咲く趣きで暖かくなつて来る味はひは、夏の麦酒のふやけた口ざはり、又は冷蔵庫で温度を構はずに冷やし過ぎて死んだ魚が棒になつた様な味がするのとは比べものにならない」(p339ひがみ)
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百鬼園先生は今日も今日とて晩酌のお酒をどうおいしく聞こし召すかに腐心なさいます。今風に言うメイド喫茶だってお目当てはライスカレーですよ。そのために徒歩で帰るんです
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戦時中食べたいものが食べられないのでフラストレーション一杯だった百鬼園先生が,今食べたいものとしてつづった目録は圧巻。刺身からシュークリームまで。食いしん坊バンザイ!
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本当にこの人は、食べることが大好きです。
それは、意地汚くないかい?と思うときもあるくらい・・・。
でも、共感できちゃいます。
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明治の幼少期から戦後にかけての,「食」にまつわる薀蓄と想い出を綴ったエッセイ集.東京帝大への入学で郷里の岡山から上京したときは,食材&味付けのあまりの違いに,食欲を無くしすらしたそう.が,その後は東京に永住,いかにお酒を旨く飲むかということにこだわり続けながら,旨いものを求めていく.いわゆる食道楽とは趣きを異にした独特の美食趣味で,現在の我々一般人にも肯ける懐かしさを感じさせます.
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百?先生ミシュラン。自分の好きな食い物の話しか書いてない。主観上等、食いしん坊万歳本。だがそれが良い。
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百?先生の食にまつわる随筆を選んで編まれた随筆集です。
なんというのか百?先生の文章は本当にお酒が好きなんだなあ、ということが文章からにじみ出ている感じです。本当においしそう、なんですよね。お酒も、食べ物も細かい料理法を書くのではなく、あくまで食べる人の観点から描かれているのですが何となく味が連想できるような気がするのです。こんな味かなあ、おいしそうだなあ、と。そしてそのご馳走を前にお酒を飲む。これがまたおいしそうで。
…ビールが飲みたくなるし、お酒の美味しい燗が飲みたくなるのです。
そんな先生だから戦時中はきっと苦労をなさったんだろうなあ、と。文章の端々からその苦労はうかがい知れます(が、一番苦労されたのはご家族の方だと思いますが)。戦争は嫌だな。でも今の世界情勢を考えると戦争ももちろん怖いですが(自分たちがあまり意識していない内に戦闘モードに突入してしまいそうなそんな感じが怖い)、食糧危機も怖いです。(こちらは天候もありますし災害もありますしもちろん他国との関係もありますしね。)自分が食べる、生きるということはしっかり考えないといけないなあ、と考えました。
それはそうと。巻末の解説がヒマラヤ山系さんなんでしょうか?読んでると嫌なじじいですね、百?先生は。自分は俥に乗って駅から帰ってきてお金がないからって近所の知り合いにビール代を借りに行かせる。う〜ん。友人なくしそうな人だ…
でも人をもてなすことがお好きで、その支度を誂るために借金するのも苦ではないんですよね。面白い人だったんだろうな、と思うのです。
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万年金欠の私にとってはなかなか腹が減って読むのに難儀した本。「東京日記」なども大好きだが、百鬼園先生はやはり随筆ではないだろうか。