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読割 50
紙の本
長崎乱楽坂 (新潮文庫)
著者 吉田 修一 (著)
風呂上りの火照った肌に鮮やかな刺青を躍らせた猛々しい男たちが、下穿き一つで集い、日々酒盛りに明け暮れる三村の家。人面獣心の荒くれどもの棲む大家族に育った幼い駿は、ある日、...
長崎乱楽坂 (新潮文庫)
長崎乱楽坂
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商品説明
風呂上りの火照った肌に鮮やかな刺青を躍らせた猛々しい男たちが、下穿き一つで集い、日々酒盛りに明け暮れる三村の家。人面獣心の荒くれどもの棲む大家族に育った幼い駿は、ある日、若い衆が女たちを連れ込んでは淫蕩にふける古びた離れの家の一隅に、幽霊がいるのに気づくのだった。湾の見える町に根を下ろす、昭和後期の地方侠家の栄光と没落のなかに、繊細な心の成長を追う力作長編。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
とてもにおいの強い作品
2008/11/27 02:03
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩澤ちこり - この投稿者のレビュー一覧を見る
舞台は長崎。
新興やくざの一家で暮すことになった幼い兄弟、駿と悠太を取り巻く一家没落の物語。
この「長崎乱楽坂」はとてもにおいの強い作品だ。
男の汗や女の化粧、酒や食卓に並ぶ贅沢な食べ物のにおい、
また時にはシンナーのにおいであったり、サイダーの甘いにおいもする。
読者は兄弟の目を通して、そのむせ返る様な濃いにおいを嗅ぎ続けることで、
作品の世界を自ら体験したかの如く感じることができる。
時に息苦しく、時に懐かしい。
作品の大部分は兄である駿の目線で描かれ、暗く泥臭い斜陽が描かれ続ける。
だが、最終章では弟・悠太の目線に物語は切り替わる。
それまで物語を動かすには幼すぎた弟が、密閉された世界の扉を開け放つべく登場するのだ。
それゆえに物語終盤の開放は清々しい。
明るい気持ちで読める作品ではないけれど、全体を通じて使われる長崎弁のリズムが、
なんとなく心に残って離れない。
紙の本
読み手を選ぶかな?
2016/03/16 13:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここで描かれる三村の家の風景を自分の人生の中の風景と重ねることが可能な人ならば、登場人物たちの息遣いや匂いまでも感じられると思います。
その一方、映画や小説の世界としてしか感じられない人にはそんなに入り込めなくて楽しめない作品でしょう。