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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2007.9
- 出版社: 光文社
- サイズ:20cm/340p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-334-92571-0
紙の本
夜叉桜 (「弥勒」シリーズ)
著者 あさの あつこ (著)
「生きるという、ただそれだけのことが何故にこうも不自由なのかと、思うことがございます」江戸の町で、女郎が次々と殺されていく。誰が、何のために?切れ者ゆえに世にいらだつ若き...
夜叉桜 (「弥勒」シリーズ)
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商品説明
「生きるという、ただそれだけのことが何故にこうも不自由なのかと、思うことがございます」江戸の町で、女郎が次々と殺されていく。誰が、何のために?切れ者ゆえに世にいらだつ若き同心・信次郎は、被害者の一人が挿していた簪が、元暗殺者の小間物問屋主人・清之介の店『遠野屋』で売られていたことを知る。因縁ある二人が交差したとき、市井の人々が各々隠し抱えていた過去が徐々に明かされていく。生き抜く哀しさを、人は歓びに変えることが出来るのか。【「BOOK」データベースの商品解説】
江戸で起こった連続女郎殺人。同心・信次郎の調べが進むにつれ、市井の人々が隠し抱えていた過去が徐々に明かされていく。生き抜く哀しさを、人は歓びに変えることが出来るのか? 『小説宝石』掲載を加筆修正し単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
あさの あつこ
- 略歴
- 〈あさのあつこ〉1954年岡山県生まれ。「バッテリー」で野間児童文芸賞、「バッテリーⅡ」で日本児童文学者協会賞、「バッテリー」シリーズで小学館児童出版文化賞を受賞。他の著書に「弥勒の月」など。
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紙の本
あさのあつこの時代小説
2015/03/01 12:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
弥勒の月では登場人物がしっくりいっていなかったが、
ようやく信次郎、遠野屋、伊佐治が落ち着いてきた印象。
読むこちらが慣れてきた事もあるのでしょうが、
魅力的に描かれている。
遠野屋の近くには事件が起きる。
遠野屋の過去が死を呼ぶのか。
信次郎の容赦ない口撃。
何故そこまで信次郎は遠野屋に拘るのか。
時代小説ミステリー。
殺しの謎解きと遠野屋が生き様が交差する展開に一気に読める。
この後のシリーズも楽しみ。
紙の本
なんていうか、こういう暴力的な武士って嫌いなんです。読んでいて不快感ばかり募って。もっとさわやかな武士がいてもいいのにねえ、これじゃあ戦前の軍人か憲兵みたいじゃありませんか
2008/12/19 20:18
5人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
記憶があいまいなまま、読み始めたせいか、いつまでたっても「読んだ」気がしてなりません。でも、こういう展開に覚えはない。ただ、主人公というか、脇役というか、北定町廻り同心、木暮信次郎の不快としかいえないヤクザな言動にだけは、もしかして?なんて思いながら読了。ともかく信次郎に対するムカツキだけは変わらず。
で、自分の書評メモを検索してみたんですが、最初はスルー。何も引っかかりません。とりあえず書評を書き始めるためにWebで、出版社のHPを訪問。そこにはこの本に関して
「生きるという、ただそれだけのことが何故にこうも不自由なのかと、思うことがございます」
江戸の町で、女郎が次々と殺されていく。誰が、何のために?
切れ者ゆえに世にいらだつ若き同心・信次郎は、被害者の一人が挿していた簪(かんざし)が、元暗殺者の小間物問屋主人・清之介の店『遠野屋』で売られていたことを知る。
因縁ある二人が交差したとき、市井の人々が各々隠し抱えていた過去が徐々に明かされていく。
生き抜く哀しさを、人は歓びに変えることが出来るのか?
『弥勒の月』から一年半。
深まる謎。生きる狂おしさと生きる者への慈しみ。胸を裂く物語。
とあります。そこで『弥勒の月』で自分のメモを探してみると、今回は引っかかりました。読んだのは『弥勒の月』だったんですね。でも、それほどに似ている。要するに、『夜叉桜』は続編で、しかも完結していません。ヤクザな同心という造形に自信をもったあさのは、このままずるずるとシリーズ化をする気配です。
ということで、あくまでそういう連作の中の一編として紹介すれば、この話はHPの案内にある連続女郎殺人事件に、小間物問屋『遠野屋』の主人・清之介がどう絡むのか、ほとんど見込み捜査としかいいようのない、戦前の特高並みの暴力的な高圧的な姿勢で自分の気に入らない男に因縁をつける信次郎がいつ殺されるのかを楽しみに読むお話です。
ちなみに、このヤクザ・信次郎は今回も殺されません。いつか、無残に殺されて欲しいものですが、殺されるのは幼馴染・信三に出会って心ときめかせる女郎のおいとです。信三は小間物問屋『遠野屋』で手代をしています。ま、文句をつけるわけじゃありませんが、清之介、信三、信次郎、もうちっと変化をつけた名前はないのか、なんて思います。
これ以上登場人物紹介をしないのは、そこにこのお話のポイントがあるからで、結構、ミステリとして上手い落とし方をしています。そうきたか、と思わせる。ただし、せっかくの技も木暮信次郎の悪辣ぶりに、ほとんど目立ちません。もったいないなあ、と思います。シリーズでなく、全く別の主人公を据えたらもっと評判になったんじゃないでしょうか。
そういう意味では、前作同様、主人を見守る岡引の伊佐治が効いています。本所尾上町で小料理屋をやっている伊佐治は20歳の時、信次郎の父、木暮右衛門から手札を貰い、それから二十年以上を尾上町の親分として活躍しています。今回は、その息子も登場するので、シリーズ化の駄目押しみたいなものです。
シリーズ化が決まっているので、注文ですが、もう少し北町奉行内部のことを書いてもらえないでしょうか。官僚機構について薀蓄を傾ける必要はありませんが、木暮の動きがどうも公務という印象が薄い。
最後に構成ですが、前作と同じ八章+終章で、タイトルは以下のとおり。
第一章 刃
第二章 陰
第三章 定
第四章 男
第五章 緑
第六章 命
第七章 女
第八章 秘
終 章 真
カバー写真にリーブラ+DAJを使った多田和博の装幀は、なんていうか演歌の世界。ここまでやられたら好きも嫌いもないじゃない、なんて思います。最後に初出関連ですが、奥付には
「小説宝石」2006年10月~07年6月号掲載作品を加筆修正したものです。
とあります。てにをはが変だぞ・・・