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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2009/08/01
  • 出版社: 光文社
  • レーベル: 光文社古典新訳文庫
  • サイズ:16cm/239p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-334-75188-3

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紙の本

母アンナの子連れ従軍記 (光文社古典新訳文庫)

著者 ブレヒト (著),谷川 道子 (訳)

母アンナの子連れ従軍記 (光文社古典新訳文庫)

税込 946 8pt

母アンナの子連れ従軍記

税込 594 5pt

母アンナの子連れ従軍記

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みんなのレビュー6件

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評価内訳

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紙の本

戦場を仕事場に、子連れで生きぬく女性を描くブレヒトの名作。

2010/05/02 16:30

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 少しだけ演劇を知っていると、かえって「ブレヒトにこんなのあったかな?」と思ってしまうタイトルである。「肝っ玉おっ母とその子どもたち」という千田是也、岩淵達治の訳したタイトルで何度も上演もされ、定着してしまっているからだ。これは2005年の舞台上演に向けての新訳。

 お話は17世紀。30年戦争を「舞台」に、子連れで戦場を生きぬく女性の姿を描いたもの。ブレヒトお得意の「過去を舞台としているが執筆されたい時代を描き、上演されている時代にもあてはめることができる」作品である。軽妙な言葉のやり取り、歌や踊りもふんだんに入って、オペラのように楽しみながら人間を考えさせる舞台。本作にも「平和は戦争というチーズの穴だ」なんていう名言もある。名作である。

 なぜタイトルを大幅に変えたのか。あとがきや解説を読むとなるほど、と思う。これまでのイメージでは、なんとなく主人公のアンナががかなりの年齢になってしまうのだ。テレビの「肝っ玉母さん」のイメージもくっついてしまうからかもしれない。お話は10年以上にも渡るけれど、40代から50代始めのばりばり働く女性のイメージを強く出したかったのだ。そう解釈するとまた違った女性の姿が見えてくる感じである。文字通り身体をはって男たちと向き合い、子どもを育てるために危ない商売もするアンナには、女の強さも脆さもつまっている。主人公アンナは、まさに戦場を舞台にしている。

 翻訳としてはこれまでの訳とはどうだろうか。それについては、私的には「それぞれにいい」としか言いようがない。例えば岩波文庫の岩淵さんの訳もまだ新しいものだし、そちらの方が新しい感じの言葉もあったりするからだ。しかし、こちらの谷川訳も、まだ女性の色香が残る主人公を上手く描いていると思う。

 蛇足であるが、この作品の発展系として、筒井康隆「馬の首風雲録」を読むのも、また一興であると書き添えておきたい。

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紙の本

謳え、消えない記憶を抱いて

2014/03/15 07:18

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

30年戦争って、歴史の授業で習ったと思うけど、どこで誰が戦争したのかわからない。そのドイツがぼろぼろになっていく中で、軍を相手の商売でしぶとく生きている肝っ玉母さん、戦地の周辺をずっとうろうろしていて、その時々にお客となる支配勢力も移り変わり、戦況もだいたい推察できたりする。学校の教材に使うといいのに。
母さんは三人の子供がいるが、みんな父親が違うという豪傑だ。各地を巡り歩いているうちにたいがいのものに動じない図太さを身に付けた。民衆が戦争に疲弊していく中で、彼女一人は相手に合わせてうまい汁を吸っているように見える。だがその実、子供たちが順々に戦争によって奪われていく。
それでも彼女は弱気を見せない。戦争を食い物にするのは我が方という姿勢を崩さない。それが虐げられる庶民の抵抗でありプライドなのだ。あるいは将校に取り入っておいしい思いをする女もいるが、どちらかの勢力に深く結びつくのはリスキーなことでもある。両方にいい顔をするのが極意だ。彼女の気丈さは窮地の男も惹き付けられて取り巻きになる。
強がりでもなんでも、男も戦争も食い尽くそうという気概は、なんと生き生きとして見えることか。
教訓めいた言葉も無く、警句も預言もなく、ただたくましく図々しく生きる我らのための舞台上の祝祭だ。笑って泣いて笑って、きっとそれがものごとを記憶しておくもっとも良い方法なのだろう。

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