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商品説明
広島で奈津を探すも叶わず、失意のまま東京へ戻ってきた閻魔。その頃、東京では奇妙な自殺騒ぎが続いていた。一方、不老不死の『鬼込め』を求める者たちは信正に代わり牟田家を継いだ惠子にまで魔の手を伸ばす。死期を悟った信正から、奈津の居所を託された夜叉。自殺者たちの右手に『鬼込め』があることに気づいた閻魔と夜叉は、梅倖にかつて破門された男の弟子を探しはじめる。戦後復興期の日本で閻魔と夜叉が再び出会う。【「BOOK」データベースの商品解説】
戦後の東京で頻発する奇妙な自殺。自殺者の掌に彫られた刺青の謎を追う閻魔の行く手には…。明治・大正・昭和の激動を駆け抜けるラブストーリー第2弾。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
中村 ふみ
- 略歴
- 〈中村ふみ〉1961年生まれ。「裏閻魔」にて第1回ゴールデン・エレファント賞大賞を受賞し、作家としてデビュー。
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紙の本
戦後の混乱の中、百歳を超えて
2012/01/24 10:24
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紫月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズ二作目。
目の前から消えた奈津を追って、あちこちを捜し歩く閻魔。
見つけられず、東京へ戻った閻魔はふとしたことから、浮浪児に懐かれ、同居することになる。
次第に情が移っていくのを自覚しながらも、己の正体を知られるわけにはいかず、なんとか彼と別れようとする閻魔。
一方、戦後の町では、奇妙な自殺者が続出していた。
彼らの掌には鬼籠の痕があり、閻魔は兄弟子、夜叉を疑う。
そんな閻魔に、戦争孤児がまとわりつく。
百歳を超えて、ようやっと成長した感のある閻魔。
それでも死なず老いずの体には、孤独に生きることを強いられる。
長い間、閻魔を支えてくれた信正は最後のときを迎えようとしていた。
老境を迎えた奈津の生死も定かではない。
新たに人と巡り合い、人と別れ、何かに抗いながら生きていく閻魔。
第2作目の本書では、戦後の混沌とした日本を生き抜く閻魔の姿が描かれている。
その間、10年足らず。
1作目が80年に渡る話だったためか、前回よりは本が薄い。
しかしこのシリーズ。
三部作らしく、次作が最終巻であるらしい。
奈津と閻魔の想いが触れ合う時があるのだろうか。
ただ一人の同胞、夜叉と心を通わる日は来るのだろうか。
どんな結末を迎えるのか、楽しみで仕方がない。
紙の本
主人公は老いない。これがいかに苦しいことか。
2022/06/19 21:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
不老不死の宿命を背負った男の話の続編。江戸から昭和へ。物語も時代物から現代物へ。
しかし、主人公は老いない。これがいかに苦しいことか。
昭和の時代が進む最終巻が楽しみ。
紙の本
切なさと色っぽさ・・・。
2012/01/27 18:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K.K - この投稿者のレビュー一覧を見る
続編なので、まず最初からの話になりますが、この作品を最初に読み始めた時は、男性の作家さん?と思ったのですが、すぐに女性ならではの感性のちりばめられた作品だ、と気づきました。
主人公の閻魔は、とても孤独で厭世的で、その刹那的な退廃感が、凄く切なく感じられて、のめり込んで読んでしまうお話です。
主人公の色っぽさは女性ならではの描写でしょうか?
とてもステキな人物像に仕上がっています。
どんなに良く出来たストーリーでも、そこに登場するキャラクターに魅力がなければ、読者を引き込めないと思うのですが、閻魔はとても魅力的ですよ。
この話がこの後どうなっていくのか、楽しみに待っています♪
紙の本
因果
2018/08/28 22:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
因果と因果が引かれ合うのか、閻魔と縁ある人間たちに降りかかる悲劇が辛い。それでも奈津との再会のために閻魔はくじけないのでしょうね。