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紙の本
夏を喪くす (講談社文庫)
著者 原田 マハ (著)
「なんだか、硬いね」ベッドで恋人が乳房の異変に気づいた。仕事と恋を謳歌する咲子の人生に暗雲が翳る。夫との冷えた関係に加え、急に遠ざかる不倫相手に呆然とする。夏の沖縄で四十...
夏を喪くす (講談社文庫)
夏を喪くす
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商品説明
「なんだか、硬いね」ベッドで恋人が乳房の異変に気づいた。仕事と恋を謳歌する咲子の人生に暗雲が翳る。夫との冷えた関係に加え、急に遠ざかる不倫相手に呆然とする。夏の沖縄で四十歳を迎えた女性の転機を描く表題作「夏を喪くす」。揺れる女心の決意の瞬間を、注目作家が鮮烈に綴る中編集。【「BOOK」データベースの商品解説】
「なんだか、硬いね」 ベッドで恋人が乳房の異変に気づいた。仕事と恋を謳歌する咲子の人生に暗雲が翳る。夏の沖縄で40歳を迎えた女性の転機を描く表題作を含む、全4編を収録。揺れる女心の決意の瞬間を鮮烈に綴る中編集。〔「ごめん」(2008年刊)の改題〕【「TRC MARC」の商品解説】
目次
- 天国の蠅
- ごめん
- 夏を喪くす
- 最後の晩餐
収録作品一覧
天国の蠅 | 7−79 | |
---|---|---|
ごめん | 81−139 | |
夏を喪くす | 141−219 |
著者紹介
原田 マハ
- 略歴
- 原田マハ(はらだ・まは)
1962年、東京都小平市生まれ。関西学院大学文学部日本文学科、早稲田大学第二文学部美術史科卒業。マリムラ美術館、伊藤忠商事、森ビル森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館に勤務。その後、フリーのキュレーター、カルチャーライターに。2005年、『カフーを待ちわびて』で、第1回日本ラブストーリー大賞を受賞、同作は映画化され、35万部を越えるベストセラーに。2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞受賞。著書にはほかに、『一分間だけ』『さいはての彼女』『キネマの神様』『翼をください』『インデペンデンス・デイ』『ほしがひとつほしいとの祈り』『本日は、お日柄もよく』『風のマジム』『まぐだら屋のマリア』『でーれーガールズ』『永遠をさがしに』『旅屋おかえり』『生きるぼくら』などがある。幅広いテーマで精力的に執筆を続ける注目の作家。
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紙の本
表題を見て手に取った一冊。
2012/12/25 04:13
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
初め原田マハさんらしくない作品だなあと読み始めた。
4編からなる短編集の最初は「天国の蠅」。
主人公範子の過去はちょっと辛い思い出。
「ごめん」は優しいご主人がいながら年下の同僚と不倫を重ねる陽菜子が主人公。
「夏を哭くす」はちょっと鼻につく会社経営者の咲子。
「最後の晩餐」はマリとクロの最後の別れのシーン。
確かに帯を見ると斉藤美奈子氏絶賛!「21世紀を生きる女性に勇気を与える小説」とある。
よく確かめもせず選んだ自分に少しだけ後悔しながら読み進めた。
しかし、読み進めるうちにすっかり小説の中に嵌り込んで、最後斉藤美奈子さんの解説で見事にやられてしまった。
男性社会の中心を闊歩しているキャリアウーマンが、突然立ち止まる出来事に遭遇して自分を見つめ直す作品。それは男性も同じです。
自分を見つめ直したときに思い出されるのは、痛い思い出であったり、大切な人の深い愛情だったり、それは今まで自分が積み重ねてきたものだったと気づかされる。気づいて、時には涙してこれからの一歩を踏み出す心が出来上がるのではないでしょうか。
また小説としてもやっぱり面白い。「天国の蠅」は娘の詩を読んでいるうちに一遍の詩に気づき物語が突然展開。
「ごめん」は秘密など無いと思っていたご主人の毎月10210円の振込みの謎を追う高知への旅など読者を引き込む仕掛けもたっぷり。
読み進める毎に、読み重ねる毎に好きになっていく原田マハさんの作品でした。
紙の本
女の勝手さと可愛さと
2015/11/27 02:51
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
4人の女性のそれぞれの人生。裏切りや嘘や虚勢やそんな暗澹たる思い出、出来事の中にも、幾ばくかの光と救いはある。諦めちゃいけないし、ずっと後ろ向きでもいけない。いろいろあって人生。一編の詩から呼び起こされる父との思い出『天国の蠅』、ただただ善良だけが取り柄と思い込んでいた夫の秘密『ごめん』、触れたら壊れてしまいそうな関係に揺らぐ『夏を喪くす』、あの日、こつ然と姿を消した友だちを巡って7年振りにNYを訪れる女性が知る真実『最後の晩餐』短編とはいえ、どれも読み応え充分。女の勝手さと可愛さが描かれた深とした1冊。
紙の本
夏を喪くす
2024/02/19 12:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
3作目の夏を喪くすが一番良かったですね。乳がんに侵された主人公・咲子が中心になって話が進んでいくのだが、ラストでは光を喪くす男性が登場し驚きました。2作目のゴメンも良かった。陽菜子の性格には共感できないが、優しいご主人に裏の顔があったことに何故かホッとした気分だった。今までとはちょっと違う原田マハの世界を垣間見たような気がしました。
紙の本
様々な女性たちのストーリー
2022/03/06 11:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつみかん - この投稿者のレビュー一覧を見る
原田マハの他の作品とは趣向が違うと感じました。
読んでいる途中はあまり好きになれませんでしたが、最後の斎藤美奈子さんの解説を読んで、少し理解出来た気がしました。
紙の本
できる女性
2016/01/09 17:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:端ノ上ぬりこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編1.天国の蠅 2.ごめん 3.夏を喪くす 4.最後の晩餐の4編からなる。
1.以外はできる女性が主人公
1.天国の蠅は、範子の娘明日香の詩が雑誌に掲載され、そこに載っていたある詩を目にした範子の回想がメイン。ネタバレになるけど、範子の父が生きていたとは。やっぱり丸っきりのうそでなかったのか。あの詩をみつけた範子の驚愕は心が痛い。
2.ごめんは、ゼネコンに勤めるやさしくまじめな夫純一と自由に不倫を楽しむ妻陽奈子。夫が事故で意識不明の重体になり「オリョウ」の謎を解明する。毎月の振込のやり取りの不自然さには興味が湧く。
3.夏を喪くすは、やはり不倫をしている妻咲子が乳がんになってしまってからの心の葛藤。「心が舞い上がっている」のフレーズに縛られていた咲子の決断が辻褄合わせのように感じてしまった。切ない気持ちのなった。
4.最後の晩餐は、麻里子とクロ、ジュゼッペ、イアンの友情と恋愛がらみの話。結局クロはどこにいるのか、振込続けられている家賃は誰が支払っているのか、読者の想像に任せるということなのか。あるいは、私の読み込み不足なのか、フラストレーションが残った。