紙の本
データが全て本当なら…。
2013/09/09 12:55
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
分業が進むことが人類に繁栄をもたらしたという趣旨は非常にシンプルでわかりやすい。明るい未来像を提示してくれるのも楽しいが、データが怪しいというか、恣意的なデータが多いというか。テーマに都合の良いデータを集めた感がある。また、自論に不都合なデータや、論客をことさら悪く言うのもあまりよろしくない。まあ、鵜呑みしないで楽しむ分には面白い本です。
電子書籍
昔はよかったか?
2022/04/17 10:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
老人は「昔はよかった」とi言いたがるが、ほとんどすべての面で昔よりも現在のほうが快適便利でみんな幸せである。 という主張には納得するところが多い。しかし、この幸せの状態が将来も続く。 という論拠についてはずいぶん恣意的なところも多く疑問点がある。
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人類はなぜ他の動物に見られない繁栄を可能にしたか?”交換と専門化”というシンプルな仮説とともに、アダムスミス、ダーウィンの思想をベースに人類10万年の歴史を紐解く一大ドキュメンタリー作品。 生殖による生物学的進化と、交換による文化的進化の累積が繁栄を解く鍵となる。その発想はネアンデルタール人の絶滅にも言及する。現在は通信速度の発展に伴い、”交換”の加速がイノベーションの進化を促す。膨大な過去データの解析に裏打ちされた強固な信念を持つ筆者の未来予想図は合理的な楽観主義だと。なるほど~。
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過去は現在よりも良き時代だったのか。
昔は・・・から始まる千年前から言われている定型句。
昔は電話やメールもなく、人と人との結びつきが強くて、料理は下手な化学調味料がなく素材の味を楽しめた。
山に行けば、手つかずの自然。
海に行けば、ごみひとつ無いエメラルドグリーンの美しい海。。。
ちょっとまってほしい。
病気にかかれば、薬はなく、黒死病にかかればほぼ間違いなく死ぬし、農耕は辛いし、重い納税が毎年課せられる(今もか・・・)。
どうも人間は過去を美しみ、将来を悲観する傾向にあるようだ。
悲観論書は、将来は石油がなくなり、人口が飽和し食物を争い、水は汚染され気温が上昇し海水面が上昇し人間の住む場所はなくなるという。
はたしでそうだろうか。
ここが本書の論点である。
石器時代は何も石がなくなったから終わったわけではなく、他に代替のテクノロジーが発見されたからである。
ローマ・クラブの「成長の限界」は未だに訪れないし、まだまだ人類は発展するし、それほど悲観する必要はないのだ。
まぁ、代替のテクノロジーによって過去に限界が訪れなかったからといって、今後もそうだとは言えないし論拠が薄いのですが、それほど強く将来を悲観する必要はないという事は同意である。
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マット先生の主張をまとめると「悲観主義にとらわれて萎縮するな、世界を良くするために、ただ進め!(確かに社会問題は数え切れないほどあって、悲観したくなる気持ちもわかる。だからこそ私のような人間が率先して、楽観主義者であろうと思う)」てなところ。その主張を確かなものにするために、膨大なデータと分析事例が詰め込まれており、噛みごたえはじゅうぶん。
生まれでた限りは、どんなに些細なことでも社会を前に進める義務があると思う。勇気が出る一冊。
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未来はよくなる、絶対に。
恥ずかしげもなく抜かしてしまったが、そう言いたくなるくらい、清々しい読後感だ。
人類は「分業」と「交換」によって進歩し続けてきた。今後もそれは続くだろう。それどころか、ますますそのスピードは上がり、かつてない繁栄(!)がもたらされるだろう。
著者の主張は、このことに一貫している。ドキドキするくらい楽観的だ。
極端な悲観論者を、パオロ・マッツァリーノ氏が「スーペーさん」と呼んで茶化している。悲観論は後ろ向きになるだけで、いいところがないのだ。悲観論を打ち破り、楽観的になれ。実はそれこそが何よりも難しいことかもしれない。
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合理的楽観主義。交換と専門化により集団的進化してきた人類は、今後も外的変化に適応して発展し続けるだろう。悲観的予測より楽観的予測がこれまでもこれからも正しいのは、知識の専門化とアイデアの交換で、発見や発明が枯渇することなく生み出され、益々、加速して行くから。
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分業、専門化、交易が知識と情報の発展を促した。
この本に通底する楽観論に同感。
具体的な例を多く盛り込んでいるが、もう少し簡略化したほうが読みやすいのでは。
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人類の10万年史を振り返ると、近現代の生活水準の向上は驚くべきものである。現代社会の抱える恐るべき貧困でさえ、個別的な事例の悲惨さはさておき全体的な視点から見れば、過去の歴史における破局的な貧困よりはマシであるのは間違いない。ことによると我々人類がマルサスの罠に捉えられていたころの平均的な生活水準でさえ、現代人の感覚からすれば貧困状態と言っても間違いかもしれない。我々は、ともすれば、この科学技術社会を語る際に、産業革命以前の社会のノスタルジックな側面と対比しがちであるが、ノスタルジックな幻想を抱くことも多いが、「世界は常に良くなってきた」ことを、もっとキチンと認識すべきである。
というのが、本書の主題。そこまでは文句なしに☆5の内容。そこから派生的に、「世界はこれからも良くなるだろう」という主張が繰り広げられるが、その部分は☆3かな。
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本書によると、人類とその他の生物の違いは分業化からくるイノベーションにあり、そのおかげで例をみない繁栄ができたとある
本書の細部がどこまで正確かは議論があるとは思うが、
全体像としては極めて正しいと思う
未来に対して楽観主義過ぎる様にも見えるが、
イノベーションに制限を加えない前提においては、
正しいのだと思う
ところで、本書の視点で日本を見ると怖くなる
世の中的に先端の研究開発していると見られている
企業ですら分業が下手で突出した個性を活用できない
(問題意識はあるのでまだましだが・・)
教育、特に初等教育は更に悲惨で問題意識すらなく
分業のアーキテクチャーを構想できる人材や
分業化において突出した能力をもつ人材を
徹底的に排除しているようにしか見えない
この国がどうなってしまうのか心配・・・
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「昔は良かった」という人達がいるが、現在の世界は50年前に比べて格段に良くなっている。便利なものはより便利に、より安く入手・使用することができるようになった。平均寿命も延び、乳児死亡率も低下している。
著者は自分が「合理的な楽観主義」だという。資源の枯渇や環境汚染が騒がれているが、新たな資源の可能性はいくらでもある。また環境汚染でも、排気ガスが発する有害物質は減っている。この先の世界もそう悲観するものではない。
ということが具体的なデータを並べて示されている。
著者は原子力発電が主力になっていくとしているが、これは東日本大震災による福島の事故から修正されるべきだろう。著者の今の考えはどうなっているのだろうか。
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10万年もの人類史を振り返り、どのように人類が繁栄してきたのかを説いた話。人類がある時期を境に他の生物とは異なる凄まじい繁栄を遂げてきた原因は「交換」と「専門化」にあると著者は言う。
また、原題が「The Rational Optimist」であるように、(理性ある)楽観主義で物事を捉えるべきだとも。悲観主義は一見賢そうに映るけど、歴史をひも解くとほとんど予測外してますよね?という恨み言も見え隠れする。
文中にある環境や身体に良さそうな「再生可能エネルギー」「有機農業」の利用を広げると、実はかえって環境破壊に加担することになるという話はなかなか興味深かった。
疑問に感じたのは、新エネルギーの活用には懐疑的である点。藻やミドリムシの可能性を研究している企業が登場し始めている今日、著者の考える以上の技術革新が世界をまたしても上質に塗り替えていくに違いない。楽しみ!
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まさに啓蒙書。蒙を啓くというか目からうろこがボロボロ落ちるというか。あまりの楽観論なので都合の良いところばかり鵜呑みにする危険性はあるが、悲観論に首元までどっぷり浸かった現代日本人にはこれくらいの本が適していると言えるだろう。文明バンザイ、成長バンザイ、都市・交易・イノベーションによる繁栄。現在が最も恵まれた時代であるという主旨は、後発書の「暴力の人類史」にトーンが近いが、「暴力」は膨大な数値データ・グラフで説得力を持たせるが、本書は語り口と参考文献で首肯。
いかにして現生人類は今ここにあるか。
年号はほとんど無いが、ある意味、これが「世界史」と言えると思う。
繁栄に群がる寄生者・略奪者である官僚支配による停滞と衰退。
自由交易による繁栄の果実を国家・政府が刈り取ろうとするのをどうすれば防げるのか。
国家・官僚という存在は、自由な交易・専門化・イノベーションによって生じた繁栄を1か所にとどめないよう寄生・略奪する、生態系を調整する役割を果たしているということか。収穫に群がるカラスの類だ。
テクノロジーが科学を生み出すという逆転の発想。確かに、CERNを見れば、そういうことか。現象が無ければ理論は生み出せない。
交易による繁栄の概念は、自分が持てるものを持ち寄り、お互いが欲しいものを持ち帰る、性善説的なネット集合知の青臭い理想が捨てたものではないと思わせる。
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分業は、交換という性向のおかげで達成された。
交換→分業→専門化→革新→時間の節約→生活の多様化→豊かになる。
資産市場は、投機、群集心理、不合理な楽観主義、独占や超過利潤、などで相場が上下する。
合理的な楽観主義。危機を脱却できる。
国内で格差が拡大しても、世界で見れば格差は縮小している。統計のパラドックス。
健康面、教育面では確実である。
ソローの自給自足は、現代では成り立たない。
労働の分割ではなく労働の掛け合わせ
物々交換の開始
交換は発明された=犬は交換しない。
男女による分業。
捕食者が獲物を獲り尽す前に、捕食者が激減する。
人類は、他の代替のお捕食物を開拓することで、人口を増やした。
ネアンデルタール人は交換しない=イノベーションがない。
リカードの比較優位の原則。
人口増加が収穫逓減の原因にはならない。イノベーションの原因になって生産性が増大する。
政治的決定は多数決による押し付け。商業は少数派のニーズを満たす。
大企業は報道、政府、顧客に戦々恐々としている。
生産性を向上させたのはコンピュータではなく、物流の進歩による。
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技術革新は終わらず、すすめば進むほど世の中は良くなる、との主張。過去よりもすべて良くなっているという。大気、温暖化等の環境問題も、技術開発効果により、発覚時のころからは大幅な改善がみられる(悪化の状況が緩和されているので良い)。楽観的に考えてよい。
確かに一理ある。すぐあおり文句に影響されてしまうが・・・