紙の本
単なる批判ではなく検証
2023/12/17 13:13
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投稿者:ちひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
私はヨガとアーユルベーダを習ったことがある。一応、日本の大学の医学部も絡んでいたこともあって、他の人とは違うと思っていたが、大学という権威付け自体、それのみでは危うかった。検証されていないものを大学が取り上げることもあるというから。弱った。
厚労省の統合医療情報のサイトでも本書と同様に様々な情報が検証されて紹介されているので、興味のある方はそちらで最新情報を得るのもいいかもしれません。
「一酸化二水素という化学物質の危険性」というデマ(笑)
学校で習う科学の知識があれば、ちょっと考えれば分かる話だけど。
紙の本
告発者サイモン・シン
2022/10/09 10:53
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は暗号解読やフェルマーの定理 他の著書で有名なサイエンスライターであるが、本書は前著と比べて論調が全く違う。冷静なサイエンスライターではなく、似非医療の告発者 としての怒りの論述に満ちている。二重盲検の重要性などエビデンスベースの論述には納得せざるをえない。特に鍼灸に関しては、日本で国家資格になっているせいもあり、反論が多いような気がする。しかし鍼灸の理論が「気の流れ」である限り、科学としては成立しないと感じた。
電子書籍
鍼灸は効果体験あるので、私は嘘じゃないと思うんだよなぁ。
2018/06/22 18:59
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投稿者:たい - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書では、鍼灸は最終的にあんまり…って感じの見方ですね。ただ私は鍼灸がなくなって欲しくないです。鍼灸のみのことを、実体験から言うと効果あると思ってます。個人的にプラシーボだけじゃ説明つかない気がしています。(それにしても中国の鍼灸を広めようとしてついた嘘が、結局鍼灸を悪印象に導いてるのが残念すぎる)
自分が鍼灸で治ったもの紹介しておきます。首のコリ痛み、肩甲骨のコリ痛み→鍼してすぐに痛くなくなった/咳しすぎて2週間くらい肋骨が痛かった→鍼灸ですぐ治った/1年以上続いてて、整形外科でも湿布しかもらえなかったぎっくり腰→鍼して鍼の痛みがあったが1weekで鍼の痛みを忘れたころ、全然痛くなくなった/座骨神経痛→おばあちゃんが、お風呂上がりも立って体拭けなかったのが立ったまま拭けるようになった/掌蹠膿疱症→お灸すると症状が悪化せず収まる。ただし根治はせず、対処療法/美容鍼→終わったすぐは肌の透明感アップ、視野が明るくなる/不眠→鍼灸受けた後に、めちゃ眠くなってぐーぐー寝てしまった。です。
鍼灸は薬による副作用の心配がないし、例えプラシーボ効果かもと思っても試しに受けてもいいと思います。心配なら、病院も行ったらいいし。ちょっと、本の感想を越えてしまったかもしれませんが思ったこと書いてみました。
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漠然と体にいいだろうと思い込んでいた鍼治療やカイロプラクティック等々、科学的には全く根拠が無いばかりか危険でさえあることを知った。
ほとんどはマスコミに刷り込まれたのだと思うが、いかに騙されやすいかを再認識。
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本書で主として取り上げられている代替医療は、「鍼」「ホメオパシー」「カイロプラクティック」「ハーブ療法」の4種類(他のものも多数とりあげられている)。
科学的な検証の結果は本書を是非読んで欲しいが、プラセボ効果との兼ね合いもあり、素人では判断はなかなか難しいところ。だからこそ、専門的な検証をきっちりとして欲しいものだ。特に、代替治療に効果があると主張する人たちは、それを科学的に証明する義務があるだろう。少なくとも、9歳の少女が実験で得た結論を覆すことができるだけのことを(p.363~364)。
笑える逸話としては『謎の殺人化学物質』という記事で取り上げられた一酸化二水素(DiHydrogen MonOxide:DHMO)だろう。まんまと欺される人もいるだろうなぁ(p.444~445)。
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文庫化でタイトルが変わってます。元の題は「代替医療のトリック」。鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法などなど様々な代替医療について詳しく調査しています。科学的にメカニズムが解明されているのか、そうではないとしてそもそも効果はあるのかないのか。多くの代替医療はどちらにも×印がつくわけですが、中には効果があると言えるものもあります。
著者は科学者ですし、努めて公平な態度で検証に臨んでいるようですが、調査結果に対しては怒りを感じているようです。まーでも世の中ってそんなもんw
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原題「Trick or treatment?」の茶目っ気は感じられない邦訳タイトル.中身の情報量は多いが、読み応えとしては「フェルマーの最終定理」などには遠く及ばない.結論が妥当で,ある意味予想通りのものばかりであることから,より強くそう感じるのかもしれないが.第VI章の,プラセボだろうが何だろうが効果があれば良いじゃないか,という問いに対する筆者らの答えは必読.「文庫版訳者あとがき」も地味に有用.
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鍼や整骨、ハーブ療法など、広く用いられていながら未だ科学的医療のお墨付きをもらっていない代替医療。
それらに焦点を当て、科学的見地から有効性を検討しよう…という試みがとても興味深かった。
はじめに過去の似非医療法が暴かれた史実とその方法論が語られるため、読者は抵抗なく科学的な検討とは何かを知ることが出来る。
その後、現代に蔓延る代替医療の歴史、それについて行われた実験と、結果からの考察が述べられる。
好感が持てるのは、本書の目的が科学の権威で代替医療を潰そうということではなく、あくまで公正に(この場合、科学的という意味で)効力を判断しており、有効なら活用していこうという柔軟で前向きかつ真摯な姿勢を貫いていることだ。
WHOの見解をただ鵜呑みにするのではなく、そこからもう一歩踏み込んで検証していることに驚く。そういった切り込み方が中身をより濃くしている。
科学的な検証、疑いを晴らすための論議では、ロジカルな思考を楽しめるし、付随して語られる史実は驚きを与えてくれるので、伝記と科学本をないまぜにしたようなテイストで飽きない。
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(ネタバレあり、です)
代替医療。それは、冷たい科学的な医療に対する暖かくて人間的なもうひとつの治療方法ではないのか。
読みながら、何度も息を飲んだりグゥの音をあげたり溜め息をついたり唾を飲み込んだりした。
本書では、鍼、カイロプラクティック,ホメオパシー、ハーブの4つの代替医療を「科学的に」検証している。
本書の結論は以下の通り。
(1)鍼はごく一部の症状に効き目があるが、それ以外にプラセボ(プラシーボ)効果を上回る効果はない。
(2)カイロプラクティックはある種の腰痛に効き目があるが、ほとんどはカイロプラクティックというよりはマッサージの効果であり、プラセボ効果を上回る効果はない。椎骨周辺を触ることにリスクがある。
(3)ホメオパシーはまったく効果がない。むしろかなり有害である。
(4)一部のハーブは一部の症状に確かな効果がある。使い方を間違えると危険(飲みあわせ)。その他は、プラセボ効果を上回る効果はない。
共同著者の一人、エルンストはホメオパシーの実践者、推進者であり、西洋医学ではなく代替医療で初めて大学の教授になった人だ。その人が、こういう結論に達している。
第一章はモノゴトを「科学的に検証する」ということを丁寧に解説している。科学的な検証によって否定された瀉血や強制労働などの有害な治療法。科学的な検証により肯定された感染症に対する清潔/消毒/ワクチンの有効性。二重盲検やランダムサンプリングなどの手法がなぜ大切なのか、豊富な事例を使って説明する。
その後、上にあげた4つの代替医療の有効性を順番に検証していく。
本書の白眉は「プラセボでも治るならいいじゃない」に対する反論だ。
(a)科学的に検証された現代医療の治療法では、生理的化学的な効果とプラセボ効果の両方を得られる。代替医療にはプラセボしかない。
(b)プラセボ効果は効果が不安定である。例えば、信じる人にしか効かずバレると効き目が無くなる、同じ症状に対する処方がバラバラ、など。
(c)プラセボでは治らない病気がある。ビタミンの欠乏による壊血病、不潔な環境での感染症など。代替医療は概して「何にでも効く」と主張する。
(d)プラセボは進化しない。現代医療は進化改善し続けている。
(e)現代医療は、医師も製薬会社も厳しい何段階にも及ぶ審査が課せられている。それでも医療事故が起きている。代替医療にはそれがなく、簡単なトレーニングで治療者になりほぼノーチェックで薬を処方している。その結果起きている事故について、あまり知られていない。
などなど。
私個人は、家族友人に現代医療の従事者が多いこと、それなりに科学的論理的な思考を好むことから、どちらかといえば現代医学寄りの人間だ。一方で、文化人類学を研究したことから、近代科学になじまない考え方の価値をも大切に思っている人間だ。
ホメオパシーは完全にアウトだと思っていたが、鍼を含む東洋医学や、カイロプラクティックと通じるところのある整体には惹かれるものがあり、「信じれば救われる」のを良しとする信条の持ち主だ。
代替医療に対しては「プラセボよりはある程度マシな効果があ���」と思っていたのでショックを受けている。本書は「ほぼプラセボしかない」と言っているから。
読み終わって「ちょっと待ってくれ、時間が欲しい」と著者に呼びかけてしまった。
ただ、これだけは言える。
本書が大前提にしている「(本人や周りの意思と関係なく)病気が治ることは良いことだ」は、常にそうとはいえず、良い場合とそうとは限らない場合があるということ。
本書の「科学的な検証」が有効な射程とそうでない領域があるということ。
全体は部分の集合ではなく、生物としてのヒトは細胞の集まりかもしれないが生きている人間はそれ以上の何かであるということ。
なお、少々気になったのは、本書の肩入れ。代替医療の*効果*になると科学的に有為かを厳しくチェックしているが、代替医療の*副作用*となると(代表性バイアスにとらわれる傾向にあるなど)科学的な態度ではなく「ほら見ろだから代替医療はダメだ」という傾向が見られる。この点は残念。
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第1章では、科学的に証明されていない治療法を施すことがいかに恐ろしい結果を引き起こすのか、を描いていた。ビタミンが発見されていない時代には、壊血病は船乗りにとって致命的な病気であり、血を流すことが治療となると信じられている時代には、瀉血がただしいと信じられていた。このように、医療効果を科学的に証明されていない治療法を使う恐ろしさをまざまざを知らされた気がした。
第2章以降は、個々の代替医療が科学的に証明できるかどうか・できたかどうかを論じている。鍼治療やホメオパシーと呼ばれる代替医療は、プラセボ効果にすぎないという結論が出せれていた。プラセボ効果があるなら、治療法としてはいいのではないかと思っていたところ、次のページで速攻で論破されていた。
最終章でも、なぜ、プラセボ効果しかない治療法が危険なのかも論じられており、納得できる内容であった。総じて、代替医療と呼ばれているものには、プラセボ効果以上のものはなく、また、それがあれば良い方であり、人体に対して有害なものもある。だからこそ、代替医療を安易に使うことを止めた方がいいのだろう。ただ、全員がこれを「知る」ことはできない。これが今後の一番の問題なんだろう。
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サイモン・シンの最新作だけど
書評読んで今までとは方向が違うようなので
躊躇していたのだけど
読んでしまった
やっぱりサイモン・シンに
求めるものとはちがうなあ
鍼について好意的なWHOの報告に
ダメだしするとか驚いたこともあったけど
やっぱり
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サイモン・シンさんの著作は文庫版ですべて楽しく読みました。
代替医療の評価は説得力ありますしその効果解明のエピソードも面白かったのですが、でも代替医療が無くなることは無いと思う。今の「正当な?」医者がどれだけ患者に時間を費やせているのか?。多少効果に疑問があっても患者の言うことに耳を傾けてくれるところに人は流れて行くのではないかと。それが高く無益で、それどころか有害かもしれなくとも。
僕には現代の医者に不信感を持っている。本書を読んでも拭いきれないほどの。
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2000年以上前にヒポクラテスはこう述べた。
「科学と意見という、二つのものがある。前者は知識を生み、後者は無知を生む。」
この本では「〇〇を試した所、元気になりました・・・」という体験談は全て意見として扱っている。ある人が何かを試して効果があったとしてもそれは科学ではなく意見だと。では、科学として取り扱われるのは何か?簡単に言うと証拠に基づいている事である。例えば統計的なデータに基づき効果が有ると言えるか。対象者はランダム化されているか。ブラインドテストをくぐり抜けたかなどで、特にランダム化とブラインドテストを経た者は理論がどうであれ医療効果が有るとされる。現代最高の科学ジャーナリストのサイモン・シンが代替医療(ホメオパス)における世界初の大学教授エツァート・エルンストと組んでいろいろな代替医療を検証している。
鍼の真実
ーいくつかのタイプの痛みや吐き気に対して効果が有るという信頼性の高い臨床試験結果は有る。しかし、同様に効果を否定する信頼性の高い結果も出ている。ー
経絡、経穴は存在しない。秘孔もなければケンシロウもいない。少し残念ではあるのだが。
鍼が効いたという体験談ならいくらでもあるし、その体験が間違いだと言うのではない。
治験者に知らせず、経穴の一定の深さに打つ鍼と偽物の鍼(皮膚表面をさすが押すと引っ込むので経穴には届かない)を使ったブラインドテストの結果それぞれの効果に差は出なかった。プラセボ効果(効くと思えば症状が緩和する)以上の効果はほとんど見られなかった。
ホメオパシーの真実
ー忘れましょうー
インドではアユールヴェーダと並んであらゆる階層で用いられているホメオパシーだが別に神秘性はない。18世紀末のドイツの医師ザムエル・ハーネマンがマラリアの特効薬キナの木(キニーネの原料)を健康な人が飲むとマラリアにた症状が出ると言う事から思いついたのだ。健康な人に症状を起こす者は病気を治すと。そしてよくわからないのだが薄めれば薄めるほど効果は強くなるという。たとえばホメオパシーで百倍希釈をCで表し30Cと言うのはごく普通なのだがそこまで希釈するともとの分子はまず含まれていない。普通はここまでで証明終了だ。
それでもいくつもの研究成果をちゃんと検証している。おつかれさんですな。
フランス産の1羽のカモの肝臓と心臓から取られるホメオパシーのインフルエンザ・レメディ(治療薬と思ってください)は2千万ドル以上の売り上げが見込まれているのだが、その容器には薬剤1g中、蔗糖0.85gと乳糖0.15gと明記されている。
カイロプラクティックの真実
ー腰痛に効果があるケースはある。より安い通常医療で効果がなければ試してみてもいい。ただし首は絶対に施術させない事ー
残念な事に腰痛に必ず効く治療法は無い様だ。カイロプラクティックでは無理に外的な力を込めて動かす技術を使う。1997年に治療を受けたカナダの女性は頸椎にマニュピレーションを施した結果、椎骨動脈を損傷し、できた血栓が脳につまり死亡した。骨がばきばきなると効いた気になるがあれは指の骨と同じで気体の泡がはじける音���。ストレッチの際に言うように無理な力をかけない、反動を使わないやり方のほうが明らかにリスクが少ない。
ハーブ療法の真実
ー効果があるものとないものいずれも有る。近代薬のもとになった。ー
普通の薬は天然物の中から薬効成分を抽出し、化学組成を少し変えてできるだけ効果に対し副作用が少なくなるように膨大な時間と金をかけた臨床試験を行っている。天然物が安全で、人工物が危険だという思い込みには何ら根拠が無い。それでも薬害は起こりえるのだが。また例えば漢方薬の重金属汚染などもニュースになったように薬効とそのものの安全性は少し異なる。
ラベンダー「不眠には効かない」、朝鮮人参「基本的に効果なし」、ニンニク「高コレステロール血症に効果は有るが、血糖値を下げる可能性がある」等々。効果の例の割りに副作用の項目はたくさん並んでいるのではあるが化学屋からすると「毒は薬」効果は有っておかしくない。普通の薬との相互作用も注意すべきである。
科学的な手法を用いて大きな成果を上げた有名人は誰か?候補はいろいろ挙がるが知らなかったのがナイチンゲールだった。戦場病院で一生懸命手当てした人と言うイメージだったのだが実際には統計に基づき病院の衛生管理をする事で死亡率を大きく下げた科学者でもあった。一方で伝統的なやり方が明らかに間違っていた例もある。瀉血といって病人を傷つけ悪い血を抜くという治療法は今では考えられないが19世紀までは通常の医療だったため、結果としては治療をしない方が長生きできた例は多い。
原題はTrick or Treatment ? サイモン・シンは英国カイロプラクティック協会から名誉毀損で訴えられ最終的には勝訴したが2年の歳月と二十万ポンドの支出を強いられたらしい。
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現在の医療における主流派ではない、代替医療について、
その効果について明らかにしている。
本書で主に取り上げられているのは、世界で利用者も多い
・鍼治療
・ホメオパシー
・カイロプラクティック
・ハーブ療法
が対象だが、それぞれを検証する前に、
まずは現代の『科学的根拠に基づく医療』の発展の経緯から紹介されている。
それによると、
『科学的根拠に基づく医療』が広く認知されてきたのは二十世紀も半ばのことであり、
言葉ができてからはまだ20年ほどしか経っていない。
一八世紀にジェームズ・リンドが壊血病に対して行った臨床実験から始まり、
ナイチンゲールによる衛生との関連性の実験や、ヒルとドールの喫煙とガンの関係性をレポートであったり。いずれも従来医療の常識を覆している。
伝統・信仰により行われてきた従来の医療に対して判決を下し、よりよい方法を判断する。
『科学的根拠』と名がついているものの、そこには科学的な原理解明は必須ではなく、
あくまでも客観的に再現可能な方法で、プラセボ効果も(できる限り)影響させない状況で効果があるのか無いのかを評価していくだけのことであり、代替医療と呼ばれているものについても、効果有りと判断できる実験結果さえ整えば『科学的根拠に基づく医療』は受け入れる立場である。
そして先の代替医療に対する結論としては
鍼治療、ホメオパシーについては
プラセボ効果以上の効果はないと言っていい状況である。
ハーブ療法についても、その成分の働きは認められるものもあるものの
検証されているものについては既に現代医学に組み込まれている。
自然からなるハーブであっても、化学合成された医薬品と同様に効能も副作用もある。
そして、カイロプラクティックについては十分な臨床実験が行われておらず、
業界もその検証については非協力的である。
鍼治療については実際に人体に針を打ち込む必要があるため、
偽薬による対照実験が行えず、刺さらない偽の針や、経穴をずらす偽鍼を対照に用いている。
施術者に対する二重盲検法は行えていない。
科学的に効果が無いと判断されている代替医療について、
いまだ多くの利用者が存在するのは、メディアによる宣伝効果やプラセボ効果によるものが大きい。
プラセボ効果であっても、効果があればよいのではないかという意見も存在するが、
代替医療に頼ることにより通常医療を受ける機会を失うことや、
ハーブ療法等は実際に効能があるために、通常医療との併用で悪影響を及ぼすことが有る。
また、鍼治療では少ないものの、カイロプラクティックではその施術により体を壊してしまうこともある。
『科学的根拠に基づく医療』が目指すのはあくまで
患者に対する誠意有る態度であり、一度結論づいた内容であっても批判があれば検証が行われている。
伝統医療からすれば日が浅いが、十分に信用に足るものであることは、本書を読めば重々に伝わってくる。
しかし、現代医療は万能ではないし、WHOも早計な発表をしてしまうことがある。
メディアは注意を引くためにセンセーショナルに不安を煽ったり、代替医療の神秘を謳う。
惑わされずに正しい事に、時間・資金・精神を使うために、
このような本が読めたことは嬉しい。
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代替医療について統計学を用いて徹底的に有効性を検証する内容。
分厚いけど、フォーカスしているのは鍼、ホメオパシー、カイロプラティック、ハーブ治療の4つ。そのおかげで、一つ一つを解説を丁寧に、また予想される反論に対して説明を加えている。
結論として、大体の代替医療は現代医療よりも効果がなく、それどころかまったく効果がないか寧ろ悪影響を及ぼす危険性があるとのこと。ブラセボ効果のみ期待できるが、現代医療はブラセボ効果+薬の効果が期待できるため現代医療を利用するほうが費用的にも負担が少なくかつ安全で効果も高い。
代替医療マーケットが大きくなったのは、マーケティングの上手さ、カリスマの存在、セレブリティが関与しており、代替医療そのものの効果が高いためではない。
現代医療の発展の歴史、代替医療の危険性等普段生活では触れることがめったにない話題だったので面白く読めた。話題展開が一段ずつ丁寧に行われてたので読んでて分からないところはほとんどなかった。次は、フェルマーの最終定理かな。