紙の本
タイトルとはちがい隆景の偉大さが分かる一冊
2020/03/03 18:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
『村上海賊の娘』を読み、読みたくなった一冊。村上海賊の頭領である武吉が主人公。でも結構毛利家、や小早川隆景が、ガッツリ登場し、あまり隆景についてこれまで知らず、興味深く読めました。元就や隆景の本を探して読みたいと思いました。最後の方、武吉は自由に海賊ができなくなりますが、それも時代の流れに関係なく、いわゆる頑固ジジイ的なところが原因だっのかなぁとも思うとともに、その尻拭いを柔軟な思考を持つ隆景がしているという構図に、隆景の偉大さを感じました。
紙の本
武吉を初めとする舞台上の人物たちは時代の波に翻弄される
2023/05/26 06:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マーブル - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上武吉を主人公とはしているが、描いているのは時代の大波に翻弄される海賊の運命に止まらず、国や家の行く末に執着する故揺れ動く多くの人々の運命。前半影の薄い秀吉が物語に存在感を現すようになる後半。武吉を初めとする舞台上の人物たちは時代の波に翻弄される。出兵命令。国替え。人質の要求。何かを守るために一時的に従ったものが、いつの間にか逃れられない程の大きな波となり、さらに追い詰められていく。サラリーマンであればこの苦しさは身につまされるはず。理不尽と思っても、承服できぬと怒りを覚えても、否と言えないこともある。
投稿元:
レビューを見る
我がご先祖、村上武吉のお話です。村上家の当主、村上武吉と当時の政権を握る豊臣秀吉との話です。
主にあまり知られていない村上武吉の視点から書かれています。んまぁ僕としてはとてもいい話になっているとは思いますが…………歴史なんて所詮生き残った人間が都合のいいように書き換えたものであって、本当のことは何もわからないってことがよくあるもんです。僕はご先祖が好きですから、ほんまはどんなんやったんかなってものすごく興味が出てきて、本の感想どころではなくなってしまいました><
投稿元:
レビューを見る
戦国の海賊、村上武吉を主人公とした一代記。武吉が毛利とともに飛躍したのも束の間、豊臣秀吉が天下を獲るにおよび、徐々に落ちぶれていく様を描く。表題の設定から最初のころは武吉と秀吉のからみに意欲があったように見受けられるが、徐々に武吉の悲哀に重点を移しているように思う。
投稿元:
レビューを見る
筋を重んじ無骨に生きる。
自分と自分を信じるものを守るために、信念を貫く。
孤独だが、それを自分の置かれた立場と受け入れる。
時代が大きく変化するなか、次々と目の前を立ちはだかる巨大な敵に対し、勇気を持って立ち向かっていく。
そんな武吉の生き方に勇気をもらいました。
投稿元:
レビューを見る
村上水軍の総大将・村上武吉の話。タイトルに「秀吉と」とあるが、ほぼメインは武吉の話。
秀吉が「天下統一」で勢力を伸ばす中、毛利家は秀吉側につくことになる。一方武吉は、海賊としての誇りを捨てず、秀吉に屈しない。
秀吉は、村上水軍を不自由な土地へ飛ばしたりと、あの手この手で武吉を苦しめる。息子は「父のご指示に従います」と頼りない。給料を払えないため、次第に部下たちは離れていく。最後は後妻一人に看取られて死んでいく。
世の中をうまく渡り、コントロールしていったのは秀吉だが、自分の意思を貫き通して生きたのは武吉のほうだろう。成功者として豪勢な生活を満喫しつつ、常に暗殺者に怯える秀吉。一方瀬戸内の海を眺めることができることに幸せを感じる武吉。どちらが幸せだろうか。
投稿元:
レビューを見る
しまなみ海道を旅するにあたり、予習として読みました。
普通に眺めても充分美しいな海ですが、この本を読むことでかなり旅の視点が違ったと思います。
泊まった民宿の経営者が村上さん。いやそもそも、町中見渡す限り村上さん。
村上内科医院、クリーニングむらかみ、村上青果店、村上司法書士事務所…etc.
いや〜ほんとに皆さん村上水軍の末裔なんですね。
柑橘類や魚介類など食べ物も美味しい土地ですが、もしこの中に行かれる機会がおありなら、是非この本を鞄に忍ばせて行って下さい。
感想というより単なる私の旅日記になってしまいましたが、時代の流れに翻弄されつつも自らの道を貫き通そうとする生き方に感銘を受けます。
私のようにあまり日本史の基礎知識がない人間でも理解できる内容でした。
投稿元:
レビューを見る
瀬戸内の水軍武将・村上武吉が、やがて押し寄せる「天下統一」という大波の中で苦悩し、もがき、意地を見せつつも時代に翻弄されていく様を淡々と描いた良作。内容的に武吉の壮年~老年時代が中心なので、雄々しい海賊衆の活劇というよりも、一国の、宗家の頭領として乱世をどう生きるか―という内面描写に重きが置かれていると思います。それでも序盤の三島団結した力強い海戦や、関ヶ原でもう一花咲かせようと奮起する姿には乱世の武将としての凛々しさを感じます。11年6/5読了。
投稿元:
レビューを見る
日露戦争で大活躍した『坂の上の雲』の主人公と言える秋山真之が戦術の参考にした村上水軍の栄枯盛衰の話。
それはサムライの栄枯盛衰として見ることもできる。
しかし、瀬戸内海を制し、通行料で食っていくという安定的に見えるビジネスが一気に成り立たなくなるという過程としても見ることができた。
掟を重んじ、最強を誇った村上水軍は新しい時代の到来になす術もなく散った。
組織が属人的であったり、改革が進まなかったり、今よく新聞で目にするような苦境に立つ企業のような話がよく出てくる。
いつの時代もforward lookingでなければやっていけないのだ。
投稿元:
レビューを見る
天下に名高い村上水軍の最後の輝きから信長・秀吉による天下統一の流れの中で消え去る運命にある海賊衆の意地と悲哀の物語。
主人公武吉の著した戦術書を後に伊予水軍の末裔である秋山真之が参考にしたのかと思うと興味深い。
投稿元:
レビューを見る
海賊にも算盤、規律をと戦国期を生き抜くために既成概念に捕らわれず改革を断行した村上海賊の総帥武吉の半生を描く物語。敵にしては謀略の限りを尽くし、民には仁を尽くす毛利元就との触れ合いや時の権力者豊臣秀吉との確執を通じ揺れ動く心の様と海賊としての覚悟を忠実に描く。「坂の上の雲」でお馴染みの秋山実之が参考にしたとされる「能 島海賊古法」による水軍戦術のエッセンスが随所に垣間見える。唸る歴史小説です。
投稿元:
レビューを見る
大河ドラマ黒田官兵衛を反対側から追っていく感じ。穏やかな瀬戸内海の島にこんなに荒々しい海賊がかつては勢力を持っていたとは知らなかった。
投稿元:
レビューを見る
村上水軍総統領 村上武吉の生涯。海の男の意地、その生き様は格好良い。死に様も大事だろうとは思うが、やはり生き様。あと、毛利家の話がたくさんでてくる。毛利元就の三フレッチェくらいしか知らなかったので興味深かった。時代としては毛利家が中国最大の大名になるちょっと前くらいから関が原終わりくらいまで。
投稿元:
レビューを見る
和田竜さんの村上海賊の娘を調べていたら、「こちらの方がわかりやすい。」という書き込みがあったので読んでみた。
海賊の意地が見えた。かっこよかった。
投稿元:
レビューを見る
司馬遼太郎著『播磨灘物語』は秀吉の側近、黒田官兵衛を通して戦国時代を描いている。城山三郎著『秀吉と武吉』では侵略される側、毛利一族に見方する村上水軍の長、村上武吉の一生を通してこの時代を読み解く。信長亡き後、天下統一を狙う秀吉に比べ、西国より越境して他国を侵略しない家訓に縛られる毛利家は、時代に逆らえずに権威を失堕していく。