紙の本
戦慄の内容
2017/09/05 23:29
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投稿者:こゆき - この投稿者のレビュー一覧を見る
元裁判官とジャーナリストの二人の対談。会話形式なので、とても読みやすいし、質問に答えるという形なので分かりやすいので、法学に疎い一般人(自分)でもすんなり読めました。オススメ!!
日本国民(日本国の権力の及ぶ場所の住民)として知っておくべき、日本の司法の現状。
政治権力との癒着(といわないまでも与党の顔色をうかがう判決)や民間への天下り、それを取材するジャーナリズムも御用記者ぶりに、庶民は絶望するしかないのか!?
原告有利となった名誉毀損スラップ訴訟の増加や、いつか関係するかもしれない、裁判員制度の欠点と希望にもふれられています。
読みやすいためにリアルに伝わってくる恐ろしさに、しばしば読む手が止まってしまいましたが、このように読み応えのある、良書は久しぶりです。
樋口英明裁判官が最高裁にお勤めになったときには、そのお名前だけには国民審査でバツをつけまいと思っていましたが、そんなことにはならなかった理由も、よくわかりました。結構最初の方で、裁判官は優秀なんだけど知識が偏っていて、自然科学や芸術には疎い人が多い、お金の感覚も庶民と違う、という話も出ていて、すごく驚きましたが、そうなると納得することも多い。
学校では三権分立と習ったけど、日本では確立されてなさそう。
とはいえ、絶望的な事ばかりではなく、良い点、改善策も語られています。とにかく、厚めの本ですが、すみからすみまで面白かったです。
紙の本
良い本でした
2017/10/28 07:59
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投稿者:ぴー - この投稿者のレビュー一覧を見る
裁判所は本当にお役所です。個人的でありふれた事件の解決には適していますが、ちょっと面倒なことや権力がからむ事案になると、がんばってくれる裁判官はごく少数なんですね。
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投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
元裁判官になってから「あのとき実は……」と暴露する人が一部いますが、こういう事情があるということなのでしょう。
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「絶望の裁判所」の著者、元裁判官の瀬木比呂志と、「殺人犯そこにいる」の著書でジャーナリストの清水潔の三日間にわたる対談をまとめた一冊。基本的には清水さんが質問者でそれに瀬木さんが答えるという形式。両者の著書を読んでいる読者にはそこまで目新しい内容ではないかもしれないが、お互いに突っ込んだり質問したりしながらの対談の内容をそのまま対話形式でまとめてあるので、内容はより分かりやすくなっていると思う。最高裁に統制された日本の裁判所は「権力の監視機関」ではなくて「権力の補完機関」になっていると言うのは、なかなか重い事実のようだ。記者クラブ制度によって政府権力の広報機関に成り下がっているマスコミもしかり。行政裁判の弁護士は法務省に出向している民事系の裁判官が担っているとか、一般人には驚きの事実もたくさん。どこが三権分立じゃ。現在の最高裁がいかに権力よりで期待できないか、と言う事実も正直驚きと同時に失望を感じた。テレビを置いただけでNHKとの受信契約を結ばなければならないとする放送法の是非を問う最高裁の判断が今年中になされようとしているので、「契約の自由」との整合性がどう判断されるか楽しみだったのだが、こりゃ期待してもダメだな、と言うことが良く分かった。
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原発メーカー東芝に天下っていた最高裁判事がいる。
裁判官の再任制度には一部の左翼弁護士も協力した。『法服の王国』はこれら左翼弁護士たちの影響を感じる。
検察は、検事総長すら決定権を持たない小僧と言われるくらい、OBの影響力が強い。
恵庭OL殺人事件の最新裁判に、元啓示裁判官の弁護士が入っているが、あまりのずさんな裁判に怒り、瀬木氏と同じ意見ではないがこんなことがまかり通れば彼と同じ意見だと書いたくらい。
昔は最高裁事務総局が裁判官協議会を開催して統制することもあったがあまりに露骨ということで、司法研修所による裁判官研修会によって統制する。
瀬木氏がアメリカに留学した際アメリカの学生から日本の憲法判例はstupidと言われた。
★全く園通りだと思う。
『絶望の裁判所』が出た直後、韓国最高裁は留学中の裁判官に至急10冊送るよう指示。
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桶川ストーカー事件の真相を追った『桶川ストーカー殺人事件 - 遺言』と菅谷元死刑囚の冤罪も明らかにし、真犯人にまで迫った『殺人犯はそこにいる』という二つの調査報道の金字塔ともいえる力作の著者の清水潔さんと、元裁判官という立場から日本の裁判制度の問題を世に問うた瀬木比呂志の対談。
両者とも日本の裁判制度・検察制度について絶望感に近いほどの批判的見解を持っている。清水さんは外部から、瀬木さんは内部からの視点で強くそう考えている。実際にそれは組織論の観点でも構造的な問題であるといえる。清水さんは「この取材以降、裁判への見方は大きく変わった」と書いているが、おそらくはその事実は自分の考えている範囲であったはずだ。それが、改めてどちらかというとひどい方向で確認できたということだと思う。
瀬木さんが、裁判官の統治と支配に関して「上からの統制」と「半ば無意識の自己規制」によってなされるという表現を使っているけれども、ある程度大きな組織になるとそうなる。ただし裁判所は、それがかなり閉鎖された中で行われ、細かなヒエラルキーが存在する中で分散化されて強化されることでより一層強固なものになるのだろう。またそれが、三権分立のひとつであり、時に人ひとりの人生に大きな影響を与えることもある「司法」を司るものであるので問題なのである。
最後に憲法および司法と政治の話となり、最高裁が「憲法の番人」ではなく「権力の番犬」になっていて、「権力のチェック機構」ではなく「権力補完機構」として働いていると指摘する。つまり、国が判断してやっていることなんで合憲ですよ、とほとんどいいがちなのだと。それは、裁判所の組織としての構造的問題であるのだというのである。瀬木さんは法曹一元化というけれども、大きく組織が変わらなければ、ずっとこれは続くのだろうな。ソビエト共産圏は自壊したし、一般の法人は失敗するとつぶれていくけれども、官製組織はそこが解決の難しい問題なのだと思う。
それぞれの著者の著作を読んでいると特に新しい情報はないのではないだろうか。読む前から、二人にとっての「悪者」=「裁判所」というものが前提とされていた上での対話なので、話が合わないはずはない。合いすぎて、新しいことが出なかったのかなというくらいである。悪くはないけれども、対談ものなので、こういうところかなと。
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『桶川ストーカー殺人事件 - 遺言』(清水潔)のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4101492212
『殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』(清水潔)のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4104405027
『ニッポンの裁判』(瀬木比呂)のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4062882973
『絶望の裁判所』 (瀬木比呂志)のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4062882507
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清水氏との対談であるために、「絶望の裁判所」で聞いていたことが具体的でより納得できるものとなっている。
さらに、法務省と裁判所つまり行政と司法が一体運営されていることは、裁判官経験者には「当然のこと」だったらしく、本書で初めて知った。
統治機構と共に「報道」機関も劣化していることを、具体的事例と共に示されると、残された道は絶望しかないと思わされる。
韓国が日本を他山の石としている事例を見ると、そこに僅かに日本の存在意義が残っているかと、複雑になる。
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元裁判官学者と独立系ジャーナリストの対談、もともと両者とも日本の司法制度には経験的に否定的であるが、それが強調されている。大岡裁きのようなものは期待するものではなく、なるべく捕まらないことが大事と思われる。
基本的には政治を見ている役人であり、外の世界とは触れ合わず、堅いヒエラルキーの中で一生を終える仕組みになっているため、広い視野や一般性を持つことが難しく、政治に逆らうことはない。特に刑事事件は99.9%有罪になり、特に権力が絡むものは絶対である。地裁で画期的な判決を出したとしても現在の原発裁判のように統一見解が出され、当裁判官は左遷されていることもある。(がそれをメディアは報じないような記者クラブ内の癒着構造がある)。
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裁判官とはいえ人間。過剰な期待を求めてはいけないし、完全性も求めてはいけない。
しかし、この国の司法制度は正すべきところが多すぎる。
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『犯人はそこにいる』などの冤罪ルポで有名な清水潔と、元裁判官の瀬木比呂志による対談本。
清水が瀬木に裁判所や裁判官の実態を聞く形で進んでいく。
誰もが裁判所や裁判官に対して漠然と抱いていた信頼感(もちろん冤罪などはあるがごく一部の例外はあったが)が、この本を読んで崩壊した。
裁判官も普通の人間だし、裁判所はその性質が故に通常の官公庁以上に官僚的だということがよくわかった。
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これは必読! 原発訴訟や冤罪など、裁判官の世界から見る現実は生々しく、空恐ろしい。対談形式で読みやすく、エリートと呼ばれる人たちの悲しき生態が見て取れる。
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三権分立の制度の中で,司法はそれなりに独立して動いているものと予想していたが,全く違うことが良くわかる.最高裁判所が権力をチェックする機構ではなく,権力を補完するものだとの説明には唖然とするばかりだ.冤罪が起こるのもありうることだと認識した.メディアの対応も不十分なのは,司法ばかりでないと思うが,ジャーナリストの奮起に期待する.第8章の提案で,法曹一元化があったが検討に値するものだと感じた.
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日頃、接することがない裁判官の日常、生活、官舎、給与。最高裁判所をトップとするヒエラルキー、政府との結びつきと忖度、法務省や検察官とのつながりなどが対談形成で語られている。
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瀬木さんと清水さんの対談形式の本。
「絶望の裁判所」で読んだことと結構重なっていたような、、、
やっぱり、賛同する点もありますが、
裁判官等々に対する見方が一面的で、、疲れてしまいます。
こういう見られ方があるということは意識したうえでやっていきたいと思います。
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清水潔さんと元裁判官の対談本。
期待していたけどイマイチだった。
対談形式の本は、話があちこちにいって、起承転結がないから読みにくい。