紙の本
しかし日本人には無理
2018/08/12 15:07
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投稿者:ライサ - この投稿者のレビュー一覧を見る
無駄に感情論と支離滅裂な論理で認めたがらない人も多い今作。
普通に読めば正論ばかりのはずだが認めず変化を拒む人が多い故か。
さて本書は日本在住のイングランド人が書いた日本人への提言書。
彼は言っていないが「GDPを国内総生産」と訳した福沢諭吉の慧眼さよ。
そして「生産性向上とは一人当たりGDPの向上」と定義して話し出す。
しかし多くの日本人、そして特に経営者は「生産性」を誤解している。
特に多い間違いは「生産性向上は効率をよくすること」であると。
これも私は実感した。ようつべで無駄に反論してくるのはこの誤解をした人も多くいたからだ
日本の生産性は中国の都市部、韓国よりはるかに低くイタリアやスペインより下。ギリシャよりかは上、という悲惨な状況だ
筆者は「しかし逆に生産性をあげれば良い」「日本人は現場ばかり優秀で経営者が奇跡的に無能」「日本で特に生産性が低いのはサービス業」とする。
だが。私は実感したが何故か日本人には「無能な経営者を擁護したがる人」が異様に多いのだ。そして変化をしたがらない老人も既に多い。
40歳から人は変われなくなるとも言うが、そうするともう大半の日本人は変化を拒絶しているとすら言える。
だからもう日本人には無理なのだ。この30年、変われなかったのだから。
この国の「変わらない力は異常」と誰かも言っていたが本当にそうだと思う。
私は穏健的右派であるが、国を愛する人も今の日本には絶望を感じざるを得ないだろう。
なにぜ「社会人になってから勉強するか」の問いに「勉強している」と答えた人は西洋ばかりでなくアジアの中でもかなり低い確率である「男性13%、女性22%」でしかなかったのだから
もはや「日本人はよく勉強する」も死語と化した……
電子書籍
ブラボーです
2018/07/08 16:57
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投稿者:やりみずたろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読む前と今では生産性に対する認識が変わりました。日本経済の問題の本質に対しても気づきを与えてもらえました。
紙の本
未来の日本を予測した労働のあり方を説いた書です。
2018/05/07 08:23
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、超少子化を迎え、労働人口が将来的に激減する日本社会をネガティブではなく、ポジティブに捉えた画期的な書です。これから我が国は労働不足によって、個人の労働者としての価値が急速に高まる時代に入っていこうとしています。そんな中、労働者の質は特に大事で、我が国のような教育水準の高い人々は非常に質のよい労働力となり得ます。問題は、無能な経営者であって、経営手法をしっかりともった企業が、質の高い労働力を駆使すれば、どんな難局でも乗り越えられるのです。本書は、考え方次第で、これからの日本を元気づけてくれる書とも言えるでしょう。
紙の本
日本人への経済的警告
2018/05/19 12:39
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投稿者:病身の孤独な読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
何かと話題のアトキンソン氏の生産性に焦点を当てた書籍である。著者らしく自身の分析を信頼性の高いデータを基にして行い、その結果から経済学的に「当たり前」のことを主張している。生産性について調べたことのある読者や経済学を専攻していた方には、正直言って当たり前のことが書かれた書籍である。唯一経済学の教科書と違うのは、経営者批判と国への批判を含んでいることくらいである。論理はとてもわかりやすくかつ説得力がある。しかし評者はあえて、評価を少し落とすことにする。というのも、本書が出版されるということは、当たり前のことがわかっていない人が多いことを意味するからだ。おそらく、アトキンソン氏も本書が存在しない日本を本来は望んでいるはずである。その意味で、星を一つ落としておくことにする。
紙の本
おもしろい
2018/05/04 19:46
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
テレビのニュース番組でも見かける著者ですが、一見、逆説的に感じるが、おもしろかった。人口減少社会を、新たな視点で、とらえている。
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人口が減り、GDPが減っていく日本において、社会保障を維持し続けていくためには移民の受け入れよりも生産性の向上が必須となると主張する書籍。日本の国民は優秀であるものの、ものすごく生産性が低い。特に製造業ではなく、サービス業で顕著である。製造業は部品代等が価格の大半を占めるものの、サービス業は人が資本だからだ。これはひとえに経営者が無能だからである。低価格戦略は特に何も考えずにできる施策であり無能の長物である。またこの戦略により、労働者に給料が低く維持されていることも問題である。労働者の最低賃金向上は生産性向上と相関する。さらに今後は女性を活用していく必要がある。現在国の施策として既婚女性(専業主婦)に対する手当が手厚い。これを子供がいる女性に対する手当を手厚くしていくべきである。これにより将来的な労働人口の増加が見込める。加えて増えすぎた会社の数も生産性の低下に拍車をかけている。国は中小企業を守るのではなく、統合や廃業を促していくべきである。これまでのようにかなり辛辣な内容が記載されている書籍であり、なかなか考えさせられ、自身の知識の幅が拡がった。
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人口減少がもたらす劇的な変化に国、企業、個人がそして日本全体がどう対応しなければならないのか、対応していくか、を
各種国内外のデータを基に、元ゴールドマンサックス金融室長(現小西美術工藝社社長)のデーヴィッド・アトキンソンさんが分かりやすく解説した提言書
と言っても過言ではないと思います。
待っている余裕はないのです。
「もったいない文化」を実行に移す時がやって来ました。
日本(社会)、会社、個人を更なるバージョンアップにしたい(させたい)を目指している方々の必読書です。
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過激な正論を、定量データの分析と共に示すデービット・アトキンソンの新作は、生産性に関する一冊であり、個人的にこれまでの著作の中で最も共感する部分が多かった。
昨今の働き方改革議論の中でも、効率性と生産性をごっちゃにしている議論が一定程度混在しているように見えるが、生産性とは、GPDを人口で除した1人あたりGDPを指す。効率性論者が勘違いしているのは、いくら同じアウトプットを出すのにインプットとなる労働力を下げたところで、それはGDPを上げる方向には働かない(もちろん余剰時間で副業問等をするなら別であるが)ということである。
本書では、本当の生産性を上げるために、
・企業は顧客が望んでいる品質を向上させ、その対価としての価格をもっと上げるべき
・官民ともに女性の経済参加をより促進させるべきであり、子どもを持たない夫婦に対する扶養手当等の優遇策は一刻も早く廃止すべき
・日本は生産性の極めて低い中小零細企業が多すぎるため、最低賃金の倍増等により、これらの企業の統廃合を進めるべき
等の提言がなされている。
特に日本の企業数が多すぎるというのは非常に同感で、内需が縮小する中で、同業種の企業がこれほど多く生き残ってしまっている国は日本以外にはないだろう。ブラック企業に関する論調と通じるところもあるが、ブラック企業の多くは利益率が低い点に根本要因があるのだから、利益率の低いブラック企業を行き残すことに全く意味はない。そうした企業が中小零細企業に多いことを考えれば、そうした企業に対する無意味な補助金や事業承継に関する支援等は一刻も打ち切るべきだろう。
そういえば、これを読みながら思い出したが、日本の長寿企業をやたらと礼賛する風潮があるが、あれは全く理解できない。一定の利益率を出している長寿企業を礼賛する分には何ら問題がないが、長寿企業というだけで「だから日本は凄い」というような思考を持っている人とは個人的に関わり合いになりたくない。
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人口減少の問題の処方箋を扱った良書です。
人口減少は、まさに「今も着々と進行している大問題」です。
その人口減少で分かっていることは
①現在の人口数 ②これからの人口数です。
「当たり前だよ!」と言いますが、統計データーの中で、
将来の数字が、ほぼ確実に予想できる推計はあまりありません。
そのため非常に有用性があります。
人口減少が国に与える影響は、
①経済成長 ②社会保障制度 ③労働市場 ④財政・税制 ⑤金融市場
と多岐に渡り①経済成長に至っては、供給面である労働者の大幅減少による影響と、
需要面である人口減少・変動(年齢構成の変化)による消費市場への影響など、
あらゆる範囲に及びます。
つまり「人口減少」」という現象は
日本に住む一人ひとりが「どう、この状況に対応すればいいか?」を考え、
実行しなくては、いけない問題だということです。
「私には関係ないや」では済まされません。
今までと同じで、学校に通う。
今までと同じで、大学に通って、就活して、企業に入る。
今までと同じで、結婚適齢期で結婚する。
今までと同じで、退職する。
それらの、今までの「平均的人生」が、今後、間違いなく大変化します。
ただ、人口減少が負の影響かどうかは、どんな専門家でも、はっきりしません。
そのため「人口減少」をキーワードに、好き勝手に多くの識者が、
楽観論、悲観論、現実論にわかれて、喧々諤々の議論を繰り広げています。
一つ言えることは、経済成長を前提として社会システムを構築してきた日本にとっては、
この人口減少の「変化」に対応する経験則はないといってもいいと思います。
まず日本は、2060年までに生産年齢人口3000万人以上減ります。
※労働者の数ではないことに注意してください。実際3000万人よりも低い。
毎年80万人前後の減少です。生産年齢層が、現在日本の消費市場を支える観点から見ても、
この減少は、企業の今後の「あり方」について、とてつもない影響があることは、m
間違いありません。
社会を多方面で支える働き手が、
長期間確実に減少するということがわかっています。
改めて、指摘されると、相当なインパクトがあります。
データで詳しくみると(※著者は12年の統計を使っていましたが、最新のものを使います。
統計局より筆者作成)
<総人口> 2018年2月現在の総人口は1億2656万人
〇17年度の年代別人口は、
・15歳未満人口は 1560万7千人 前年より▲-18万9千人減少
・15~64歳人口は 7596万5千人 前年より▲-59万8千人減少
・65歳以上人口は 3510万6千人で 前年̟+56万2千人 増加
<総人口>2060年総人口は8922万人(18年より3734万人減少)。
〇60年度の年代別人口は、
・15歳未満人口は 751万人 17年より▲-809万人減少
・15~64歳人口は 4481万人 17年より▲3115万人減少
・65歳以上人口は 3690万人で 17年̟より+180万増加
そして、総人口に占める各年代の割合は、
2017年度
・15歳未満 12.3% ・15~64歳 60% 65歳以上 27.7%
2060年度
・15歳未満 8.4% ・15~64歳 50.2% 65歳以上 41.2%
※以上、全て低位で計算。
この統計データが、これからの日本を考える上で最も重要な数字です。
ここ40年で生産年齢人口が3000万以上減るとは、なかなか想像することはできませんが、
もっとわかり易い形で表現すると、
2018年の総人口を100としたとき→2060年は、75です。
2018年の生産年齢人口を60としたとき2060年は38です。
18年は60で支えていた40を
※40は若い人と高齢者の合計
60年は38で37で支えることになります。
いかに、生産年齢人口の人たちの【負担】が大きくなるかわかるはずです。
ちなみに過去の日本の生産年齢人口の推移を見ると、
※この著作は、2015年から60年をベースにして論を進めていますが、
過去の生産年齢人口の変化を見ると、これからの変化の「異質さ」が、
わかります。
1945年4128万人 → 1985年 8250万人
と日本は過去40年の間に4122万の生産年齢人口が増加しました。
これが日本の「奇跡の経済成長」を成し遂げた大きな要因です。
著者曰く、日本の「成功」は、日本型資本主義・経営の「独自さ」ではないと指摘しています。
戦後日本は、短期間の間に生産年齢人口を増やしましたが、今後50年は、
短期間に生産年齢人口が減ります。
これは、戦後日本の「激的変化」を考えても、
予測することが不可能なほどの変化を日本社会に与えるはずです。
バブル崩壊からこの30年での日本の労働生産性向上は世界126位です。
この20年みてもGDPは、ほとんど上がっていません。
これほど、世界でITなどの「生産性向上を可能とする技術」
の恩恵を活用していない先進国は日本くらいです。
この20年企業におけるリストラと成果主義の導入は、私の見方では、
生産性を上げるための「手段」だったはずですが、
結果は、日本の現在の労働生産性は28位と先進国最低の地位にあります。
アトキンソン氏曰く、他の先進諸国と比べて、
これほど労働生産性の成長率と低い国は、【異常】というしかなく、
裏を返せば、「大幅に伸ばせる」要素があると指摘しています。
しかし、この20年、働いていた方なら理解できると思います、
この20年も「生産性を上げる」ために、企業はあの手この手を使ってきました。
アトキンソン氏の疑問は、日本人の労働者の実力から言ったら、
なぜこんなにも、給料が安く、労働時間が長く、そして、GDP/労働者人口=労働生産性が低いのか、
全く説明がつかず、一番驚くのは、誰も、声を上げて、核心となる異常=問題を指摘しないことにあると。
全くその通りです。
なぜアトキンソン氏のような一企業経営者が、
日本が長く停滞している核心的な要因を指摘しなければいけないのか、
日本のトップ層は、恥を知るべきでしょう。
政府が提言している成長戦略にも、
もちろん、労働生産性の欧米並みの向上というのは、記載されていますが、
書いているだけで、表面的に従事し、本気で実行しないのは、
最早、日本の御家芸になっています。
著者は政府のとんちんかんな政策と上場企業の経営者の無能さを指摘し、
生産性をどう上げるかを冷静に提言しています。
核心となる問題解決に時間を使わずに、
どうでもいい不倫問題や森友に時間を割く政治家達、
バカバカしいを通り超して、悲しくなります。
それは、自分達自身の姿を鏡に写したものかもしれません。
著者が言う、「労働生産性向上」が日本が人口減少社会に
対応できる数少ない手段だと言いますが、
日本は、その舵取りをしなければならないトップ層(官僚、財界、政界、教育界含めて)は、
残念ながら、それほど危機意識は持っていないでしょう。
事後対応(問題が起こってから対処する、それまでは、
あまり深く考えないことにする)に終始し、
対応しても、前例がないから、よく検討する等言って、
本気になって、動くことはしないでしょう。
この30年より、もっとひどい感じになると思います。
国際的な経済学者だった故森嶋通夫氏は、
90年代後半に、日本の2050年代の質的分析を行っています。
森嶋氏の日本に未来に対する見方は、辛辣ともいえるものです。
抜粋すると、
「この国の将来が明るいものでないだろうと結論しても間違いはない。
日本は工業国上位のグループに留まることはできないであろう。
そして国際的影響力は目立たなくなり、とるにたらない、活力のない国となるだろう」
アトキンソン氏は、統計データーから、
労働生産性の向上に一縷の望みをかけていますが、
その生産性を担う人は、もう社会に出て、教育が施されています。
後に続く人がトップ層になっても、短期間で変革することはできないでしょう。
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生産性を上げるためのドライバーとステップ
当たり前のことを実行するのが一番難しい
ドライバー
1 設備投資を含めた資本の増強
2 技術革新 新しい技術
3 労働者のスキルアップ
4 新規参入 組織の組み直し
5 競争
ステップ
1 リーダーシップ 生産性向上にコミット
2 社員一人ひとりの協力
3 継続的社員研修の徹底
4 組織の変更
5 生産性向上のための新しい技術
6 生産性目標の設定と進捗
7 セールスやマーケティング
8 主たるビジネスプロセスの継続的改善
9 知識管理 専門家 顧客 協力業者と意見交換
10 生産性向上の実績を測る
11 効率よく実行
12 報連相の徹底 目標を意識して
内部の敵を踏まえ何をやめるかの選択実行
政府の実行すべき政策
1 国家公務員の半分を女性に
2 企業の統合を促進
3 生産性の低い企業を守らない
4 最低賃金を段階的に引き上げ
人口減少で経済の常識は根本から変わった
これからの人口激減はペスト流行の欧州並み
労働者の黄金時代
人が減っても社会資本は減らない
生産性の向上
働き方、産業構造、資本家と労働者の関係
移民で解決しようとすると40%が移民に
生産性が上がらなければ男性21時間労働
窓際族は国レベルでは機会損失が問題
高品質低価格の問題
1 誰も欲しくない ちょんまげ的なモノ
2 高品質と妄想 ホテルのシーツ
3 適正価格だといらない 一般宅配スピード
4 供給側の根拠なし 日本のおもてなし観光
5 消費者を洗脳 旅館のシステム
6 低価格で品質クレームなし ホテル
高品質低価格ならば輸出大国だが違う
社会福祉負担増
外国人に良いものを安く売るメリットない
必要なのは高品質で相当の価格
女性の活躍
1 知的労働が増えた
2 家事負担が軽減
3 少子化
150万円の壁
子供のいない専業主婦はモラルハザード
廃止すべき制度
1 配偶者制度
2 第3号被保険者制度
3 遺族年金制度
純国内のサービス業は生産性低い
米国は経営をサイエンスで教育
ビックデータやAI をサービスに活用
データサイエンスで感覚判断を無くす
経営者の責務
価格決定、設備投資の配分、人材の割り振り
生産性の向上にかかわる重要事項
付加価値が増えずに利益の増えた会社は従業員給料を機関投資家に渡しただけ
賃金の引上げと生産性の向上はワンセット
日本の経営者は経費がゆるい
働き方改革は意識改革
修行 自己実現 利益 が目的ではNG
より高い付加価値を生み出しより高い給料を
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論理的に、数字をベースに、現状の日本の状況を説明している。GDPの状況などをかっくこと比較し、生産性=一人あたりのGDP を上げる必要性を説いている。
私も日本の異常な高品質と低価格は懸念をいただいているため、非常に興味深く読めた。
さまざまな統計情報もあるため何かの説明の際にもベースになる数字知識として活用できそう。
また、日本は根拠の検証をしない国、というにも非常に納得がいく。
22 日本は世界第3位のGDP。
人口数は11位で1億以上は13カ国しかない。
先進国の中で1億以上なのは米国と日本だけ。
25 生産性向上率は126位
56 生産性=1人あたりのGDP★
60 1人あたりのGDPは28位。
日本のGDPが高いのは人口が多いから。
144 日本は本当に根拠の検証をしない国
225 IMD World Digital Competitiveness Ranking 2017
によると、日本のデジタルインフラ競争力は6位と高い。すじゃす、」企業の機敏性は57位で、データを使う能力は59位。
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著者はデータ分析に強みがあるとの事ではあったが、本書では一般に受け入れやすくするためか、データが少なく感覚で話されているように感じてしまった。
しかしながら、本書の指摘にあるように、
・公務員に女性を率先して採用する
・最低賃金を引き上げる
事には賛成する。
昨今の人手不足も元を正せば最低賃金に原因があり、北欧の国々の女性の就業の大半が公務員である事からこの2つの案を取り入れない理由もない。
経営者が無能だ、賃金が低いのは労働者をバカにしている。このような指摘は一労働者としては、なんとも心地よく聞こえるが実際に行動に移すのは難しい。経団連は政治家へ献金し、デフレ状態は富裕層、及び年金受給者にとっては居心地が良い。政治的にも高齢者が大多数を占める日本で抜本的な改革など求められていない。つまり、詰んでいるのだ。著者のアナリストとしての指摘はもっともだ、恐らく正しいのだろう。しかし、政治はそう動いてくれない。著者が本書の中で何度も言われているように日本人は究極的な局面まで迎えないと変われない。しかし今回の局面はどうやら超えられないのがわかって来てしまった。
著者には観光に関する問題提言をして貰えばいいと思うし、著作としても観光以外の書籍の評価は高くないと感じた。、
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これまでの著作とのダブり感はあるものの、論旨は明快、正論。効率性と生産性は違うということ。如何に付加価値を付けられるようにするか、ということが生産性の向上である。
今の政治家と官僚では、日本は泥舟ではないか、と暗澹たる気持ちにもさせられる。一方、著者も言うように伸びシロは多い。
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2018年刊。著者は小西美術工藝社代表取締役。
元ゴールドマン・サックス金融調査室長の著者については、かつて邦銀の不良債権の実態を暴いたことで知られているかも。その著者が、コンサルティング経験と海外との比較に依拠しつつ、歯に衣着せぬ表現で、困難、特に人口激減を迎えんとする現代日本の経済面での目指すべき道を開陳しようする書だ。
問題点の指摘は多岐に亘るが、基本的には生産性の低いサービス業につき、高品質・低価格戦略を捨て、品質に即応した適正・応分の価格設定を目指し、政策的に誘導するものだろう。
そもそも価格とサービス。一見すると二律背反するように見えるこれらの要素に関し、供給者側の独りよがりではなく、需要者の懐からお金を引き出せる適温状態のサービスの提供が重要だということなのだろう。
換言すれば、サービスの過剰性如何、サービスの内容と質、個々の提供サービスと価格の相関性をリサーチし、検証し、試行錯誤する方向に誘導させるべきということであろうか。
さらに言えば、本来は淘汰されるべき非生産的な企業が、従業員の賃金を下げ、あるいは労働時間の増大という手法を採用することで延命する。これを防止することにあるのかもしれない。
そうなると、政策的には最低賃金の飛躍的増額を実現。また労働時間の規制上限を下げ、これらの違反に対しては、刑事罰や課徴金といった方法で厳格に対処する制度的手当てが必要ということになるはずだ。
論の運びは、割と断線気味な展開であったが、その内実は、なかなか興味深い一書といえそう。
殊に、日本人が誤解しがちな点、例えば、
① 1人当たりのGDPをデータ検討において利用しない、考慮しない(例えば、日本がGDP世界第3位。中国に抜かれた等の言説に含まれる)というのは世界潮流からは外れている。
② 1人当たりのGDP向上で表される生産性の向上は、効率性の向上と常に一致するわけではない。例えば、効率性の向上で生み出された余剰人員を、適切な人材配分を行い、誘導し、別の生産量を生み出して初めて生産性の向上を齎すのだ。
③ さらに、企業体は生産性の向上において、効率性の向上までは実行する(利益が上がるから)、その先の生産量の向上までは積極的に行わない場合がある。つまり効率性の向上が賃金下落(例えば残業代の支払い不要や解雇。新規雇用の抑制)を招くものの、ここで利益が増大した企業体=経営者の積極性が止まり、生産性=1人当たりのGDP向上という観点では合成の誤謬を来たす点
などには蒙を啓かれた感がある。
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【低賃金】
日本の人口が減る、労働者人口が減る、大変だ。
とよく耳にしていましたが、その分、仕事も減るので別にいいのでは。とわたしは思っていました。
ただ、労働を終えた生産しない高齢者が増えるということは考えてもいませんでした。この高齢者を支えようと思えば、今以上の生産が必要ということです。
バブル期は、日本は物価が高くて、人件費も高いと言われていたように思いますが、最近は、全く聞きません。
わたし自身も10年ぐらい前の給料がピークで、そこからはかなり少なくなりました。。。
それほど貧しいということもありませんが、何を購入するにもかなり検討してから購入というかたちになってきました。無駄遣いを抑えるという意味ではいいことですが…
10年ぐらい前はそんなことは気にせずお金を使っても、貯金が増えていく感じでした。
今の日本は、雇用は確保したが、その分給料は低いという感じです。
土曜日にそこら辺を散歩していると、いわゆる中小企業は仕事をしています。いまだに、週休二日制ではないのです。しかも、週休二日制の人より給料は少ないのです。
雇う側の心理からすると、人件費をコストと考え、できるだけ抑えようとします。しかし、雇用(数)はキープしなければなりません。
企業は生産量を増やす工夫をせず(思いつかなかった)、企業の体力を保持するために、一番簡単な労働者の給料を下げる方法をとりました。雇う側にとっては成功したと言えます。しかし、生産量は増えていないのです。
話は変わりますが、多国籍企業からすると、日本人は労働品質がいいわりに安く雇えるという感じなのでしょう。外資系企業にとっては安く雇えても、雇われた方からすると外資系企業の方が給料はいいと思えるのは、よほど日本企業の給料が低いのでしょう。