「ない仕事」の作り方 （文春文庫）

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2018/11/3 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2021/2/21〜2/25

いろいろなことの仕掛け人であるみうらじゅんさんのエッセイ。基本逆張りをするみうらさん独特の思考法の一端が覗けて面白かった。永遠の少年なんだろうなぁ。

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【「本業は何？」謎に包まれた著者の仕事術に迫る！】アイデアの閃き方からネーミング術、ブームの起こし方、接待術まで「一人電通」式仕事術を大公開！ 糸井重里さんとの対談も収録。

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『アウトドア般若心経』を購入し、お土産に石田衣良の似顔絵皿を貰ったことのある身としては、絶対に読まなければなりません。と言いつつ、こんな本が出版されているのを知らず、友人が貸してくれました。

昔お世話になった文化人類学の先生が、「学者なんてニッチ産業やで」と話していました。誰も研究していないものを見つけて先駆者になる。本書を読んで「ない仕事」を見つける、つまりニッチを探すということなんだなと思いました。ただし、いくらニッチだからといって、自分が興味を持てないものの研究はなかなか進まない。ここで著者のおっしゃる「好きなものの貯金」と「自分の洗脳」が必要になるのですね。

ふだんの生活にもためになりそうなことがいっぱい書かれていて、しかしこれも著者のいう「誤解」なのかもしれません(笑)。

石田衣良の似顔絵皿がどうなったかって？ すでに私の手元にはありません。こんなもん貰ってどないするねんと困り、喜んでくれそうな友人に進呈しました(押しつけました)。本当に喜んでくれたかどうかは定かではありませんが、立派にいやげ物の役割は果たしています。

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ゆるキャラの名付け親、ゆるキャラを仕事にするまでの話が、人生全ての積み重ねだなんて…今の｢サロン｣｢コミュニティ｣｢マーケティング｣に普通に使えるパーツが散りばめられてました。

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「ゆるキャラ」も「マイブーム」も、みうらじゅんさんの考案で、最初はなにそれ？と誰も見向きもしなかったことをわすれてはいけません。

みうらさん自身の行動は、「ブルーオーシャン戦略」そのものです。そんな言葉が一般的になる前から。

それまでに「ない」新しいことを生み出す。

それはつまり、はじまるときには誰も分かってくれないどころか、怒られることを覚悟しなければなりません。
全く新しいものを生んだ瞬間から「すごい！」と評価されるわけがないのですから。

それなのに、ある程度伸びそうな芽を選別しては大きく育てようとするやり方ばかりが、なぜかどんどん増えています。

AIがなくても、いつでも「ない」仕事が、つぎつぎにできてきました。

生きるイノベーション、みうらじゅんさん。
そしてそれを見いだしたのが糸井重里さんなのも、興味深いです。

軽く読めます。
そして、とても深いです。

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どうやって数々のアイディアが生まれたのかが分かり、しかもこの人だから出来たんでしょ、と思わなくて済むほどには現実的な手法も。

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タイトルのみで判断すると一見方法論かなと思わせるが、みうらじゅんさんのこれまでの人生というか考えていることというかそんな頭の中を覗ける、そんな本でした。

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みうらじゅんの面白さは独特だと思っていたが、それは正しくもあり、正しくもなくて、自分が面白いと思う感度、そしてそれを思い続ける熱と発信し続けること。センス、パッション、グリット、アウトプット。どれもビジネス書、マーケティング書に出てきた言葉。そしてない仕事＝ブルーオーシャン戦略。みうらじゅん、すごい！
駐車場の「空あり」ないがある、と読む。その感性はさすが！と思ってしまった。それが、仏像につながるなんて。
面白いって思ったことってバカだなあ、とか思いがちだけどそうじゃないんだな。面白いこと、思い続けてみようッとという気になる。
実は〝シンス”は私も思っていたことがあったんだけどそれを思い続けることをしなかったなあ。
またネーミングセンスも、いいですね。権威・濃すぎ　とか、アイデンとティティとか。笑ってしまいます。
また、誰かになりたいくらい好きってのも、自分にはなかった熱だなあ。誰かのコピーなんて、誰かの人生を生きるようでつまらないと思ってたから。
シンプルに、「この人、面白い」「この人、かっこいい」「この人、好きだ」でいいんだな。
みうらじゅんの他の本も読みたくなった。