「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
紙の本
かきバターを神田で (文春文庫)
著者 平松洋子 (著)
冬の名物・かきバター定食をはじめ、肉豆腐の煮汁に浸ったゆで卵、ベルリンの路上でかぶりつくカリーヴルスト、ちぎりトマトにサザエカレー。世の中の美味しいモノに心が弾む! 『週...
かきバターを神田で (文春文庫)
かきバターを神田で
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
冬の名物・かきバター定食をはじめ、肉豆腐の煮汁に浸ったゆで卵、ベルリンの路上でかぶりつくカリーヴルスト、ちぎりトマトにサザエカレー。世の中の美味しいモノに心が弾む! 『週刊文春』連載の人気エッセイを文庫化。【「TRC MARC」の商品解説】
熱いバター醤油にまみれた立派なかき、清らかなせん切りキャベツ、黄色い芥子。
あの光景を思い浮かべただけで―ー平松さんが悶絶する、冬の名物・かきバター定食。
寒い夜、家に戻る途中「肉豆腐が待っている」と思うだけでものすごく安心する――
昨日より豆腐に味が染みて、ねぎもとろとろに甘く…「煮汁につけておいたゆで卵」!
冬の煮卵、かきバター焼定食、山形の肉そば、ひな鶏の素揚げ、デミグラスソースがたっぷりかかったトンカツ、あるいは、ちぎりトマトにサザエカレーに水茄子…
世の中の美味しいもの、美味しい味を生むお人柄、美味しい料理の背景。
週刊文春人気エッセイをオリジナル文庫化した一冊。
解説・堂場瞬一【商品解説】
冬の煮卵、かきバター焼定食、山形の肉そば。世の中の美味しいモノとその周りを伝えてくれる週刊文春人気エッセイ!文庫オリジナル。【本の内容】
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
平松洋子さんのおいしさの秘密
2019/12/20 07:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本作は「週刊文春」に2016年8月から2018年4月まで連載されていて、つまりは好評連載で、それでいていきなり文春文庫オリジナルという、なんとも贅沢な食べ物エッセイである。
平松洋子さんといえば、今や女東海林さだおともいえる存在であるが、東海林さんのように毎回「丸かじり」ではなく、上品さに時々ガブリと戴く豪快さを合わせもった筆力に、ファンは多い。
平松さんの味にはずれは少ない。
食べ物エッセイというだけあって、人を描く際にも食べ物の話題は欠かせられない。
しかもそれが不自然でないのだから、平松さんの筆の巧さという以外にない。
例えば、石牟礼道子さんのことを綴った文章。
おそらく石牟礼さんが亡くなったあとの追悼の意味を込めてのコラムだろうが(この文庫で唯一残念なのが、連載時の日付がないこと)、そこでも生前石牟礼さんからご馳走になった炊きこみごはんのことが綴られている。
石牟礼さんの食べ物の随筆を読みながら、最後には「あきれたことに、読みながら猛烈におなかが空いてくるのだ」となる。
平松さんの食い意地がはっているのではない。
石牟礼さんの文章のおいしさを表現するのに、こんなすばらしい褒め言葉はないだろう。
平松さんにとって、食べ物はこの世界を語るのに欠かせない思いなのだ。
「ぬるい味噌汁」というエッセイがいい。
町のちいさな定食屋で体験した話。注文した定食についていた味噌汁のぬるいこと。文句のひとつもいえばいいのだが、忙しく働く店の人の姿に何もいえない平松さん。
平松さんの文章がおいしいのは、こんな優しさが隠し味になっているからだ。