「関ヶ原」の決算書(新潮新書)
著者 山本博文
金がなければ戦はできぬ! だが天下分け目の大いくさで、東西両軍で動いた金は総額いくらになるのか? 『「忠臣蔵」の決算書』に続き、日本史上の大転換点をお金の面から深掘り、知...
「関ヶ原」の決算書(新潮新書)
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商品説明
金がなければ戦はできぬ! だが天下分け目の大いくさで、東西両軍で動いた金は総額いくらになるのか? 『「忠臣蔵」の決算書』に続き、日本史上の大転換点をお金の面から深掘り、知っているようで知らない「関ヶ原の合戦」の新常識を提示する。そもそも米一石は現代なら何円? 徳川家康は本当に儲かったのか? なぜ敗軍に属した島津家がおとがめなしで生き延びたのか? 史上最も有名な戦の新たな姿が浮かび上がる。
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関ケ原ならなんといっても大谷吉継がいい
2021/02/24 15:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「決算」という言葉を「広辞苑」で調べると、「勘定を締切ること。収入・支出の最終的な計算」と出てくる。
つまり、この本は天下分け目の戦いといわれる「関ケ原合戦」(1600年)で徳川家康率いる東軍と石田三成率いる西軍の、各藩が一体どのくらいのお金がかかり、その勝敗のあとの成敗で(つまり、勘定が締め切られ)どれだけの損益がでたのかがわかりやすく書かれている。
何しろ著者の山本博文氏は東京大学史料編纂所教授ながら、かつて日本エッセイスト・クラブ賞を受賞したほどの文筆家だから、文章がとてもいい。
さらにいえば、この作品は山本氏の遺作でもあって、本書巻末に「がん闘病中でしたが、本書の校正をすべて終え、直後の2020年3月29日に永眠されました」と、編集部のコメントがはいっていて、山本氏がこの作品出版に際しての思いが感じられる内容になっている。
特にこの中では、西軍についた大藩薩摩の島津藩についての記述が核になっている。
というのも、島津藩は大藩でありながらわずかな兵しか出陣させず、命からがら関ケ原をあとにする。そうはいっても、東軍の勇壮井伊直政に傷を負わせたぐらいだから、「決算」はマイナスになっても仕方がなかった。
しかし、実際には島津藩はほとんど処罰を受けていない。
そんなあたりを、関ケ原合戦が始まる前あたりから解き起こしていく。そして、この合戦に見られる裏切りなどの挿話も絡めて、実に面白い歴史書になっている。
1957年生まれだった山本氏の早逝は実に残念だ。
何事も金次第
2020/05/31 15:50
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のりちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
合戦には金がかかるということがよく分かったし、本書ではわかりやすく説明されていた。矢張り何事も経済力が必要だ。
ただ本書は関ヶ原合戦の様子を財政面的側面から描いているが、単純に歴史書としても面白く書かれていると思う。