紙の本
読み進むスピード感
2021/02/27 17:07
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投稿者:バベル - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めから進むうちに、段々とスピード感がアップしていく作品。物語の続きが気になる。
紙の本
濃密な美の起点
2021/03/08 17:53
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:帛門臣昂 - この投稿者のレビュー一覧を見る
三島文学特有の濃密な美はここから始まっている。
読み進めていくうちに、その香りから頭がクラクラする。性的な描写でさえ、美しい。それは、流麗な日本語が為せる技だ。
紙の本
三島由紀夫の初期代表作
2023/04/30 19:23
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
こういう自伝的作品はファンの人が作品の背景を知るために読む事が多いが、むしろ三島文学に触れていない人が最初に読んでも良いですね。
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投稿者:喜劇から - この投稿者のレビュー一覧を見る
これでもかと作者本人の感覚が詰め込まれている気がする。
今までにない感覚の読書体験をしたい方にぜひ。
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まさにことばの芸術。福田恆存の考察がよかった。
「『素面を追求するしぐさによってしか仮面は完成しえず、素面を仮面と見なさずしては素面は成立しえない』つまり小説の小説」かぶってる逆説的なペルソナと無意識下の人格とをことばで鮮やかに行き来して作っていけるところがさすが文学者…
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女性に興味を持てず、男性に心を動かされ、特に若い男性の腹部の出血に強烈なフェティシズムを覚える。率直に言えば、相当にグロ。
でも、それをグロと感じさせない言葉の芸術。ここまで言葉で表すことができるというのはどういう感覚なんだろう。
ここまで表すことができてしまったら、何か別のものが見えてくるのでは。この小説の場合、それは悲しみとか絶望感とか、何かネガティヴなもの。重く暗い空気をまとった、美しい言葉の芸術を読みながらそんな思いに囚われた。
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誰しもが仮面というものを持ちながら生きている。
これは三島の告白本として表されるものだが、この時代に自身を同性愛者だと文学を通して語っている事は前代未聞であり、当時は考えられない事である。加えて、それを文学を通し芸術的尚且つ「美」として述べられていると言うのがこの作品が評されており、三島の「美」の拠点と言っても過言ではないかと考える。
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息継ぎがなくて慣れてないせいか読みづらいところがあったけど品のある文章だなと思った。
誰しも大小はあれど仮面をかぶりながら生きていかなければならないという生きづらさや(特にこの時代はLGBGに対する偏見が強かったと思う)それに伴う主人公の苦悩はよく伝わってきた。
射精とか勃起とか英語で書かれていたのは少し面白く感じたし疑問だ。
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三島由紀夫の文章を読んでいると、自分がいかに言葉を知らないかを思い知らされる。自分の考えを寸分違わず言葉にしようと思ったら、ここまでしないといけないのか。とても難しかった。
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女性を愛せない男性の告白。
三島自身がどうかはさておき、この時代にこれを書くのは勇気が要ったんじゃないかと思うが、
『お前は人間ではないのだ。お前は人交わりのならない身だ。お前は人間ならぬ何か奇妙に悲しい生き物だ』
という一文から見受けるに、三島が同性愛者だとしたら、欲しかったのは勇気や理解ではなく、許しだったのかもしれない、と読み終わった後に思った。
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自伝的小説か否かは賛否両論あるが、経験に基づかなければ書けないと確信できるほど、心の葛藤が事細かに描かれている。洗練された文章はなんとも美しい。生まれた時の記憶から、自身が同性愛であると自覚するまでの葛藤が苦しい。彼の生きた時代は、同性愛が今ほど理解がなかったための他者と自分が違うことを理解したときの絶望が悲しい。
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自分が同性愛者だと自覚するまでの苦悩が描かれてます。
文体が美しくでも難しく読んだ後芸術品をみたような感覚になりました。
自分の言葉の知らなさを思い知らされました。
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三島文学をビシビシ感じる作品。最後の園子との会話と空気感はとてつもない人間性を感じ、こぼれた飲み物が、ぎらぎらと反射するという表現が頭にこびりついて離れない。
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告白体の自伝。理性と欲の葛藤、自分を騙しながら社会で生きていく、自分の葛藤は解決されないまま、世界は続いていくやるせなさや無気力みたいなもの。終わりがあるから輝くもの。死がある種芸術になる理由かもしれない。
園子とのシーンが好き、一挙手一投足が嘘と本心を行き来して、嘘で塗り固めているようで、それを本心だと信じたい気持ちとか。結局やっぱり違う、って気づく話なんだけど。締め括りも象徴的で。
本筋とは別の部分だけど、戦時中の空気感がとてもリアル。本題の外側を取り囲む日常だからこそ尚更。麻痺した危機感、社会の格差、総合的に貧しい時代だったと思いつつ、資本主義社会の下にあった社会なのだなと新しい発見をした。玉音放送の前で涙するあの様子、今までは愛国主義的なものと解釈していたけれど(もちろんそれもあると思う)数年間人生の終わりを意識しながら過ごした日常が突然終わり、明日から全く違うマインドで生きていかなければいけない、拍子抜けのような涙もあるかもしれない。
心理描写が何重にも捉えられていて、私たちも確かにそういう心の働きをするのだけど、言葉で捉えられるのは三島由紀夫だからなんだと思う。
レター教室も一気読みだったけど何でこんなに読みやすいんだろう。金閣寺買ってきた。潮騒も読みたいし、命売りますも読みたいし、2021年の楽しみできた感じ
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窮屈な数学ですね
@青山ブックセンター
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太宰の『人間失格』も三島のこれも、自意識過剰すぎて、自意識過剰の自分は読むの結構しんどい。人間失格は、短いからいいけど、仮面の告白は自意識長すぎてうつになるレベルだから、前半で止まっている…自意識過剰って悲痛だよなあ