昔の話もおもしろい
2021/12/31 13:34
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投稿者:ぴー - この投稿者のレビュー一覧を見る
不思議な作品が9話掲載されています。
眠れない夜に読むとさらにおもしろいかもしれませんが、ますます眠れなくなるかもしれません(笑)
人間味のある暗さと哀しみ
2021/05/11 04:15
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:une femme - この投稿者のレビュー一覧を見る
仄暗いジメジメした暗さや恐怖はなく、人間の性が垣間見られるような、人の影を写しとったような物語の数々。滲み出るような悲哀が、じんわりと、余韻を持って心に残る。一つ一つの物語は短いけれど、纏まりがよく、きちんとした完成度があり、それぞれを楽しめる。
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編訳者によれば、
リアリズムが重んじられたために発展が遅れたものの、
19世紀半ば、E.A.ポオ作品の輸入と、
独自の文学運動の波によって花開いたという
イタリア幻想小説から選りすぐられた9つの短編が収録されている。
主なテーマは「死者の帰還」「強迫観念」「奇譚」といったところ。
もっと“変な話”を期待していたが(笑)
意外にアッサリした理知的なトーンで、やや拍子抜け。
以下、ネタバレしない範囲で全編についてザッと。
■イジーノ・ウーゴ・タルケッティ「木苺のなかの魂」
Uno spirito in un lampone,1869
狩猟に出た青年男爵Bが喉の渇きを覚え、
木苺を摘んで食べたところ、
自分が自分でなくなったような、
何者かが自分の肉体を奪ったかのような奇怪な感覚に囚われた――。
■ヴィットリオ・ピーカ「ファ・ゴア・ニの幽霊」
Lo spettro di Fa-ghoa-ni,1881
大金がなければ幸福になれないと思った
アルベルト・リーギはパオロ・ヴェリーニに苦衷を吐露。
魔術でめでたく金を手に入れ、結婚したのだが……。
日本人のネーミングがデタラメで、
日中印のイメージが混濁しているところに苦笑。
■レミージョ・ゼーナ「死後の告解」
Confessione postuma,1897
死んだ若い女性が告解のために神父を呼び寄せる話。
■アッリーゴ・ボイト「黒のビショップ」
L'alfier nero,1867
スイスのホテルのサロンでチェス対局をすることになった
ジョージ・アンダーセンと黒人の青年富豪トム。
白人対黒人の勝負を
そのままチェスの白黒の動きになぞらえているが、
差別的な表現が多い。
■カルロ・ドッスィ「魔術師」
Il mago,1880
幼少期から死の恐怖に取り憑かれ続けて年老いた男は、
様々な研究に打ち込んできたが……。
■カミッロ・ボイト「クリスマスの夜」
Notte Natale,1876
ジョルジョは愛する姉とその娘を亡くして悲しみ、
自身も体調不良に悩まされながらミラノを歩き回って、
姉に似た顔立ちのお針子を見初めた――。
■ルイージ・カプアーナ「夢遊病の一症例」
Un caso di sonnambulismo,1881
夢遊病になった警察署長が、その渦中、
悪辣な強盗殺人の有り様を透視し、筆記。
■イッポリト・ニエーヴォ
「未来世紀に関する哲学的物語‐西暦2222年、世界の終末前夜まで」
Storia filosofica dei secoli futuri,1860
イタリア統一運動を踏まえて描かれた“その先”の世界。
■ヴィットリオ・インブリアーニ「三匹のカタツムリ」
Le tre maruzze,1875
絶対に嘘をつかない正直者のドン・ペッピーノ、
最大の危機。
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イタリアの幻想味のある文学というと、カルヴィーノやブッツアーティを読んだことはあるが、本書は「19世紀」という括りでまとめたものである。こうした入手しやすいアンソロジーでなければ、おそらく一生読むことのなかったであろう作品に出会えたことに、先ずは感謝を申し上げたい。
また解説で、イタリア文学に関する一個の幻想文学論を読むことができたことで、文学史的な知識も得ることができ、大変参考になった。
幻想文学好きであれば、気にいる作品がきっと何編かはあると思う。
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これ面白い。イタリア古典幻想とかなかなか貴重。小学生が読んでも面白いかも。でも私は何故この本を読んでいるのだろう。
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「知られざる」イタリア19世紀作家のの幻想短編集。とくにアッリーゴ・ボイト『黒のビショップ』、ルイージ・カプアーナ「夢遊病の一症例』、ヴィットリーオ・インブリアーニ『三匹のカタツムリ』が面白かった。とくに『黒の…』は極めて劇的、と思っていたら、ヴェルディのオペラの台本作家ということで成る程と納得。
イタル・カルヴィーノの評価が19世紀の文学の評価に(評価を下げる方向で)影響をあたえているというのも興味深い話。
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イタリア文学ってあまり読んだことがないかも……作家さんの名前も全然知らないけれど。とりあえず怪奇幻想ならば読んでみるべし、と。
お気に入りはカルロ・ドッスィ「魔術師」。死が怖い、というのは人間として当たり前のことではあると思うのですが。それがまさかこんなことに! 本末転倒ともいえるラストは、恐ろしいというよりも皮肉です。
王道な怪奇小説としてはヴィットリオ・ピーカ「ファ・ゴ・ニの幽霊」も面白かったです。だけど……「どう考えても日本じゃないだろそれ!」というツッコミを入れたくなってしまいました(笑)。まあこちらも海外のあれこれは区別がつかない部分があるので、それとおなじなのでしょうけれど。
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読み応えある9作家の短編集。
怪奇幻想といっても幽霊…SFなど種類が分かれているので、ネタバレが大丈夫な方であれば最初の説明書きを読んで興味のある話から読み進めるもよし。順番に読むもよし。
どの作家も日本での知名度が高くない分、素敵な宝物に偶然出会った感覚を味わえること間違いなし。
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19世紀イタリアの怪奇短編集です。今までこのような古典アンソロジーは無かったのではないでしょうか。やや古さは感じるものの、さすが光文社古典新訳文庫、飽きずに読み進める事ができます。二重人格もの「木苺のなかの魂」怨霊が迫る「ファ・ゴア・ニの幽霊」が良かった。
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19世紀後半の、日本では全く知られていないイタリアの作家たちによる幻想短編集。
怪奇小説であっても全体的にあまり暗いトーンを感じず、明るい雰囲気がある。
無数の作品から選び出したアンソロジーなのだろうから、確かに様々なアイディアによる短編が集まっており、それはなかなか楽しい。が、「これは」と身を乗り出すようなものは見つからなかった。まあ、何となく楽しんで読めばいい、という本ではあるだろう。
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I read this book two months ago. On the whole, some are interesting, but others are not.
My favorite works are “The soul in the raspberry", "The ghost of Fa-ghoa-ni", " The black bishop" and "The three snails". I think these works are easy to read. But, "The confession after death" and" The philosophical story regarding the future century" are too difficult for me to comprehend. I wanted to comprehend what each writers want to tell to us in these works.
Consequently, I’m glad I read this book because I could be involved with Italian literature.